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声の魔力に取り憑かれるミュージカル俳優3選


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あなたが聴いた“声”の中でいちばん心に残っているのは、どんな声ですか?

舞台を観ていると、人の“声”の持つ力に驚かされます。

それは、声そのもののことも、その声を持って行われる演技のこともあります。持って生まれた声を生かしている人、自由自在に歌い方を変えられる人、同じトーンの声でも様々な印象を与えることができる人…“声”が私たちに与える影響の大きさは計り知れません。

今回の記事では、そんな“声”の印象が強い俳優を3名、ピックアップしました。

あなたもぜひ、声の持つ魔法にかかってみてくださいね。

歌い分けの神になる!浦井健治

浦井健治出典:©WOWOW「グリーン&ブラックス」公式Twitter(@wowowgbofficial)より
まず1人目は浦井健治さん!

浦井ちゃんやけんちゃんといったあだ名で呼ばれていることからもわかる通り、演技をしていないときはとっても親しみやすく、笑い出すと止まらなくなってしまうような可愛らしい方です。

そんな浦井ちゃんはシリアスな役を演じると一転、「あの愛らしい姿は一体どこへ…?」と観ている私たちを不安にさせてしまうくらいの憑依型俳優なんです!憑依型俳優とは、まるでその役の人物が俳優さんの中に入ってしまったかのような演技をする俳優のことを指します。その演技の秘訣こそ、浦井ちゃんの声にあるんです。

ここでは2014年と2017年に上演された『デスノート』を例に挙げて、浦井ちゃんの持つ歌い方による演技の脅威をお伝えしていきましょう。

名前を書くだけで人を殺せるノートを手にした高校生と天才探偵の頭脳戦を描いた人気漫画が原作のミュージカルで、浦井ちゃんは主人公の夜神月を演じました。

初めのノートを拾ったばかりの頃は「ですのーと?」と文字にすると思わずひらがなで書いてしまいたくなるくらい純粋な声で話しています。そのあとに続く曲の中で、月はどんどんノートに人の名前を書いていくことの喜びを感じ始めるのですが、そこから声が徐々に変わっていきます。

出典:©HoriPro Inc. ©スペシャル 浦井健治&柿澤勇人、小池徹平で再び!『デスノート THE MUSICAL』公開ゲネプロ(浦井ver.)| エンタステージより

「不思議だ、世界が輝いてみえる」


という歌詞では、拾いたての頃に比べ声が若干明るくなります。

それは紛れもなく、人間であれば持ってはいけないような“世界を自分の手で支配したいという欲”を抱き始めた瞬間を表していると言えます。ですが

「誰もが溢れる笑顔」


という歌詞ではまた、少しだけ純粋な声に戻るため、まだ完全に悪に染まっていないことがわかります。

この時点では単純に“多くの人の笑顔を守りたい、それだけのためにノートを使おう!”と純粋な理由でノートに名前を書いているのです。

そのあと、次々と人が亡くなっているという報道がされているシーンが挟まれ、また月の歌が再開されます。

「正義はこの手に委ねられた」


という月が使命感を覚えてしまったことを表す歌詞では、初めの頃とはうって変わって力強い声に豹変してしまいます。

特に「委ねられた」の後に半トーン上がるのですが、その瞬間にもうこの人は引き返せないところに来てしまったのだという恐怖を感じさせます。

「やり抜こう 僕こそ新世界の神だから」


というこの曲のラストの歌詞の時にはもう、曲が始まったばかりのときにみた普通の高校生の姿はなく、“この世界は僕のものだ”と言いたげな自信に満ち溢れた人物がいました。このたった1曲を聴くだけでも、浦井ちゃんの心情の移り変わりに伴う歌い方の変化の威力がわかります。



出典:©HoriPro Inc. ©スペシャル 『デスノート The Musical』ダイジェスト映像より
また、その歌い分けの素晴らしさはアルバム『wonderland』の4番目に入っている「闇が広がる」でも感じることができます。



これはウィーン発のグランドミュージカル『エリザベート』の曲で、黄泉の帝王トートと主人公エリザベートの息子である皇太子ルドルフのデュエットです。浦井ちゃんは2004年から2010年の間に6度ルドルフ役を演じたこともあるのですが、このアルバムではなんと、どちらの役も歌っています!

若さ溢れる青年と、この世のものではないものを歌い分けられる音域の広さと表現力に、初めてこのCDを聴いたときには歌い分けのすごさに、ただただ、ぼーっとしてしまいました。


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