宝塚初心者でも大丈夫!何度でも観たくなる宝塚の名作5選
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毎年、多くの作品を各組がそれぞれの組のカラーを取り入れながら上演していく宝塚歌劇。
近年では宝塚ファンを公言する芸能人も多く、TV番組でも元宝塚スターの皆さんがご活躍されている姿がとても印象的です。
メディアを通して宝塚に触れる機会が増えてきて、なかには『最近少し気になっているけれどまだ劇場に足を運んだことはない…』という方も少なくないのではないでしょうか?
ちょっと敷居が高いからと作品を観ないでいるのはもったいない!
今回はそんな宝塚初心者の方でも
宝塚の魅力を存分に楽しめる名作公演
を筆者の独断と偏見でご紹介させていただきたいと思います♪
月組公演 ミュージカル『PUCK』※1992年初演
出典:©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ タカラヅカ・スカイ・ステージ PUCK-パック-(’92年月組・宝塚)より
まずは1992年に上演された月組公演『PUCK』。2014年に同じく月組が再演していますが、今回は初演時のものをメインにご紹介していきます。
~おおまかなあらすじ~
ミッド・サマー・イブ(夏至)に生まれた歌の妖精パック。
妖精の姿はほんの一部の人間にしか見えず、大人になるとその力も消えてると教えられていたパックは、人間界に観察にでます。そこで自分のことを見ることができる少女ハーミアに出逢い恋をしてしまいました。それから月日は流れ、ハーミアは大人になりパックの姿は見えなくなってしまったものの、心の中にパックの存在はしっかりと刻まれていました。
想いが通じ合った2人でしたが、パックは人間を愛してしまったことで妖精王の怒りを買ってしまい、その罰として1年間声を取り上げられ人間界に落とされてしまいました。
ハーミアのパックの記憶も消されてしまいましたが、愛するハーミアのことを見守り続けるパック。そんなハーミアが政略結婚させられてしまうことを知り、救い出すために禁じられていた声を発してしまったパックは・・・。
シェイクスピアの「夏(真夏)の夜の夢」を基につくられたミュージカルで宝塚作品のみならず数々の舞台、ミュージカルなどで活躍されている小池修一郎さんが作・演出を担当しました。
一番最近では2016年の雪組『るろうに剣心』でも高い評価を得ていましが、小池先生はあてがきが上手な演出家さん。この月組初演『PUCK』も、当時のトップスター涼風真世さんだからこそできる作品、涼風さん率いる月組の為に作られていたと小池先生自らおっしゃっています。
出典:©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ タカラヅカ・スカイ・ステージ 涼風真世ディナーショー「SWEETEST NIGHT」(’91年・パレスホテル)より
涼風さんはいわゆる”フェアリー系”とも一線を画する独特の存在感が最大の武器であり持ち味のスターさんでした。
そんな涼風さんだからこそできた妖精PUCKは、無邪気で可愛く、虹色に輝くような歌声と可愛らしい声…。男役スターさんでこの役をできる方は本当に限られていると思います。
そしてこれは他の配役でも同じことがいえます。ヒロインのハーミアを演じた麻乃佳世さんも本当に愛らしくTHE・ヒロインの風格でいてお歌も上手。そして当時の2番手スターだったのは、現在も多くのドラマでも活躍している天海祐希さん。彼女も抜群の容姿と歌声、そしてお笑いセンスを遺憾なく発揮しています。
まさにこの時の月組だからこそできた、言い換えれば出演者によって魅力が大きく左右される作品だったのです。
この作品をきっかけに小池修一郎という名前が更に脚光を浴びることになったのは言うまでもありませんが、涼風さんもこの『PUCK』をやりきったことで退団を決意したと語るように、それだけ完成度も熱量も非常に高かったと思います。
今作の初演はちょうど夏だったので、夏休みに家族連れで観劇できるようにとストーリーがわかりやすく、夢溢れるあたたかいストーリにしたのかもしれませんね。作中に歌われる松任谷由実さんが作曲された『ミッドサマー・イブ』も、ユーミンワールド全開な世界観が『PUCK』ともぴったりマッチしていて、他の楽曲も含め、ある意味一つのキャラクターのようなとても印象的な使われ方をしているので注目してくださいね!
その後、2014年に龍真咲さんが率いる月組で再演された際も、楽曲やストーリー演出はほぼ初演のまま。
出典:youtube©宝塚歌劇団
月組公演『PUCK(パック)』
大きな課題となった「涼風さんへの当て書き」をしっかりと「龍真咲の月組の色」に染めていたと思います。アドリブポイントもわかりやすくまさに”笑って泣ける作品”として、こちらも素晴らしい完成度でしたのでそれぞれの個性を楽しむのも良いかもしれませんね。
現在、多くの作品を手がけている小池先生の作品とはまた毛色の異なる作品ですが、シェイクスピアの名作をわかりやすく落とし込みつつ、この作品をきっかけに宝塚スター、演出家を目指した人が多くいたというのも納得の作品です!
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