日本のアイドルは短いレッスンでステージに出し、ステージをこなすうちに完成度を高めていく方法を採りますが、K-Popアイドルはデビュー前に厳しい練習生の期間を過ごすことで知られています。
韓国の芸能事務所のデビュー前の厳しい練習期間はどのくらいなんでしょうか。
すべては安室奈美恵から始まった
今から十数年前、韓国のアイドルたちもそれほど厳しい練習をさせられたわけではありませんでした。
当時はダンス系のアイドルたちは、テレビ収録はもちろん、ライブでさえいわゆる口パクでした。
このころ、ネットの普及により違法ダウンロードが横行し、CDの売り上げが激減、エンタメマーケットが日本の4分の1程度しかない国内だけの売り上げでは死活問題となったのです。
そこで、アイドルの海外進出、とくに日本への進出が模索され始めました。
そんな2004年に安室奈美恵が韓国でライブを行いました。
このライブは韓国の音楽関係者に衝撃を与えるものとなりました。
激しく踊りながら歌い、まったく息が乱れない彼女に、自分たちが育てたアイドルとの間に絶望的な差があることを痛感させられたのです。
これではとても海外では通用しないと、この年にデビューを予定していたアイドルたちの多くは半年以上デビューが延期させられ鍛え直したといいます。
デビュー前の練習生たちに厳しいトレーニングを課すようになったのはこの頃からなのです。
[adsense num=1]
インキュベイティングシステムは韓国独自の育成システム
韓国のアイドル育成システムは、インキュベイティングシステムといわれ、抱卵、孵化を意味します。
つまり、親鳥である事務所が卵であるタレントを大切に育て卵からかえらせることを表しています。
タレントの卵たちは10代にスカウトなどで入社すると、学校にも行かずほとんど合宿所にカンヅメ状態で歌やダンス、演技のレッスンに励みます。
携帯電話やスマートフォンも使用禁止、当然恋愛も禁止です。
厳しいカロリー計算で食事も制限され、デビューする前にすでに完成度の高いタレントにしてしまうのです。
10代の若者にここまで厳しくするのは日本では競馬の騎手を養成する学校くらいではないでしょうか。
このシステムで大成功をおさめたのが、東方神起や少女時代、スーパージュニアらを擁する大手事務所、SMエンターテインメントです。
[next_heading title=デビューまでどれくらいの期間をレッスンに費やすのか]