現在、宝塚歌劇団のトップスター5人の中で最も、トップ歴が一番長いのが花組の明日海りおさん。
とびきりの美貌、確かな歌唱力、そして小柄な体なのに真ん中で発光しているかのような、ものすごい存在感!!
花組公演のショー「BEAUTIFUL GARDEN」の中づめで、TM Revolutionの「Hot Limit」が使われているのですが、明日海さん含む出演者たちで“りお様的にもオールオッケー!”という歌っています。
出典:©宝塚歌劇団 花組公演『MESSIAH(メサイア) −異聞・天草四郎−』『BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』初日舞台映像(ロング)より
しかし、いやいやあなた自身がオールオッケーでしょ!と思わず言いたくなるんですよね。そのくらい、完璧なスターぶりなのです。
今回はそんな明日海りおさんの魅力を前編と後編に分けてたっぷりとご紹介!
前編となる今回は、明日海さんの歴史を辿り、現在の輝きのルーツを知っていきましょう。
りお様的歴史1:月組時代の明日海りお

明日海りおさんは、2003年初舞台の89期生。
同期には雪組トップスターの望海風斗さんをはじめ、凪七瑠海さん、美弥るりかさん、壱条あずささん、七海ひろきさん、夢咲ねねさんなど、華々しいメンバーたちが揃います。
最近、グラフ誌などでスターさんたちの音楽学校時代のエピソードが特集されていますが、なんと明日海さんは寮で望海さんと同室だったそう。とても真面目な二人だったことも明かされており、二人とも成績優秀で入団しています。
入団後、明日海さんは月組公演「花の宝塚風土記/シニョール・ドン・ファン」で初舞台を踏み、そのまま月組へ配属されます。
入団後、早くから新人公演などで役がつき始めますが、印象的だったのが彩輝なおさんがトートを演じた2005年「エリザベート」新人公演での、ルドルフの子ども時代。思わず抱きしめたくなるような愛らしさで、好評を博します。
その後も役付きは上がっていき新人公演主演する前に、なんとバウホール初主演が巡ってきます。
それが2008年バウワークショップ「ホフマン物語」。青樹泉さんとのダブル主演で時期をずらして公演していましたが、劇団からの期待度が高かったことが伺えます。

しかし、あまりの可愛らしさゆえ、娘役が回ってきがちだった明日海さん。
先述の『ホフマン物語』青樹さんバージョンでも娘役を演じており、なんとポスターにも登場していたのです。
さらに、同年の「ME AND MY GIRL」では、ヒロインに次ぐ大役ジャッキー役を演じています。そしてその時の新人公演で初めて主演を経験することになりました。

男役も娘役もどちらも魅力的に演じられることができる一方、男役としての力強さが足りないという自覚も、明日海さん自身にあったかもしれませんが、娘役に転向することはなく男役を貫きました。
だからこそ、かっこいい今があるのですね!
話は逸れましたが、その後も新人公演主演を何度か経験、2期上の龍真咲さんと切磋琢磨しながら、月組にはなくてはならないスターとして成長していきます。
そして2012年、龍真咲さんが月組トップスターに就任すると同時に、準トップスターという立場に。
この準トップスターというのがとても異例のことで、これ以降、こうした立場のスターは登場していません。
2番手ではなくトップに次ぐスターという意味だったようで、龍さんと肩を並べて舞台に登場していきました。龍さんお披露目の『ロミオとジュリエット』でも、W主演としてロミオを演じています。

「まさみり」時代として、人気はあったものの、やっぱりちょっぴり不自然に感じた方も少なくなかったのではないでしょうか。
その後、明日海さんは蘭寿とむさんトップスターの花組に移籍。今度は、花組2番手として再スタートするのです。
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