重厚な幻想を描く……ゴシックメタルバンド「D」の美しき世界

トレタメ

「D」は2003年に結成されたビジュアル系バンドです。結成の中心となったのはビジュアル系ロックバンド「syndrome」のメンバーだったASAGI(ボーカル)、SIN、Ruiza(ギター)の三人で、現在はSINが脱退。

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2014年8月よりASAGIの療養のために活動を休止してましたが、無事に治療を終えたうえで、2015年8月より活動を再開。現在も精力的に活動中です。そこにHIDE-ZOU(ベース)、Tsunehito(ベース)、HIROKI(ドラム)の三人が加わっての五人体制となりました。

Dのファン層は多岐にわたっており、その美しい世界観に魅せられたいわゆるゴスロリ趣味の女性から、メタルバンドとしての実力を評価するメタルファンにまで幅広く支持されています。

また海外でも熱狂的なファンを獲得しており、2012年にはなんと世界10カ国を回るワールドツアーを成功させているほどです。有名どころとしては「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」などを制作した映画監督のティム・バートンもDのファンなのだとか。

●激しくも美しいDの世界

Dはビジュアル系バンドの中でも、かなり重く激しい部類に入るメタルバンドです。しかしDはその美しさにおいて、他のメタル系バンドと一線を画しています。

彼らの楽曲には吸血鬼、薔薇、月などの耽美的なモチーフが多く使用されています。ASAGIが低く色香ある声で歌いあげるファンタジックな歌詞と、激しくも綺麗な音楽が組みあわさることで、重厚ながら美しいゴシックメタルとなっているのです。

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中でも吸血鬼は特に重用されるモチーフです。6thフルアルバム「VAMPIRE SAGA」はその収録曲のほとんどが吸血鬼に関する歌詞を歌うゴシックメタルであり、アルバム一枚がまるで一つのストーリーになるかのように構成されています。

Dの世界観はファングッズでも統一されており、Dの所属事務所「GOD CHILD RECORDS」が展開しているファングッズレーベルの名前は「Rosen Kranz」。ドイツ語で「薔薇の花輪(リース)」という、何とも可憐な意味を持っています。

販売されているグッズも、薔薇や十字架、あるいは棺桶などのゴシック・ゴシックホラー調のアイテムがメインです。

●ASAGIのソロ活動と人となり

ASAGI

ASAGIは非常に精力的な人物で、DのボーカルでありながらDの所属事務所「GOD CHILD RECORDS」の代表としても活動してきました。

そして2016年4月より、さらにもう一つの活動としてソロ活動を開始することが発表されました。

ASAGIの音楽活動二十周年を記念するソロ活動のスタートとして、4月27日にシングル「Seventh Sense」「屍の王国」「アンプサイ」が同時発売します。この三曲はトリプルA面シングルであり、三曲すべてが惜しみなく力の入れられた作品となっています。


出典:©Victor Entertainment
ASAGI – 「Seventh Sense/屍の王者/アンプサイ」 (YouTube Ver.) より

なお、これら三曲には個別のミュージックビデオが制作されており、その中でASAGIは黒いドレスと白いドレスと中世貴族の服という三種類の美しいコスチュームを着用しています。

ソロ活動でもやはり幻想的な世界観を強く押し出していますが、その世界はさらに深みを増しています。

今回発売される三曲も奥深い世界観をもっており、その上で三曲は独立した作品でありながら、三曲で一つの作品のようにも思える、非常に練りこまれた構成となっているようです。

また、ASAGIを支えるゲストメンバーも非常に豪華です。「LUNA SEA」ドラムの真矢、「NIGHTMARE」ギターの咲人、「SOPHIA」キーボードの都啓一をはじめとした、ビジュアル系界隈の有名人ばかりが集まっています。

●これからのD

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Dは2016年7月より夏ツアーの開催を予定しており、また「GOD CHILD RECORDS」主催のイベント「SESSION Party」も5月に開催が決定。そしてASAGIのソロ活動は4月にシングル三種の発売を控えています。

結成十三周年という長いキャリアを持ちながら、今年もなお精力的なD。その唯一無二の美しくも激しい世界観に魅了されてみませんか?