『トラベリング・オーガスト2015 in 東京オペラシティ』レポート!
次なる楽曲は『FORTUNE ARTERIAL』
お次は『FORTUNE ARTERIAL』。原作は豪奢な名門校・修智館学院に転入した支倉孝平と、そこで彼が出会う、吸血鬼であることを隠して学院生活を送る生徒会副会長・千堂瑛里華が紡ぐ学園ラブストーリー。
二人の境遇の違いからの葛藤や苦悩などを乗り越えていき、二人にとって最善の未来を描いていく、そして不自由でままならない生を送る瑛里華のため、孝平がある大きな決断をするクライマックスに向けての展開が演奏とともに蘇ってきます。
楽曲は「It’s my precious time!」、「扉ひらいて、ふたり未来へ」から始まりました。
原曲は両曲ともにアップテンポナンバーですのでオーケストラアレンジだとどのようになるのかがとても気になっていましたが、原曲の良さを殺さずファンからしても納得のアレンジでした。
その次に「赤い約束」、「MEGUMI ~ありがとう~」、「ひとしずく」の三曲の組曲で締めくくりました。
ステージは物語のキーとなる“血”の深紅色のライトアップ。『よあけな』の落ち着いた雰囲気とは違い、瑛里華、孝平の情熱的な想いが伝わってくるステージでした。
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コンサート第一部のトリは、『大図書館の羊飼い』
第一部のトリを飾ったのは、まだまだ記憶に新しい最新作『大図書館の羊飼い』
学園でまことしやかに存在がささやかれる謎の“羊飼い”をめぐる図書部の物語です。
今回演奏の中心となるのは、数々のボーカル曲のオーケストラアレンジで構成された「組曲『シープメドレー』」
作品の中で“羊飼い”をめぐり図書部が奔走するシーンなどがありありと思い出されます。
第一部最後の曲は、TVアニメで御園千莉の曲として流れた「夜空のステアーズ」。
羊飼いたちに見守られながら、それぞれの未来へと歩んでゆく図書部の仲間たちの姿が思い出される演目でした。
第二部 壮大な物語の『穢翼のユースティア』そしてクライマックス
重厚な世界設定と物語が魅力の本作品。『穢翼のユースティア』
人類最後の都市ノーヴァス・アイテル、滅びを迎えつつある人類と天使をめぐる壮大な物語。
この作品こそ一番オーケストラ映えしたタイトルだったのではないでしょうか。東京オペラシティの大きな魅力のひとつであるパイプオルガンも演奏に組み込まれており、原作の厳かな雰囲気があますところなく表現されていました。
まずはパイプオルガンの独奏で「Kanon -カノン-」が演奏されました。
ホール二階に鎮座する巨大なパイプオルガンの演奏中に舞い落ちてくる白い羽の演出と神秘的な音色が鳴り響く様はとても幻想的でした。
最後の曲目は「Travelling August -Bloomy-」。オーガストの次回作『千の波濤、桃花染の皇姫』のメインテーマに始まり、『Princess Holiday ~転がるりんご亭千夜一夜~(『プリホリ』)』、『バイナリィ・ポット』、『月は東に日は西に』をも含む楽曲が組み込まれたオーガスト作品の集大成といえるメドレーで、最後を締めくくるにふさわしい演目でした。
作品の中での音楽というものは、時が経ったとしても聴くだけで鮮明にその作品の情景などが思い出されます。
今回の公演で懐かしの作品から最新の作品達すべてが素晴らしい演奏とともに鮮やかに彩られたことで、ゲームやアニメを観たファンの方は楽しかった、泣けた、ハラハラしたなどの感情が一気に蘇ったことでしょう。
他にはない楽しみ方ができるオーケストラ
今回の『トラベリング・オーガスト2015 オーケストラ・コンサート in 東京オペラシティ』公演が終わり、やはり感じるのは「あの作品をまたプレイしたい、この作品もまたプレイしたい」という思いではないでしょうか。
次の公演ではおそらく次回作『千の波濤、桃花染の皇姫』の楽曲が軸となりそうですし、次回公演の開催に期待が高まる素敵なコンサートだったと思います。次回の公演までにオーガストの作品を一通りプレイして首を長くして待つことにしましょう!
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