独特の色気と存在感が魅力。宝塚の男役が女役を演じることについて徹底追求。
舞台に出る演者は全て女性という、世界でも稀有なスタイルで舞台を届けている宝塚歌劇団。
男役にも女役にも独特の風情があり、ほかの舞台やテレビ、映画の役者の演技や舞台のあり方とは一線を画すものがあります。
伝統的に、男役には男役の見せ方、女役には女役の見せ方があり、団員の皆さんは日々研究を重ね、技の極みを舞台で見せてくれます。しかし時々、男役が女役を演じることもあります。
最近特に、男役が主要キャスト内の女性役に配され、新鮮な風を吹かせているような気がします。
それでは2017年〜2018年の舞台から、男役が女役として舞台に彩りを添えた例をピックアップします。
月組「グランドホテル」にて、朝美絢と暁千星が演じたラファエラ役
出典:©宝塚歌劇団 公式HP 月組公演『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲』より昨年のお正月公演だった「グランドホテル」で、若手イケメン男役として人気を誇る二人が、女役にチャレンジしました。
それがヒロインのバレリーナ、エリザヴェッタの付き人役。ラファエラ・オッタニオ。
ラファエラは女性でありながらエリザヴェッタに想いを寄せて守ろうとする、孤高でかっこいい女性の役所。
初演では天海祐希さんが演じ、エキゾチックな雰囲気がとても素敵でした。朝美さんと暁さんはダブルキャストで演じ、天海さんに負けないほどの美しさと強い歌声で魅了。物語から少し浮いた存在でもあるラファエラを確かな存在感で見せました。
女役? 蒼羽りくの演技が光った「王妃の館」の愛すべきキャラ・クレヨン!
出典:©宝塚歌劇団 youtubeチャンネル 宙組公演『王妃の館 -Château de la Reine-』『VIVA! FESTA!』初日舞台映像(ロング)より「王妃の館」で蒼羽りくさんが演じたのは、男性でありながら女性の姿で、男性を好きになる女性?のクレヨン役。本名は黒岩源太郎で、澄輝さやとさん演じる警察官の近藤誠を一途に追いかける役です。
役が役だけに、一体どう見せてくれるのか?と期待と不安でいっぱいになりましたが、そこはさすがに宝塚。一見派手なスタイルですが、なんとも言えない「いじらしい乙女心」を抱く女性?として、蒼羽さんはかわいらしく表現。
澄輝さんとのラブシーンも、なんだかキュンととさせてくれるものでした。
そして男役のダンスで鍛えたボディラインが素晴らしく美しく、スタイルだけを見ているだけでも楽しめました。
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