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東欧で生まれた“日本映画”は必見
『リザとキツネと恋する死者たち』はハンガリー映画でありながら、日本テイストがあちこちに散りばめられている点に注目が集まっています。
それは、主人公リザを慰める幽霊のトミー谷が日本人歌手であることでも分かりますね。そろばん片手に軽快な歌で一世を風靡したアノ人を思わせるネーミングですし(笑)

<出典:www.cinema-life.net> このトミー谷は孤独なリザを歌で慰めてくれますが、その歌というのも昭和の歌謡曲です。
日本の歌謡曲が大好きな監督が来日時に5時間をかけてCDなどを買いあさり、音楽担当のアンブルシュ・テヴィシュハージと共に作り上げたといいます。
選曲も『ルパン三世』のリミックスや『笑って許して』などかなりディープなものを選曲しており、日本人なら誰もが思わず懐かしんでしまいそうな楽曲のオンパレードです。
『リザとキツネと恋する死者たち』はハンガリーでハリウッド映画に混じって大ヒットとなりました。
それは小説に盲目的に憧れるリザに、共産主義という体制下で資本主義への憧れを持つハンガリーの姿がオーバーラップするからでしょう。

<出典:www.liza-koi.com> 『リザとキツネと恋する死者たち』は90年代直前まで社会主義だったハンガリーだからこそ作れたともいえる映画です。
遠い東欧の国で生まれた“日本映画”、映画好きの方には是非観ていただきたい一作です。
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