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”悪の魅力”が開花した!「オーシャンズ11」テリーベネディクト
今宝塚で、”クセのある男、ダークな男を演じさせたら右に出る者はいない”と思わせるような魅力的な悪役・敵役を演じる望海さん。2016年の代表作「ドン・ジュアン」での望海さんの濃厚なワルの色気に”堕ちた”ファンの数は底知れないことでしょう。

出典:©宝塚歌劇団
2016年 雪組公演『ドン・ジュアン』より
そんな色気たっぷりの望海さんですが、根は自他ともに認めるマジメなお方。
真面目で真っ直ぐなイメージの望海さんが、ワルのスター性に目覚めた瞬間が存在するとすれば、花組「オーシャンズ11」のテリー・ベネディクト役だったのはないでしょうか。
当時のトップスター蘭寿とむさん演じるダニー・オーシャンの敵であり、自分の欲望を隠さず金も権力も女も手に入れようとするベネディクト。
普段、理性的で真面目で優しいイメージのある望海さんとは全くの別人の役柄でしたが、欲望に狂い破滅する男の迫力の演技と、歌声で演見事じ、ファンから大好評を得ました。
初日後は「望海風斗覚醒!」「だいもん圧巻!」と、SNSは大盛り上りでしたが、実はこの役、ご本人とのギャップが邪魔してかとても苦労されたそう。インタビューでこう語ります。
「ただ、ベネディクトも稽古場ではめった打ちにされたんですよ。研10だったんですが、
下級生たちもいる前で怒られて、今まで築いてきたものが全部なくなって。
でも、丸裸になったときに生まれたものが、確実に役を作る上での基盤になったんですよね。」
出典:©Nikkei Business Publications, Inc.『日経WOMAN2016年7月号』より引用
ファンにとっても衝撃の作品でしたが、望海さんにとっても今の基盤となるような大きな役だったんですね。
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"コメディアン早霧せいなさんに鍛えられた「アドリブ力」"
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