どんどん裾野が広くなっているヴィジュアル系音楽の中で、次々生まれる新しいジャンル。耽美・ゴシック系もそんなひとつですね。
単なるヴィジュアル系というカテゴライズだとうまくはまらない新しい世界観は、メタルに近いような、それでいて闇を感じる退廃的な感じも。それもそのはず、もともとゴシックロックはパンクの故郷、英国で生まれた音楽文化です。知的なパンクという表現が一番近いでしょうか。
ゴシックの音楽的な幅はとても広く、ロックに別の音楽を取り入れたテイストがあったり、トランスのような打ち込みが融合していたり。特に暗さを前面に出した世界観と、心の叫びが歌になったようなバラードのメロディは日本のヴィジュアル系が生み出した新しい文化と言ってもいいんじゃないでしょうか。
日本で独自の発展を遂げたゴシックロックの世界を、ちょっと真面目に解説しましょう。
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日本のゴシックロックは勘違いから始まった?
パンクは英国で生まれて全世界に波及した音楽文化です。日本でパンクといえば奇抜なファッションと過激な歌詞、世界観といったイメージをお持ちの方は多いのでは?これ、実は合っているようでかなり違うんです。
本来のパンクはもっとメッセージ性が強い音楽で、それをロックやパンクの解釈で表現する…という解説をよく見ますね。日本ではそれを表現する時の服装や歌詞の過激さなどがクローズアップされて持ち込まれたような感があるので、ゴシックロックそのものが過激な音楽という感じになっちゃってます。
しかし、それはそれで発展を遂げてしまうのが日本の音楽シーン。日本のゴシックロックは今やヴィジュアル系音楽と融合したものとなって、他国で見られない特殊な音楽文化に仕上がっているのです。
イマドキのゴシックバンドと言えば?
それではイマドキの日本のゴシックロック事情も見てみましょう。現在、ヴィジュアル系ゴシックバンドのメジャーな存在と言えば、Femme Fatale。「ファム・ファタール」、ヴィジュアル系ゴシックバンドです。結成は2014年とまだ新しく、最近のバンドらしい斬新な世界観を見せてくれています。
2015年は大作のアルバムを発表、それに続いて東名阪の3都市にわたるワンマンライブのツアーも予定されています。日本人の琴線に触れるバラードも彼らにかかると絶品のゴシック・バラードに仕上がります。ワンマンライブでは、そんな日本独自の世界観に注目です!