『クジラの子らは砂上に歌う』11話感想　オルカの怖ろしいやり口（ネタバレあり）

最終更新:2017年12月25日公開日:2017年12月18日

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『クジラの子らは砂上に歌う』
11話（第十一節）「夢の話だ」

ここに来て新しい事実が続々とわかってきました。登場人物それぞれの葛藤があるようです……では感想スタート！

※ネタバレあり※

（※原作未読※）

『クジラの子らは砂上に歌う』11話感想（ネタバレあり）

■オルカのやり口が恐ろしい

冒頭はオルカの尋問シーン。明らかになった事実はアニメを見ての通りですが、この場面で特に印象深かったのは、オルカの巧みな話術と策士ぶり。お偉い方々を挑発したり、アラフニに武器を取らせたり、デモナスの到来を告げることで危機感を煽ったり……まるで帝国の人間に「感情」があるかのような、心に訴えかけるやり方で言いくるめています。もし彼らが本当に感情を持っていないのなら、こんな芝居めいた弁舌で納得させることは不可能だったんじゃないかなとも思いますね……。

■「世界を見せてやる」

ところ変わって泥クジラ。前回やってきた珍客、ロハリトから「世界を見せてやる」と言われ、（砂の海の）海図を見せられるスオウ。そして泥クジラの流れている場所が砂の海流に囚われた自然の牢獄だと知りました。またロハリトは、「我が懐に入らばか弱き籠の鳥を匿ってやらんこともない」と言います。これはスオウにとって、願ってもないチャンス、一筋の光です。

たしかにまだ、「我が懐に入らば」というのが、どういう関係を意味するのかはっきりしません。しかし、泥クジラの民だけで帝国に立ち向かうなどという無謀なやり方よりは、よっぽど生き残れる可能性は高いはず。スオウの「戦わずに民を守る」という願いが現実味を帯びてきました。

■短命の理由。聞いてしまったチャクロ。

残酷な事実も明かされました。泥クジラの印だけが短命である理由です（もう十分ネタバレしまくっていますが、このシーンの衝撃は特に大きかったので、念のためここでは伏せておきます……）。それを知ってしまったチャクロは大きく打ちのめされることになります。しかもそれをリコスが今まで自分に黙っていたことも、2人の間に気まずい空気が流れることとなりました。

もちろんチャクロはリコスの気持ちも理解していることでしょう。ただそうであるがゆえに、どう向き合えばいいのか、どう声をかければいいのかわからないのだと思います。リコスからチャクロに、一言何か言葉をかけて欲しいですね。

■内紛勃発？双子の不満

終盤では、体内モグラの双子が決起集会を開きました。力を持っている印が、泥クジラの実権を握るべきだと主張します。ちょっとやり方は（オウニの言葉で言えば）安っぽいのですが、主張していること自体は、かなりの部分間違っていないのではないかなと思います。印だけが政治的な権力を持っている、とうい事実は、遅かれ早かれ無印の側から反発が出ていたでしょう。

しかし今回の場合に限っては、かなりタイミングが悪いですね。今が一番団結しなければならない時であり、泥クジラで内紛を起こしている場合ではありません。共倒れとならないためにも、今は印も無印も、全員が信頼し合うべき。そしてその橋渡しとなるキーパーソンこそが、スオウであり、オウニであり、リコスであり、チャクロであるのだと思います。

さて次回は最終節。どのようにこの物語が締められるのか期待です！