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万感の想いを込めた「Curtain raise」ツアー、ここに完結!

新曲「Dream hopper」も初披露した圧巻の大阪公演のライブレポートが届きました。

以下ライブレポートです。


©ハヤシマコ


2021年3月26日、大阪・オリックス劇場にて逢田梨香子の全国ツアー”逢田梨香子1st LIVE TOUR 2020-2021「Curtain raise」”の最終公演となる大阪・2回目の公演が行われた。

このツアーは2020年3月にリリースされた1stアルバム『Curtain raise』を伴うツアーで、本来は2020年4月から行われる予定であった。

しかし、新型コロナウィルスの影響で大阪公演は2021年2月、そこからさらに3月へと延期したのちついに開催の運びとなった。この1年間で配信イベント開催や2nd EP「フィクション」のリリースなどを挟み、いよいよ千秋楽を迎えるに至ったこの日。

客席は間隔を空け、観客もマスク着用のうえで歓声を自粛するなど、感染対策をしっかりとっていた。


19時になると場内が暗転、定刻通りに開演を迎える。

場内にはアルバム『Curtain raise』の1曲めとなる「Curtain raise」が流れ、ステージ上のツアータイトルが投影された幕が上がると、アルバムの曲順どおり「Mirror Mirror」でこの日のステージが幕をあけた。


©ハヤシマコ


ドスンとしたヘヴィネスを持ちつつ、ストリングスを中心としたシャープな音色が一体となったサウンドは、2020年末の東京公演で観たときと同様に客席にダイレクトに響く音圧だ。

この、体で音を体感するというのはリアルライブならではの心地良さである。

野間康介率いるバンドのサウンドに対して、ステージ2階から黒いドレスを身に纏って登場した逢田梨香子の歌唱もまた昨年同様に、いや、それを上回るクリアさと真っ直ぐさで客席に突き刺さった。

本ツアー以前よりソロでのステージ経験を重ねてきた逢田だが、この日聴かれた歌唱は実に逞しく、凛とした表情をもって耳に飛び込んできた。

アグレッシブなサウンドに終始体を揺らしながら、時折鋭い視線を見せ歌う姿は、アーティストとしてひとつまた上のステージに上がったのだと冒頭から思わせてしまうような、パフォーマンスだった。

「Mirror Mirror」のアウトロで逢田が天を仰ぎ、ひと呼吸したあとに鳴らされたのは1st EP「Principal」収録の歌謡テイストなロックナンバー「アズライトブルー」。

切ないメロディを歌い上げるこの曲では、ステージの上手下手を歩きながら時折笑顔を見せつつ聴かせる。また間奏では観客に手拍子を要求するなど、観客とのコミュニケーションも忘れない。


©ハヤシマコ


曲が終わり、ステージが明転すると、鳴り続けていた拍手が一層大きくなる。

そんななかで逢田は溢れんばかりの笑顔で、「みなさんこんばんは! 逢田梨香子です!」という第一声のあと、「来たぞ大阪ー!」とその喜びを爆発させていた。

二度の延期を経てようやくファイナルを迎えられたことにも「何回も諦めかけたんですけど、こうしてステージに立たせていただくことができて本当にうれしく思います。みなさんが待っててくれたおかげです」とファンへの感謝を述べた。

ここまで名古屋、東京、そして大阪の昼公演を経験したこともあってか、ファンへ語りかける表情もリラックスしている様子。

そんなMCのあとはしっとりとしたバラード「REMAINED」へ。パープルの照明に照らされた神秘的な舞台上で、逢田はステージの階段に腰をかけて歌う。


©渡邉一生


ここでの少し甘く、センティメンタルな歌唱がまた絶品だった。

そこから続く「光と雨」では、ダンサブルなビートに乗せた声の表情が印象的で、会場の音響の良さともあいまって心地よく楽曲を堪能することができた。

「光と雨」の少し長めにアレンジされたアウトロのなかで逢田がいったん退場すると、ステージ上ではアルバム『Curtain raise』のオフショット映像が流れる。

そのなかで残ったバンドによる優しい、ヒーリングミュージック的なインストゥルメンタルが披露される。

バンマスである野間康介(Key.)を筆頭に、生本直毅(Gt.)、高間有一 (Ba.)、柳野裕孝(Mani.)、そして大阪公演からの参加となった城戸紘志(Dr.)という布陣によるこのインストも、幕間として非常に大きな役割を果たしていた。


©ハヤシマコ


全体的にもライブ冒頭では生のバンドサウンドを聴かせるというリアルライブらしい アグレッションを聴かせつつ、中盤では逢田の歌声にそっと寄り添う繊細な演奏を見せるなど、このバンド編成が、改めて『Curtain raise』をステージで再現するうえで欠かすことのできないファクターとなっていたことを感じる。


©ハヤシマコ


心が洗われるような美しいインストパートを経て、ライブも後半戦に突入。

白いロングドレスに身を包み、ふたたびステージ2階から登場した逢田が歌ったのは、自身が敬愛するやなぎなぎの提供曲「Tiered」だ。重層的なコーラスワークに包まれながら歌声を聴かせていく。

改めてこの曲、そしてこの一連のライブで彼女がシンガーとして成長を果たしたのだと実感させる。

そしてその余韻を引きずりながら続く「ME」がまた素晴らしかった。ゆったりとしたリズムに、今だからより心に響く歌詞の一つひとつをそっと置くように、最後の糸を引くようなフェイクまで丁寧な歌い方で、逢田の表情も笑顔なんだけどエモーショナルな印象。

ドレスの腰からつけられた長いリボンをゆったりと引きながらステージを動いて歌う姿はどこか神秘的でもありながら、温かい気持ちに包まれるように感じさせる。


©ハヤシマコ



©ハヤシマコ


そうしたしっとりとした余韻のなかでドラムのキックが鳴り響き、それに合わせて観客も手拍子で応える。

ここからはアッパーな「ステラノヒカリ」を、観客と一緒の振りつけで披露。会場が一体となる、

ライブの醍醐味を味わうことができた一方で、歌詞にあるように彼女がファンと”未知の世界へ”飛び出すような、実にハッピーな雰囲気で会場がいっぱいになる。

そのまま楽しいムードのまま逢田がまたしても階段を昇り、拳を突き上げたまま客席に背中を見せる。

そしてくるりと客席へ振り向くと同時に「for...」を歌い出し、ガラッと会場のムードを一変させた。

とにかくこの一連の所作がゾクっとするほどカッコよかったのだが、同時に印象的だったのが”まだ誰も”という出頭のハイトーンの伸びの良さである。

アーティストデビューを果たしておよそ2年の間で、シンガーとして存在感はぐんと増した印象で、持ち前の凛としたクリアな歌唱にパワフルさも加わった。

そして「手元にあるブレードを好きな色に変えて、全力で楽しんで!」と告げたあとの「FUTURE LINE」では、彼女のポジティブなヴァイヴスが前面に出たパフォーマンスとなった。

終盤には逢田の「いくぞ大阪ー!」というシャウトも聞かれるなど、セット終盤でそのテンションは最高潮に達した。


©渡邉一生


「長かったね、このツアー」とこぼしたMCでは「1年間ぐらいこのツアーと付き合って、だからこそ『Curtain raise』という作品はより大切な存在になった気がします」とアルバムとツアーへの実感を深めた様子。

「みんなが会場に会いに来てくれて、ライブって成立するんだなって改めて思いました」とファンへの感謝を込めたあと、本編最後には自身が初めて歌詞を手がけた「Lotus」を披露した。


©渡邉一生


繊細な楽曲の世界観に没入するように、しっかりと芯の通った力強い歌唱を響かせる、まさにアーティスト・逢田梨香子のひとつの到達点を見るような、パフォーマンスを展開してライブはいったん幕を閉じた。

アンコールではツアーTシャツを着たラフな雰囲気のなか、まずはツアー恒例となった、ペンライトで客席を縦横無尽に彩るウェーブを楽しむ逢田。

そして「サプライズ!」と言ってそのあと披露されたのは、このツアーで初披露となる、2nd EP収録曲「Dream hopper」だ。

バンマス・野間康介によるとびきりポップで変則的なこの楽曲、サビでガラッと曲調が変わる構成のなかでも、逢田は声の表情も変幻自在に、軽やかに歌いこなしていた姿が印象的だった。

初披露ながら、今後も彼女のセットの重要な位置を占めるアンセムになるだろうと予感させる、ライブ向きな一曲だ。

その後のMCでは、「みんなも大変なことがあると思うけど、またここに帰ってきてください。

私もみんながここに帰ってこれるように私も頑張るので、またみんなこの場所で絶対に会いましょう」と力強く宣言。

そしてこの日、このツアーの最後の曲に選ばれたのが、彼女が初めて歌った曲「ORDINARY LOVE」だった。

この曲が聴かれておよそ2年経つが、日を増すごとに、そしてこんな時代だからこそこの曲が語る”ありきたりな日常”への愛おしさへの深みが増す。

あの頃あった日常が遠くに感じる昨今で、逢田梨香子が変わらずこの曲を歌い続けていること、そしてこれからも歌い続けながらみんなが集まる場を守ろうとしている姿は頼もしく、そして美しく映った。

およそ1年をかけてついに完結した『Curtain raise』ツアー。

そのファイナルで見たのは、ツアーのなかで、あるいはツアー外でも成長をやめなかった逢田梨香子の、ひとつの到達点であった。

歌唱面やステージングだけではなく、自身が歌うことへの強い意思を歌に乗せる、そうしたアーティストとしての生きざまを客席から確認することができた。

それは同時に、ここが終着点ではなく、その先にどんな進化が待っているのか期待させるものでもあった。

「Dream hopper」以外の「フィクション」収録曲や、今後も待っているであろう新しい楽曲たち、それをどんな表情で、どんな歌声で聴かせてくれるのか、アーティスト・逢田梨香子の次のステージを楽しみにしていきたい。

なお、今回のツアーの模様が、5月23日(日)23時~24時にフジテレビTWO ドラマ・アニメ/フジテレビTWOsmartにて放送・配信されることも決定した。

『逢田梨香子 1st LIVE TOUR 2020-2021 「Curtain raise」特別版』として、主に東京公演の模様をもとに構成した、舞台裏密着映像、番組のために撮りおろした映像を含めたライブドキュメンタリーとなるそうなので、こちらも楽しみにしておこう。


©ハヤシマコ



逢田梨香子 1st LIVE TOUR 2020-2021「Curtain raise」

2021年03月26日(金)大阪:大阪オリックス劇場

[2回目]開場18:00 / 開演19:00

01: Curtain raise
02: Mirror Mirror
03: アズライトブルー
-MC-
04: REMAINED
05: 光と雨
06: Tiered
07: ME
08: ステラノヒカリ
09: for...
10: FUTURE LINE
-MC-
11: Lotus

EN1: Dream hopper
EN2: ORDINARY LOVE

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