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1985年にロンドンで初めて上演されて以降、世界的な人気を誇るミュージカル『レ・ミゼラブル』は、日本でも1987年の初演以来、「レミゼ」の愛称で呼ばれ、記録的な上演回数を誇る人気作です。2012年には、このミュージカルを土台とした映画が公開されて話題を呼び、ますます注目が集まりました。さらに2013年にロンドン初演25周年を記念して演出も一新され、日本公演は数多くの賞を受けました。

レ・ミゼラブル/あらすじ



「ああ無情」と訳されることもある原作は、フランスの作家ヴィクトル・ユゴーが自身の体験をもとに描いたとされる長編小説です。ミュージカル版では原作の見どころを凝縮し、歌とダンスで迫力たっぷりに上演されます。今回は、「革命」、「貧困」、「愛」、「正義」などをテーマに繰り広げられるミュージカル『レ・ミゼラブル』のあらすじを、第1幕までご紹介します。公演前の予習としてぜひチェックしてください。


レ・ミゼラブル



プロローグ

舞台は、有名な「銀の食器」のエピソードから始まります。19世紀初めの南フランス、ツーロンで19年間投獄されていた中年の男ジャン・バルジャンは、憲兵ジャベールから仮釈放を言い渡されますが、街では冷遇されるばかりです。そこへミリエル司教が温かく彼を受け入れますが、貧困に心も荒んだバルジャンは司教から銀の食器を盗んで逃げ出します。
バルジャンは再び捕らわれますが、彼の前に現れたミリエル司教のとった行動に、バルジャンは悔い改め、新たな人生を歩むことを誓います。

ジャン・バルジャン



【第1幕その1】ファンテーヌとコゼット

銀の食器の出来事から4年後、「マドレーヌ」と名を変えたバルジャンは、モントルイユ・シュール・メールの街で善良な人柄を認められ市長になり、工場を経営していました。工場にはファンテーヌという貧しくも美しい女性が働いていましたが、仕事仲間といざこざを起こし、工場をクビになってしまいます。

ファンテーヌとコゼット


さらに4年後、ファンテーヌはモンフェルメイユの街に預けた娘の養育費のために身を売って過ごしていました。バルジャンは、客とけんか騒ぎを起こしていたファンテーヌを助けます。ファンテーヌが重い病にかかっていることを知ったバルジャンは、彼女の娘コゼットを連れて帰るとフォンテーヌに告げます。
コゼットを預かっているのは、モンフェルメイユで宿屋を営むあくどい金の亡者、テナルディエ夫妻でした。モンフェルメイユへ向かう途中、バルジャンは、自分と間違えられて罪を着せられた男のことを知ります。バルジャンは男の無実の罪を晴らすため、自らの素性を明かして罪をかぶり、再び捕らえられてしまいます。バルジャンは脱獄を図り、約1年かけてフォンテーヌのもとへ帰りますが——。

ファンテーヌとコゼット


一方、コゼットは8歳にして宿屋でただ働きをさせられ、テナルディエ夫妻から虐待も受けていました。バルジャンはクリスマスイヴの夜、フォンテーヌとの約束を果たすべく、夫妻に大金を払ってコゼットを取り返し、ジャベールから逃れてパリへ向かいます。




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