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境界線に存在する2.5次元パラレルシンガー「酸欠少女さユり」のシングル&新曲「平行線」はこんな曲!

14歳で音楽活動を始め、若くも音楽で生きていこうと決意し東京に降り立った、とあるシンガーソングライター"酸欠少女さユり"

数々の路上でライブをしながら様々な人と出会い、自らの音楽との生き方を模索した彼女は2015年8月26日に「ミカヅキ」でメジャーデビューを果たします。この楽曲はフジテレビ“ノイタミナ”アニメ「乱歩奇譚 Game of Laplace」EDテーマソングとしても起用されました。

今回は世の中の息苦しさを歌う"酸欠少女さユリ"の4つの楽曲、そして2017年3月1日にリリースした「クズの本懐」ED「平行線」ついてレビューしていきたいと思います。

"酸欠少女さユり"の実態は?


news_header_sayuri_keyvisual 出典:© Natasha,Inc. ナタリー 酸欠少女さユり、3次元と2次元で表現する新ビジュアル公開 より

まず初めに、酸欠少女さユりさんのご紹介からしていきたいと思います。

2.5次元パラレルシンガーと銘打った彼女は2次元と3次元、パラレルワールドに出現するとされており楽曲のMVなどでも、さユりと""他世界のさユり”が登場します。

さユりは3人に分裂し生息しており、3次元で歌い続ける「酸欠少女さユり」、MVなどでよく見かける、さユりの後悔の念が産んだ「さゆり」、自分の意志を貫き純粋に行動する、さユりの本能ともされている「サゆり」が存在しています。

他にも様々な形のさユりが具現化しており、その独特で魅惑的な世界観に今多くの人が魅了されています。

前述でもご紹介した通り、2015年の8月に1st シングル「ミカヅキ」でメジャーデビューし、2016年2月24日には2nd シングル「それは小さな光のような」をリリース。こちらもフジテレビ"ノイタミナ"アニメ「僕だけがいない街」のEDテーマに起用。

2016年6月24日に配信限定 EPとして3rd シングル「るーららるーらーるららるーらー」をリリース。その後RADWIMPSの野田洋次郎さんが楽曲提供・プロデュース し話題となった4th シングル「フラレガイガール」 を2016年12月7日にリリース。

そして、"ノイタミナ"アニメ&ドラマ「クズの本懐」EDとそて起用された5thシングル「平行線」を2017年3月1日にリリースしました。

混沌とした負の感情とかすかな光を歌った歌詞、いつまでも忘れることができないメロディーにさユりさんの楽曲と似たような感情を抱えた多くの人の共感を呼んでいます。

1stシングル「ミカヅキ」



明と暗の境界線を歌詞の対比で上手く表現し、作品「乱歩奇譚 Game of Laplace」の世界観そのまま曲になったような楽曲「ミカヅキ」。

キラキラと世界を照らす満月の"明"の部分と、何かが欠け、夜の暗闇の中で這いずり回るミカヅキの"暗"の部分ですが、この楽曲の主人公となるモノは"暗"の世界にいるミカヅキ。

満月の明と比べて知ってしまうミカヅキの苦しさや葛藤などの暗の部分をこの楽曲では主に描いています。

同時に楽曲中で幾度となく出てくる「それでも…!」という切実に光を望むこのワードが、より一層歪さを増幅したミカヅキの感情が流れ込んでくるようでリスナーとしてはこの上なく心揺さぶられることでしょう。

結構露骨に様々な対比表現をしているこの楽曲で一番うまいなと思った部分が1コーラス目サビ。

「それでも あなたに見つけて欲しくて 蝶のように舞い上がるの 欠けた翼で飛んだ 醜い星の子ミカヅキ」

「欠けた」というワードは普通が欠けた歪な人間性と満月が欠けたミカヅキ(三日月)の2つの表現を感じ取れます。そして翼が欠けた蝶というものは、この楽曲の落ちサビで出てくる歌詞のサナギとの対比ととれます。

サナギから生まれたモノが、"翼が欠けた蝶"だという解釈をすると、"何かがあって歪んでしまった何か"と言うより、"生まれる時からすでに歪んでしまっている人間性"と捉えたほうがこの楽曲のイメージ通りでしょう。
そして様々な歪を描いた「乱歩奇譚 Game of Laplace」の作品にもぴったり。

不気味さよりは葛藤やリアルな苦しみがストレートに伝わってくる楽曲ですが、サウンド面に関してもギターの激しい歪(ひずみ)やノイズ系の音と、美しいアコギのアルペジオやストリングス、ピアノの音色が混ざり合っており、こちらも綺麗さと歪(いびつ)さの両方が感じられます。
特にそれが感じられるのは1コーラス目サビが終わった後のブリッジ部分のアレンジ(楽曲の1:00らへん~)

キャッチーなサビメロディーが幾度となく中毒性のある、さユりさんのボイスでリフレインされ、この楽曲は一度聴いたら頭から離れないことでしょう。

「ミカヅキ」は色々なものがぴったりとはまっている素晴らしい楽曲でとても強い1stシングルになったと思います。



2nd シングル「それは小さな光のような」



「僕だけがいない街」の作品に沿った楽曲で同作品のOSTも担当した梶浦由記さんが作詞・作曲。

ノスタルジックで不思議な不気味さも垣間見える、梶浦由記さんの音楽性が色濃く出ている楽曲です。

素朴で牧歌的なハチロク曲の良さとそれを活かしたアレンジがリスナーを惹きつけます。深々と降る雪の中、歩みをすすめるようなアコギの静かなイントロとAメロからのさユりさんの未成熟さを感じる声が「僕だけがいない街」の作品のイメージを上手く表現しています。

サビで一気に時空が歪むような激しいギターのサウンドとノイズ、そしてドラマティックで壮大なストリングスが映え、吹き荒れる雪と"タイムリープ(リバイバル)"が起きるその瞬間の世界を視ているかのようなアレンジはリスナーの心情をも掻き乱していきます。

楽曲が進むにつれて、どんどん各パートのフレーズなども動きのあるものに変わっていき1コーラス目とは一転したバンドサウンドとなります。

歌詞は当然「僕だけがいない街」の作品を如実に表しています。

2コーラス目Aメロ「どの部屋の時計も 少しズレていてさ 僕らはいつも 言葉を掛け違う歯車」の部分。
主人公の悟がリバイバルした時の数々の世界のことを歌っていると予想できます。

Aメロとラストに出てくるこの「僕だけが見てた 君のこと」という歌詞は様々な解釈ができそうです。悟が守ろうとした女の子のことなのか、それとも大人の悟から見る子供時代の自分自身のことなのか…

さユりさん自身で作曲した楽曲はもちろんのこと、他の人の曲を歌うことで新たなさユりさんの魅力を発見することができます。

特にこの「それは小さな光のような」はさユりさん同様かなり個性的な世界観を持った梶浦由記さんの楽曲です。梶浦由記さんがプロデュースするヴォーカルユニットKalafinaの美しさや華々しさとはまた違って、世界観がダイレクトかつリアルに伝わってくる楽曲でしょう。


3rd シングル「るーららるーらーるららるーらー」



配信限定EPとなる3rdシングル「るーららるーらーるららるーらー」。

力強いアコギのストロークとさユりさんの真っ直ぐで装飾のない声で中毒性のあるメロディを歌います。

各楽器はそれぞれオイシイフレーズがたくさん盛り込まれていてリスナーもこの楽曲のココが好き!という箇所がいくつも見つかることでしょう。

"ぐるって回って"という歌詞が多く出てきますが、パラレルワールドに存在するさユりの精神的輪廻を色濃く表現したような歌詞ですね。自分自身の中の僕と君を歌っていて、その存在に憧れと怖さを感じてしまうという、どこか哲学的な印象も受けます。

所々のディミニッシュコードの響きが一筋縄ではいかない歪んだ独創的な世界観を表現し、サウンド面はとにかくエレキギターが叫んでいてこの楽曲からは想いの切実さも伝わってきます。

タイトル「るーららるーらーるららるーらー」というここからはどんな楽曲かは想像が困難な"さユり"という存在達そのものを楽曲にしたらこのような楽曲になったと言うのが一番しっくりくるのかもしれません。

*次のページは4thシングル&新曲「平行線」についてレビュー!


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さわD

この記事を書いた人

様々な趣味を持つ万能型クリエイター。“D”の意思を継ぐ者。音楽に関しては多くの知識を持ち合わせている。その他にカメラマンとしてアーティスト写真の撮影なども行っている。そして日々、2次元の世界に憧れを抱いている。

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