待望のアニメ映画『虐殺器官』がついに公開!夭折したSF作家・伊藤計劃とは?


出典:©Project Itoh/GENOCIDAL ORGAN
Project Itoh公式アカウント(@PJ_Itoh)Twitterより

2017年2月3日、大注目のアニメ映画『虐殺器官』がついに公開されます!

待ちに待ったファンも多いのではないでしょうか?

ここでもう一度、映画の原作者である伊藤計劃(いとう・けいかく)とは誰なのか?ということも含め、『虐殺器官』のほか「Project Itoh」で過去に公開された作品も紹介していこうと思います!

SF作家・伊藤計劃(いとう・けいかく)って?

SF作家・伊藤計劃(いとう・けいかく)は1974年に東京で生まれ、34歳という若さでこの世を去りました。
デビュー作である『虐殺器官』の売り上げは現在30万部を超えていますが、これは日本のSF小説では異例の数字です。

伊藤計劃が生前に発表したオリジナルの長編小説は『虐殺器官』(2007年)『ハーモニー』(2008年)だけでした。
親交の深かったSF作家であり芥川賞作家でもある円城塔(えんじょう・とう)が、伊藤計劃の死後に彼が遺した30枚の草稿を引き継いで完成させた『屍者の帝国』(2012年)を含めても、伊藤計劃の作品はたった3本しかありません。

しかし、日本のSF界では「伊藤計劃以前/以後」という言葉が生まれるぐらい、伊藤計劃の出現は衝撃でした。

SF×アクション×ミステリ

伊藤計劃の誕生でコアなSFファン以外の人たちもSF小説を読むようになりました。

それまで多くの人たちは映画やアニメ、ライトノベル、ゲームなどでSF的な要素に触れることはあっても、文学としてのSFを楽しんでいたのは限られたコアなファンがほとんどでした。SF小説というのはかなりマニアックなジャンルだったのです。

伊藤計劃の作品には読者を心からわくわくさせるようなエンターテインメント性がありました。

もちろん、テクノロジーにもとづいた豊かな想像力や、時代性を孕(はら)んだ深遠なテーマなど、SFには欠かせない要素もありました。しかし、アクション、ミステリなど、彼の作品にはジャンルに縛られない豊かな創造性があり、それが多くの読者を魅了することに繋がったのです。

それは伊藤計劃自身、病気がちな短い人生の中で、様々なジャンルに触れてきたことが影響しています。

まず、伊藤計劃はゲーム好きでした。
メタルギアシリーズを手がけたゲームデザイナー・小島秀夫(こじま・ひでお)の大ファンだったことは有名な話です。
それがきっかけで生前には「メタルギアソリッド4」のノベライズ版である『METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS』も手がけました。

また、武蔵野美術大学美術学部映像科を卒業し、映画・SF評論のブログなどもやっていました。

伊藤計劃の死。そして「Project Itoh」の始動。


出典:©Project Itoh/GENOCIDAL ORGAN
Project Itoh公式アカウント(@PJ_Itoh)Twitterより

惜しくも伊藤計劃は2009年3月に34歳という若さで肺がんのため亡くなりましたが、後世に残した影響は計り知れません。

ノイタミナムービー第二弾である「Project Itoh」はそんな伊藤計劃へのリスペクトから生まれた企画で、伊藤計劃の主要三作品をアニメ映画化するという、アニメ界・SF界の威信をかけた壮大な計画です!

2015年10月に劇場公開された『屍者の帝国』を皮切りに、2015年11月には『ハーモニー』が公開されました。
そして、制作会社が破産するなどの困難を乗り越え、ようやく2017年2月3日に待望の劇場公開となるのが『虐殺器官』です。

それでは、「Project Itoh」で公開されたそれぞれの作品のあらすじやスタッフ・キャストなどをチェックしていきましょう!

※原作小説が出版された順番と、映画が公開された順番が異なり、少しややこしいのでまとめておきます……!

【小説が出版された順番】
『虐殺器官』(2007年)→『ハーモニー』(2008年)→『屍者の帝国』(2012年)

【映画が公開された順番】
『屍者の帝国』(2015年10月)→『ハーモニー』(2015年11月)→『虐殺器官』(2017年2月)

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