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最先端技術で初音ミクを投影!映像技術はここまで進化した
初音ミクのライブコンサートは「マジカルミライ」のほか、「ミクの日感謝祭」「初音ミクライブパーティー」、「雪ミク」「ニコニコ超パーティー」のライブステージなど、公式のものでも多数のイベントタイトルで開催されています。出典:©DWANGO Co.,Ltd
【公式】ニコニコ超パーティー2015 VOCALOIDライブより
これらは主催団体がそれぞれ異なるため、使用する初音ミクのCGモデルはもちろんバックバンドやセットリスト、スクリーンや会場を使った総合的なライブ演出の傾向も異なります。
その中でも毎年恒例となった初音ミクのライブコンサートの代名詞とも言えるのが「マジカルミライ」です。

初音ミクのライブ出演が大きく取り上げられたのは2009年の「Animelo Summer LIVE(アニサマ)」。
その当時はステージの大型スクリーンに2Dモーションの初音ミクの映像が流れるというもので、「画面のなかの映像」という感覚を強く感じました。
しかし、そこから映像技術の向上はもちろん、ライブ演出にも新しい試みが加えられ、毎年進化を遂げていきました。
ここからは、初音ミクのライブコンサートと過去公演の「マジカルミライ」を振り返りながら、その映像技術や仕組みを筆者独自の解説でご紹介していきたいと思います。
ライブで振り返る初音ミクコンサートの映像技術
●ミクFES 09’(夏)
初音ミクの発売2周年を記念して行われた2009年8月31日に東京・新木場COASTで行われたライブイベントです。使用されたのはSEGAの初音ミク3Dモデルで、舞台上の上手・中央・下手にそれぞれVIZOO社の半透明のスクリーンを計3枚置き、背面から3Dホログラフィーを投影するという仕組みでした。

これは3Dでもなければ、ホログラムでもない【3D的な映像】にすぎませんが、VIZOO社のスクリーンは強い光(3Dホログラフィー)は通しペンライトなどの弱い光は反射するので、周辺のライトを落とすと映像の初音ミクがステージ上に立っているように感じられるのです。
ただ、この当時はバックバンドや機材、さらには投影する照明が初音ミクに透けてしまっていたり、3Dモデルも今のものとくらべてしまうと滑らかさが落ちます。それでもこれまで画面の中にいた彼女がステージに立つ姿に「そこに初音ミクがいた」と絶賛され大成功を収めました。
このミクFESを基盤として翌年以降も『初音ミク ミクの日感謝祭』が制作・開催されていきます。
●ミクの日感謝祭 39's Giving Day
2010年3月9日に東京・ZeppTokyo行われたライブイベント。39=ミク、39=サンキューにちなんで開催されました。出典:©SEGA
©Crypton Future Media, Inc. [ミクの日感謝祭 39's Giving Day] 愛言葉 (feat. 初音ミク) / DECO*27より
鏡音レン・リン、巡音ルカが友情出演。ミクFESからセットリストを大きく変更し当時のヒットチューンを組み込んだり、数回の衣装チェンジもしたりと本格的なライブイベントとして大きな注目を集めました。
ステージ上には中央に大きなVIZOOのスクリーンを設置し、左右を囲むようにバンドメンバーが配置されました。
3Dモデルは「初音ミク-Project DIVA-」の当時の最新版が使用され、より人間的にステージ上を動く初音ミクの姿には、会場からも大きな歓声があがりました。
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"ディラッドスクリーンを使用しさらに実体的な映像へ『初音ミクライブパーティ2011』"
"ディラッドスクリーンを使用しさらに実体的な映像へ『初音ミクライブパーティ2011』"
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