繊細な声に強い芯……主人公役にひっぱりだこの人気声優「松岡禎丞」特集

松岡禎丞(まつおか よしつぐ)はアイムエンタープライズに所属する男性声優で、1986年9月17日生まれの29歳。ファンからは「つぐつぐ」の愛称で親しまれています。


出典:©島﨑信長(島崎信長) 公式Twitter より

彼に声優を志すきっかけをもたらしたのは、ベテラン男性声優である「石田彰」でした。松岡は15歳の頃に石田が出演したアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」とゲーム「テイルズオブエターニア」に触れました。

そして「エヴァ」の色香ある少年でありながらどこか裏を感じさせる「渚カヲル」と、「テイルズ」の物ぐさながらもやる時はやる青年「リッド・ハーシェル」という、まったく違う人物を演じ分ける石田の演技力に衝撃を受けたのです。

声優を志すようになってからは北海道で自動車整備士を目指しながら声優学校を探していましたが、やはり上京しなければ厳しいとの助言にしたがって上京。日本ナレーション演技研究所に入所して声優としての本格的なトレーニングを受け始め、2009年にはアイムエンタープライズのオーディションに合格して声優となりました。

●「SAO」で大ブレイク、松岡禎丞の出演作


出典:©映画ナタリー 公式Twitter より

声優となった松岡禎丞のデビューを飾ったのは2009年放映のアニメ「東のエデン」でのAKX20000(えーけーえっくす にまん)役でした。AKX20000は作中に登場するニート二万人からなる男性アイドルユニットで、松岡はメンバーの一人として十人を超える男性声優といっしょに出演しています。

そしてそれから二年後、松岡禎丞は2011年放映のミステリアニメ「神様のメモ帳」の主人公・藤島鳴海役で初主演をはたします。藤島は、他人に心を開けなかった孤独で消極的な少年が、気難しく偏屈な少女との交流をきっかけにして少しずつ積極性を得ていく、という役柄。

松岡はこの難しい藤島鳴海役を、儚げな声色と繊細な演技でもって見事に演じてみせ、新人ながらも確かな実力をもっていることを証明してみせました。松岡禎丞はこの役で同年度の第6回声優アワード新人男優賞を受賞しています。

そして松岡禎丞は2012年に、MMORPGを舞台としたアクションアニメ「ソードアート・オンライン」の主人公・キリト役で大ブレイクします。キリトは女性と見間違えるような細面の美少年でありながら、確固たる信念と高い戦闘能力、そして作戦を立てて計画的に行動する思考力をもっているという「まさに主人公」ともいえる全体的に強いキャラクター。

松岡は、キリトの線の細い外見にしっくりとなじむ綺麗な声、作中で多数挿入されるバトルシーンでの迫力ある叫び声、また時にキリトが悩み苦しむシーンでのナイーブで落ち着いた深くしみいるような声などの多様な声色を使い分け、キリトという多面性のあるキャラクターの様々な顔を演じ切りました。これがみごと大好評を獲得し、松岡禎丞の名前を大々的に知らしめたのです。


出典:youtube ©アニプレックス
「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」本予告 2017年2月18日公開 より

「SAO」でのキリト役の大ヒットによって人気を獲得した松岡禎丞は、そこから「アラタカンガタリ」のアラタ役、「ノーゲーム・ノーライフ」の空役、「食戟のソーマ」の幸平創真役など、数多くのアニメでの主要キャラクターを演じていくことになります。主にイケメンキャラクターが中心ですが、「ジョジョの奇妙な冒険」での顔が濃いモブキャラクターなど、イケメン役に留まらない活躍も。

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