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切ないメロディ、やり切れない大人の恋の物語。
「誰の涙が雨に、雨に変わったのか…」。主題歌の切ないメロディに涙腺を刺激されてきた宝塚ファンは、きっと多いことでしょう。
名作と言われている「琥珀色の雨にぬれて」は1984年に花組で初上演されました。

人間の機微を描かせると右に出るものはない、宝塚の演出家・脚本家の一人、柴田侑宏先生の手による作品。
印象的なメロディは、昭和のタカラヅカの名作で様々な曲を送り出した寺田瀧雄先生です。
舞台は1922年のフランス。元軍人でピュアな青年クロード、マヌカンのシャロン、シャロンの取り巻き・ジゴロのルイ、クロードの婚約者・フランソワーズの四角関係を描いたラブロマンス。
シャロンに一目ぼれしたクロードに、2人の世界の違いを教えてクロードを制するルイ、そしてクロードを一途に想う婚約者のフランソワーズ。
4人の心が交錯する切ないストーリーが観客の心をくすぐり、ヒット作となりました。ファンの間でも伝説化されてきたこの作品、初演はどのようなものだったのでしょうか。
1984年初演、高汐巴の代表作に。
当時の主演は花組トップスター高汐巴さん。
ほんわりとした風情があり、独特の歌声でファンを魅了していた高汐さん。冒頭の歌もピッタリでした。
相手役は若葉ひろみさん。正統派美女で、松あきらさんトップスターの時からトップ娘役を務めていました。
高汐さんはこの作品がトップ2作目。トップになったばかりの不安定な雰囲気が、クロードのピュアな若さにハマっていたそうです。
対して、若葉さんはトップ娘役としてキャリアもあり、集大成とも言えるような役。
高汐さん演じるクロードが、シャロンの若葉さんに翻弄される姿が、当時二人の状況を彷彿とさせるものがありました。
https://twitter.com/gccstcg/status/874647908703850497
3年後、新たな相手役秋篠美帆さんを迎えて、地方公演で再演したのですが、初演当時とは演じる側の心持ちも違っていたと、高汐さんは語っていたそうです。
主演のほか、ジゴロのルイには大浦みずきさん。ニヒルな風情が似合い、とてもかっこよかったそうです!
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"2002年、匠ひびきトップお披露目公演で再演"
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