2019年11月、K-POPアイドルSEVENTEENがグループ初の東京ドームでのコンサートの開催を発表しました。
K-POPアイドルの中でも特にクリーンなイメージのSEVENTEENは、これまでの韓流ファン層以外からの新規ファンも多く獲得し、日本でコンサートを開催するとチケットは即完売、韓国版のアルバムが売り上げランキングで上位を取ることは当たり前のトップグループに成長しています。
SEVENTEENが東京ドーム公演を発表した日は、「SEVENTEENが日本デビューをしてから17か月と13日」という特別な日(SEVENTEENのメンバーは13人で、17と13はファンの間でも特別な数字)。グループの歴史の中で1日しかないこの日に、SEVENTEENがかねてより目標としてきた「悲願の東京ドーム公演」の狙い撃ち発表をしたことからは、彼らが具体的な目標設定をし、青写真を描きながらひたすらに走ってきたことを感じさせられます。
これまでも、数字にこだわった演出を多くしてきた彼ら。「日本デビューをした時点で、この日に東京ドーム公演(発表)をすることを決めてたんじゃないか?」とも想像でき、この粋な演出がファンに感動を与えました。
東京ドームでコンサートを開催したK-POP男性アーティストとしては、東方神起、JYJ、チャン・グンソク、BIGBANG、2PM、スーパージュニア、SHINee、EXO、G-DRAGON、BTS(防弾少年団)に次いでSEVENTEENは11組目(個人含む)となる予定です。
*レイアウトが崩れる方はコチラ
『SEVENTEEN 2020 JAPAN DOME TOUR』
2020年
5月19日(火):東京・東京ドーム
5月20日(水):東京・東京ドーム
5月23日(土):福岡・福岡ヤフオク! ドーム(福岡PayPayドーム)
5月27日(水):大阪・京セラドーム大阪
5月28日(木):大阪・京セラドーム大阪
K-POPアイドルにとって東京ドームは何故憧れなのか?
日本のアーティストでも立つことの難しい「東京ドーム」のステージ。どのアーティストにとっても憧れの場所であることは間違いないのですが、それはK-POPアイドルにとっても同じこと。しかし、日本デビューをしていない、韓国でデビューをしたばかりのアイドルでも「東京ドームのステージに立つことが夢です」「東京ドームのような大きなステージに...」と多く口にしている(日韓関係が悪化してからはあまり聞かれなくなりましたが)ところを見ると「なぜ韓国の会場じゃないの?」と少し不思議に思う事もあるのではないでしょうか。
日本と比べて人口が少ない韓国では音楽市場も小さいため、韓国のアイドルは国を跨いでの活動を視野に入れて活動するというのは周知の事実かと思いますが、実は韓国のK-POPファンには「お金をかけずに楽しむ」という層が想像以上に多いのです。
K-POPアイドルの特徴として、楽曲・MV、テレビ番組よりもクオリティが高いオリジナル動画がYouTubeで公開されているため「CDは買わない」という人も多いですし、公式グッズよりも「ファンが隠し撮りをした写真で作ったグッズや写真集の方がクオリティが良くて好き」というファンもいます。また、音楽番組の観覧や無料ライブ、テレビ局・空港での出待ちなどお金を払わなくても見ようと思えば見に行ける機会が多いため、よほどのトップアイドルにならない限り「高いチケットを買ってまで会いたい」と思う層が増えづらいという現状があります。
更に、韓国でアイドルというのは「学生のうちに楽しむもの」という認識が広くあるため、社会人になってもアイドルオタクをする人というのは多くないそう。韓国では「お金を持っている社会人」のファンよりも、学生のアイドルオタクが圧倒的に多いということになり、これも韓国でアイドルが成功するために越えなければならないハードルです。
つまり、日本で人気のあるK-POPアイドルが「韓国でも同じように人気があるのか、人を呼べるのか」というと、そうとは言えないのです。韓国で一番収容人数の多い屋内コンサート会場は「高尺スカイドーム(収容人数2万5千人)」ですがここでコンサートをし、チケットを完売させ、さらに収益を出せるアイドルはごくわずかです。
日本で東京ドーム2days公演のチケットを1分で完売させたTWICEでさえ、高尺スカイドームで単独コンサートをしたことはありません。欧米で人気のBLACKPINKも韓国でのコンサートは完売しません。彼女たちは韓国で企業のイメージキャラクターとして多数起用されているため決して人気がないわけではない(むしろ大人気)なのですが、コンサートの集客となるとトップアイドルでも難しい面はあるのです。
また、韓国では「そこそこの規模の会場」というのがほぼありません。日本では各県、各地方に「コンサートといったらここでやるよね」という会場があると思うのですが、韓国でアイドルがコンサートをする会場といえば殆どが「ソウル」の会場です。ソウルの中でも3会場くらいを色々なアイドルが回っているだけで、日本のように「全国ツアー」をして地方のファンに会いに行くということはほぼありません。言ってしまえば、売れているアイドルだと日本の「全国ツアー」感覚で「ワールドツアー」をします。
また、体育館をコンサート会場として使うことが多いので、音の反響やステージの見え方を考慮された作りになっていません。できる演出も限られてくるので比較的シンプルなコンサートになることも多いのです。日本のコンサートに慣れている方が韓国のコンサートに行くと「あれ・・・?思ってたのと違う・・・?」となるのもこの影響が大きいです。「会場を活かした演出」というのはほぼ見られませんね。
そんな韓国の厳しいコンサート事情の中で、歌手の本業である「ステージで歌って踊ること」をより大きな会場、良い環境でしたいと思うなら、「日本で活躍して東京ドームで!」と思うのは自然なことなのかもしれませんし、むしろ現実的な目標でさえあるのかもしれません。
著作権違反にも比較的厳しく、グッズもCDも買って、コンサートまで足を運んでくれるファンが多くいる日本は、アイドルにとって頑張りがいのある市場だと思います。しかし、日本での活動が増えすぎると「日本のアイドルになったのか!?」とバッシングが起きやすい韓国ですから、アイドルとしてはそのバランスを取らなければいけないのが大変なところです。
K-POPアイドルにとって東京ドームは様々な苦難困難を乗り越え、異国の地で立つ最高の舞台。ファンにとってもドーム公演はとても誇らしい晴れ舞台です。ドーム公演に行かれる方は、素晴らしいステージに加えてアイドルの歩んできた道のりに思いを馳せてみてくださいね。
東京ドームで開催されたK-POPアイドルの公演一覧
*2019年11月11日現在*予定含む
2009年7月4-5日
2010年6月12-13日
2011年11月26日
2012年4月14-16日
2012年12月5日
2013年1月6日
"The return of the JYJ"
2013年4月2-4日
2013年4月20-21日
2013年6月15-17日
2013年7月27-28日
2013年12月19-21日
2014年5月20-24日
2014年10月29-30日
2014年11月18-19日
2014年12月9日
2014年12月25-27日
2015年2月25-26日
2015年4月1-2日
2015年3月14-15日
2015年11月6-8日
2015年11月12-15日
2016年2月23-24日
2016年5月18-19日
2016年10月26-27日
2016年11月5-6日
2016年11月30-1日
2017年5月30-31日
2017年9月2-3日
2017年9月19-20日
2017年11月25-27日
2017年12月20-21日
2017年12月6-7日
2017年12月13日
2018年2月26-27日
2018年7月26日 イベントとして開催。
2018年11月13-14日
2018年11月30日-12月1日
2018年12月3-4日
2018年12月11-12日
2019年3月29-30日
2019年11月19-21日
2019年12月4日
2020年3月3-4日
2020年5月19-20日
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