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憑依型演技力!?宙組トップ娘役・実咲凜音さんの演技力がすごい

宙組トップ娘役として活躍されている実咲凜音さん。


実咲凜音 <出典:twitter.com>


先日まで上演されていた『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』ではエリザベート役を好演し、宝塚ファンだけではなく多くの注目を集めたことも記憶に新しいですね。


そんな実咲凜音さんは次回宙組大劇場公演『王妃の館 -Château de la Reine-』『VIVA! FESTA!』をもって退団されることを発表しています。


今回は実咲凜音さんのこれまでの活躍を作品、そして演じてきた役から現在に至るまで彼女の""軌跡""を辿ってみることにしましょう。




彼女のおかげで作品の魅力を知る『ファントム』



ファントム 宝塚 <出典:archive.kageki.hankyu.co.jp>


95期生として宝塚歌劇団へ入団した実咲さんですが、当時娘役のなかではトップの成績で入団したエリートさんでした。(すでに片鱗が伺えますね)


花組に所属されるとすぐに新人公演やバウ公演など数々の作品でヒロインを経験します。


そんな花組時代の実咲さんの演じた役の中で""印象的な役""を聞かれたら2011年に上演された『ファントム』の新人公演でヒロインのクリスティーヌ役を挙げる方が多いのではないでしょうか。出演者それぞれの力量、そして全体的な作り込みも含め、そのレベルの高さは新人公演の域を超えているとまで言わしめました。


実咲凜音 ファントム <出典:ameblo.jp>


クリスティーヌは、主人公のオペラ座の怪人ことエリックが『歌声だけで惹かれる天使の歌声』が、何よりも作品に引き込めるかどうかの鍵になってきます。クリスティーヌに観るもの聴くものを惹きつける魅力があるだけで、登場人物の思惑がスーーッと腑に落ちてきますから。


歌がうまいだけではない柔らかさと突き抜けるような綺麗な彼女の歌声は、『天使の歌声』と言われたクリスティーヌ役が本当にはまり役だったといえるでしょう。


実咲さんは当時クリスティーヌを演じる際に、

""クリスがエリックの顔を見て逃げ出すのは軽率な行動に見えて悩んだ。""
""顔の醜さを見て逃げたのではなく、エリックがそれまで背負ってきた色んな重いものが一気に迫ってきてそれに耐えられなくなった、と考えた""



と語っています。




行動一つ一つにしっかりと理由を持たせ、それを意識する。当たり前のことかもしれませんが、それを観客に伝えるということは簡単なことではありません。この『ファントム』を観てはじめて『ファントム』ってこういう作品だったんだ!!と気付いた人も少なくなかったかもしれませんね。


クリスティーヌを自分のなかに落とし込む為に、自分の中でクリスティーヌという一人の少女を、そして『ファントム』という作品を一噛みずつしっかりと噛み砕いて来たのだなあと感じます。当時研3と考えると改めて末恐ろしいです。(笑)









まぁみりお披露目公演『ベルサイユのばら—フェルゼンとマリー・アントワネット編—』



宙組 ベルサイユのばら <出典:kageki.hankyu.co.jp>


花組から当時の宙組トップスター凰稀かなめさんのもとへ嫁ぎ、宙組トップ娘役となった実咲さん。


その後、凰稀かなめさんの退団に伴いトップスターとなった朝夏まなとさんを旦那様に迎えいよいよ始まった""まぁみり""の伝説…!


まぁみり ベルばら <出典:twitter.com>


二人のプレお披露目となったのが全国ツアー『ベルサイユのばら—フェルゼンとマリー・アントワネット編—』。(実際は公演中にそう明言されてはいなかったですが事実上ということで^^;)


演技・歌・ダンスとお互いに優れた二人だったことも含め花組時代にも組んでいたこともある二人なので息はピッタリ。


演出家の植田さんが""朝夏・実咲率いる新生宙組~""というだけのことはありました。(いや、だからまぁ様トップ就任の公式発表前でしたよね????)


実咲凜音 <出典:prcm.jp>


マリーアントワネットのようなキラキラのお姫様な役は、実はこの作品まであまり経験することがなかった実咲さん。日を追うに連れてどんどん役にハマっていき、どんどんマリーアントワネットになっていく姿に、ようやく『トップ娘役らしさ』を観客に、そしてなにより宙組贔屓の皆さんに感じさせていったのではないでしょうか。


デュエットダンスのシーンでは、実咲さんの心から幸せそうな表情が印象的でした。


まぁみり <出典:twitter.com>


元々花組時代を一緒に経験し、新人公演ではコンビを組むこともあった二人。実力十分な二人はゆくゆく花組のトップコンビに…?なんて噂さえあったものの、娘役さんの方がチャンスが早く巡ってくるこの界隈、実力を買われた実咲さんは宙組のトップ娘役として二人は離れ離れに…そしてそんな実咲さんを追うように朝夏さんも宙組へ異動され、トップスターになって迎えに行く…


(というロマンチックすぎる展開を想像するだけできょうもご飯が美味しいです。ありがとうございました。)









自らの殻を破り最高峰の娘役へ『王家に捧ぐ歌』



王家に捧ぐ歌 宙組 <出典:kageki.hankyu.co.jp>


2015年6月より上演されたまぁみり大劇場お披露目公演は『王家に捧ぐ歌』。


世界的にも有名なオペラ『アイーダ』が原作ということで、物語自体は割りとすんなり理解できる王道ストーリーかもしれませんね。


宝塚での初演は伝説の湖月わたるさん・檀れいさんトップコンビのお披露目公演で、その後も再演されたのはメインキャストはそのままの選抜メンバーによるセルフ再演一度きり。



「「アイーダ役は実咲さんになるのか」」



お披露目演目が発表された時にはこの話題でもちきりだったように思います。初演時は2番手スターの安蘭けいさんが務めていらっしゃったのでなおさらですね。


実咲凜音 アイーダ <出典:twitter.com>


注目が集まるなか発表された配役は実咲さんのアイーダ役!!朝夏さんと愛し合う…これにはやはり祝福の声もとてもとても大きかったです。


力強く、内面には秘めた情熱がありながらも王女としての気品もあふれるアイーダの人物像は、実咲さんにも共通するところがあるのでまさにぴったりな役柄であったように思います。また、『王家に捧ぐ歌』は素敵な楽曲が多く、場面を音楽が制してしまうシーンも多いので、実咲さんの歌唱力も存分に発揮されていたように感じます。




しかし、歌唱力・演技力・ダンス…どれをとっても素晴らしいまさに娘役の鑑のような彼女。完璧すぎるがゆえにどこか型にはまった演技や歌に感じてしまう方も…


そんな彼女が、2016年の博多座でのセルフ再演で、いい意味で""吹っ切れた""演技・歌唱でファンを驚かせることになります。


力強く凛々しく虚しく…綺麗に歌うことだけが全てではない、あえて完成されていない、いうなれば無垢な感情というか。(難しいなっ・・・みりおんちゃんは完成形すぎるのでいい意味で。それを壊すのは難しいと思うのです。物語のキャラクターたちは全員が全員"完成された人物"ではないですから。キャラクターに人間らしさをかんじさせるということは言うほどに簡単なことではなく誰しもにできるような芸当でもないでしょう。)


この作品は、自身の殻を破り新たな一歩を踏み出すことのできた彼女にとっても大きな意味のある公演になったのではないでしょうか。


みりおんちゃんはやっぱりすごくて強い!!!(言いたかった////)








史上最高のクオリティ『エリザベート-愛と死の輪舞-』



エリザベート 宙組 <出典:kageki.hankyu.co.jp>


そして記憶にも新しい2016年7月より上演されていた『エリザベート-愛と死の輪舞-』では、実咲さんが「やりたかった役」としても挙げていたエリザベート(シシィ)役を務めました。


長年愛され続けるこの『エリザベート』、宝塚はもちろん東宝さんなど外部ミュージカルでもお目にかかることの多い作品ですので、それだけ注目もあつまりました。


しかも今回のエリザベートは宝塚での初演から20周年、上演回数が1,000回を迎える記念すべき公演。さらには同時期に東宝版で元宝塚トップ娘役として活躍された蘭乃はなさん・花總まりさんを主演に『エリザベート』が上演されるというまさしく""エリザベートイヤー""でもあったのです!


みりおん シシィ <出典:twitter.com>


今回の宙組公演では、朝夏まなとさんとの親和性が異常なほどに高く、お互いがお互いに反響し合った結果すさまじい『エリザベート』が完成されてしまいました。(わたしの語彙力ではこれが限界)


自由に生きるシシィがゾフィーによってガチガチのお妃稽古を受けさせられ『私だけに』を歌唱するシーン然り、鎖が外れ、自らの美貌を武器に女王に君臨するシーン然り、銀橋で差し出されたトートの手をまるであざ笑うかのように去っていくシーン然り…


そこに生きているのは""実咲凜音さんが演じるシシィ""ではなく""シシィ""そのものでした。


エリザベート 宙組 <出典:twitter.com>


現在のトップ娘役のなかで"憑依型演技力"と言われれば雪組の咲妃みゆさんを思い浮かべる方も多かったはず。


物語に語られないキャラクターの過去や内面まで、普段の姿からは想像できないほどにその役にハマってしまう。実咲さんのシシィはまさにシシィが乗り移ったかのようなものだったのです。そしてそのエリザベートの瞳の中にだんだんと、そしてはっきり映し出されていくトート(死)への渇望。


色々通り越して恐ろしささえ感じた方も少なくなかったのではないでしょうか。


エリザベート 宙組 <出典:twitter.com>


男役が主役となる宝塚だからこそ、タイトルロールであるエリザベートを演じていても、やはり男役をたてなければいけません。


自由な明るい少女シシィから、魂この世にあらずな晩年シシィまで、実咲さんの豊かな声の表現力が演技力に、そして朝夏さんとも相まって本当に素晴らしい『エリザベート』を作り上げられてしまったなあと思います。(この先エリザベートが上演されてもこの宙組公演の印象を強く感じてしまいそうなぐらいには)




退団までもう少し…さよなら公演は?



実咲凜音 <出典:www.asahi.com>


実咲凜音さんが歩んできた道は、決して順風満帆なものではなかったと思います。


実力があるからこそ慢心せず努力をし続け、お芝居、そして朝夏さんへの気持ち、宙組への想いを抱えて歩んできた彼女がついに2017年4月30日に『王妃の館 -Château de la Reine-』『VIVA! FESTA!』の千秋楽を持って退団されます。


『エリザベート』を見事に演じてくれただけに、より退団が惜しまれますが最後の最後のその一瞬まで、キラキラ輝く彼女の姿をしっかりと目に焼き付けてくださいね!

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