花様年華は終わらない!?BTS(防弾少年団)「WINGS」考察と深まる謎②

BTS(防弾少年団)の花様年華シリーズが終りを迎え、新たなカムバック映像を公開。
花様年華は終わったのか、はたまた終わりは「始まり」を意味するのか…!すべての個人ティーザーを紐解きながら、これまでの壮大なストーリーの全貌に迫ります。

まずは、花様年華は終わらない!?BTS(防弾少年団)「WINGS」考察と深まる謎①をご覧ください。
https://https://toretame.jp.jp/k-pop-blog/bts-wings-teaser-consideration.html

■방탄소년단 (BTS) WINGS Short Film #5 REFLECTION


出典:youtube©2017 Big Hit Entertainment
BTS (방탄소년단) WINGS Short Film #5 REFLECTIONより

第五に公開されたティーザーREFLECTION(反射、水面や鏡に映った影)の主人公は、RAP MONSTERことナムジュン。

コンテナの中にいるナムジュンは、ティーザー1のジョングクが送ったとされる手紙を受け取っています。中には、ハイタカ(タカ目タカ科ハイタカ属に分類される猛禽類)の絵。

ここで言うハイタカの指す意味は、デミアンに登場する主人公「シンクレール」が、不思議なオルガン奏者ピストリウスに出会った際、「多くの人は早々に飛行を諦め、世の中の規定に従って歩くほうが良いと思っているが、君は違う」と言われたこととも何か関係があるのではとされています。

シンクレールは「空を飛びたい」という思いを強く持っている青年でした。

ハイタカの絵のタトゥーを体に刻むナムジュン。シンクレールは、飛行の夢を強く見るあまり、ハイタカを飲み込む夢をみたり、後に夢でエヴァ(デミアンの母)の肖像を燃やした灰を飲み込んだりという経験をしますが、ハイタカと一体化するという点で、この部分と通ずるものがあります。

エヴァの肖像を燃やした灰を飲み込んだあと、シンクレールは誰からの助言も必要としなくなります。ナムジュンがタトゥーを入れた後に、ハイタカの絵を燃やすのは、自分自身に答えを見つけたということを意味するようにも捉えられますね。

ティーザーの中でも、コップで灰を飲み込んでいるシーンが有りますが、ここで「飲み込んだ灰(ハイタカ)が体内で生きながらえながら、ゆっくりと自分を喰らい始め、死の恐怖に満たされた」と感じています。

ナムジュンが倒れたシーンでは、徐々にハイタカが彼を喰らい尽くそうとしているということが伺えます。
ハッキリとは分かりませんが、ナムジュンは無意識の配下で、刻み込まれた記憶を辿りながら、この行為をどうしてもしなくてはならない運命にあったのではないでしょうか。

「今お前の鏡の中には何が見えているんだ。」

セリフが映った後、ハイタカを体内に取り込んだナムジュンは色鮮やかになっています。(この腕にはデミアンの文章が書かれています)

ハイタカがナムジュンの中を満たしながら喰らい始めている証拠。ただし、これはハイタカを飲み込んだ夢=幻想で、感覚、夢の中なのではないかという説もあります。

そしてガラスが割れた後、「生きなければいけない。」という言葉が映り込みます。不思議なオルガン奏者ピストリウスの存在意義にあった、「人間の任務は自分の運命を徹底的に生き尽くすこと」への気付き…?

その言葉を目にしても、ナムジュンは無表情のまま。シンクレールがピストリウスと出会い、心を通わせるようになるまでの孤独=誰にも理解されない空虚な時間の表情なのかもしれません。

目覚めたナムジュンは鏡張りの部屋にいます。

鏡にはまた「生きなければいけない」という言葉がありますが、これはピストリウスがシンクレールに気づかせた言葉。暗い部屋の中で頭を抱えるナムジュン。。。その刹那、花火とともに鏡が割れ、ナムジュンがいた部屋が崩壊していきます。

シンクレールは、ピストリウスとの別れを「あるイルージョンが美しい破片となって砕け散った」と表現していますが、この破片は鏡であり、イリュージョンは花火のことではないかと。

シンクレールとピストリウスの決別は、後のシンクレールが共同体という境地にたどり着くのに避けては通れない道でした。
そのことから、ナムジュンは共同体へいく運命にあるのではないかとされています。

ここで「???」となった方。
さすがはナムジュンのティーザーとあって難読ですが、ティーザーの名前になっている「REFLECTION(反射)」が最大のヒントになっています。デミアンを読んでいない方にも分かるように解説しましょう。

シンクレールは、ピストリウスを師として色んな事を学びますが、同時に彼に対して「反発心」を持っていました。
なぜなら、ピストリウスの中に自分の影を見つけたからです。

シンクレールはピストリウスが神や信仰を語る姿が嫌いだと言っていましたが、そこには「神に頼り、孤独を恐れるあまり、共同体に到達できない姿」があったから。

だからこそ、シンクレールは眼の前にいるピストリウス=自分の鏡を破らない限りは共同体の境地に至れないと考えたのです。

シンクレールのこれらの思いは、神であるアプラクサスに支配されていた無意識下の言動ですが、鏡=ピストリウスを意味すると捉えると、このシーンは2人の決別を表すことになります。

次のシーンでは、電話が鳴ります。

この電話はテヒョンからのもの。シンクレールもクナウエル(高校時代はひたすらウザいと感じていた、オカルトマニアでシンクレールを慕う年少者)の自殺に気がついたように、ナムジュンもそれを知っています。
電話ボックスに駆け寄りますが、鎖で封じられた電話ボックスに入ることが出来ず、ナムジュンはテヒョンを助けられません。
絶望の中立ち尽くしていると、電話ボックスに「LIAR」の文字が。(英語では嘘つき、スペイン語では縛る)

ひとつの解釈としては、テヒョンが「助けてくれると言ったのに助けてくれなかった嘘つきだ」と言っているようなメッセージに受け取られます。
もうひとつの解釈としては、シンクレールが目の前には暗闇しか見えない程の奈落の底に突き落とされ、指導者に見捨てられて暗闇に立っているという情景に類似しているというもの。

どちらにしても、良い精神状況ではなかったため、テヒョンの電話と分かりながらもそれをとるだけの力がナムジュンには残されていなかったのです。

このティーザーは、デミアン第六章「ヤコブの戦い」とリンクしているような場面も多いので、気になった方はぜひデミアンを一読してみてください。

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