2,593 views
一年間で何百ものアニメが放送される現在。一年を通して「最も印象に残った声優や作品」の業績を称えるのが声優アワードだ。
第一群となる主演、助演、新人賞、そして最多得票賞は一般投票を考慮し選出されるため、それはまさしく世界中のアニメファンが認めたという「数の証拠」。
2007年から始まり、今年で10回目の開催となった2016年の輝かしい声優アワードの模様を、それぞれのスピーチ内容と共に今一度振り返ってみよう!
主演男優賞・主演女優賞はこの二人!
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』で主演を務めた二人のW受賞となった今回の主演男優賞と主演女優賞。まず主演男優賞に選ばれたのは松岡禎丞。
2015年は先に書いた『ダンまち』のベル・クラネル役や、『食戟のソーマ』の幸平創真役などを演じた。
スピーチでは、この賞は自分だけで獲ったものではなく、周りのスタッフの支えがあってこそだと語り、未だに現場では緊張や不安が取れないと笑いを誘った。
受賞後のラジオでは、授賞式の前に神谷浩史に「大丈夫、大丈夫」と声をかけてもらえたと語ったが、トロフィーを持つ手が震えるほどの緊張の中行われた彼のスピーチは、まさに彼の純朴な人柄を表していたのではないだろうか。

主演女優賞に選ばれたのは水瀬いのり。
2015年は『ダンまち』のヘスティア役、『がっこうぐらし!』の丈槍由紀役、そして『心が叫びたがってるんだ。』の成瀬順役など、大きく話題になった作品に多く携わり、成長の一年となった。
5歳の時から声優を目指していたという彼女は、スピーチでは自分に声優という仕事を教えてくれた両親に感謝の言葉を口にした。
また、自分も誰かの夢や憧れになれるように声優の仕事を頑張りたいと決意を示した。

助演男優賞・助演女優賞はこの四人!
助演男優賞・助演女優賞には各2人ずつ選出された。一人目の助演男優賞は鈴村健一。
2015年の主な出演作は『おそ松さん』のイヤミ役や『銀魂』の沖田総悟役などで、パーソナリティ賞と合わせてのW受賞となった。
パーソナリティ賞では、ラジオ「有限会社チェリーベル」で共に喋ってきた今は亡き声優仲間・松来未祐が背中を押してくれたから受賞できたと語り、助演男優賞のスピーチではこれからも誰かを支えていける役者になりたいと語った。

二人目の助演男優賞は細谷佳正。
フリーとして活動を始め二年目となる2015年は『アルスラーン戦記』のダリューン役や、『ハイキュー!!セカンドシーズン』の東峰旭役など、数多くの作品でメインキャラを務め飛躍の年となった。
スピーチでは、フリーとして活動してみて「一人では何もできなかった」と感じたと語り、支えてくれる周りのスタッフに感謝を述べた。

助演女優賞の一人目は伊藤静。
2015年の主な出演作は『暗殺教室』のイリーナ・イェラビッチ役や『監獄学園』の芽衣子役などで存在感を示した。
スピーチでは、2015年は作品や役に恵まれた一年だったと語った。また、声優活動15年目を迎えてもなお一人前への道はまだ入り口にいるとして、これからも迷いながらも階段を一歩ずつ登れるように励んでいきたいと誓った。

助演女優賞の二人目は早見沙織。
2015年の主な出演作は『赤髪の白雪姫』の白雪役や『終わりのセラフ』の柊シノア役など、タイプの違うキャラクターを見事に演じきった。
慎重に言葉を選びながら話す姿が印象的だったスピーチでは、全ての人に感謝の言葉を述べ、一歩一歩大切に歩んでいきたいと語った。

大混戦だった新人賞!受賞者はこちら!
多くの若手声優がブレークし、ひしめき合い、まさに大混戦となった今年の声優アワード新人賞。その中で見事新人賞受賞に至ったのはこの6人だ。まず、『艦隊これくしょん』や『SHOW BY ROCK!!』などに出演した上坂すみれ。

『それが声優!』『乱歩奇譚』などに出演し、2015年が初めての主演作となった高橋李依。

『干物妹!うまるちゃん』では土間うまるとして大きな存在感を残した田中あいみ。

男子は、『赤髪の白雪姫』や『ヤング・ブラックジャック』などデビュー後すぐの活躍が印象強い梅原裕一郎。

『ハイキュー!!』『怪盗ジョーカー』などに出演しどんな役もそつなくこなして見せる村瀬歩。

そして、『アイドルマスターシンデレラガールズ』のプロデューサー役で一躍有名になり、これからの活躍に期待が寄せられる武内駿輔。
中でも、この春高校を卒業したばかりだという武内駿輔は、自分のような年端もいかない子供がこのような賞をいただき…と10代とは思えない渋い声で語って会場の笑いを誘った。

ついに殿堂入り!最多得票賞はあの人に決定!
全ての受賞部門において一般投票で一番多く票を得た人物に贈られるのが、最多得票賞。2012年に新設されてからというもの、この賞は毎年同じ人物が受賞しており、今年もその期待は外れなかったようだ。
最多得票賞5回目の受賞となるのは神谷浩史。

同日声優アワード授賞式の後に行われた文化放送のラジオ「こむちゃっとカウントダウン」にて「むこう5年10年は神谷くんが受賞する」と声優仲間の櫻井孝宏も語るほど、衰えない彼の人気度は計り知れない。
授賞式当日のツイッターでは、もはや「神谷浩史のためにある賞」「神谷浩史賞」と話題になり、ついに今年殿堂入りが伝えられた。
殿堂入りを伝えられると嬉しそうにトロフィーを見つめ直した神谷浩史。
スピーチでは、「神谷さんは自分の誇りです」と言ってくれるスタッフと共に仕事ができていることに誇りを感じ、最多得票賞という賞は自信のない自分に皆さんが与えてくれた数少ない自慢であり誇りだと締めくくった。

発展し続ける声優アワードに来年も期待!
神谷浩史が殿堂入りになったことで、誰が受賞するか予想がつかなくなった最多得票賞。また、来年の声優アワード新人賞も混戦が予想され、さらなる期待が高まる。今年で10年目となる声優アワードだが、その歴史はまだまだ浅く、発展途中。
いつか、映画やドラマで活躍する俳優に与えられる多くの有名な賞と声優アワードが肩を並べる日が来ることを心待ちにしたい。
1 / 1