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「激情」での関係性は「鳳凰伝」を彷彿とさせるものがある
珠城さんがトップ就任する前に2人はがっぷりとコンビを組み、主演したことがあります。それが、2016年の全国ツアー公演の芝居「激情—ホセとカルメン−」。

この作品のヒロイン、カルメンは主人公のホセと恋に落ち、危ない道へと彼を引き入れます。ホセは人を殺め、どんどんと落ちぶれていきます。カルメンはそれほどすごい色気と魅力があるファムファタル。
経験の少ない娘役には難しい役ですが、愛希さんは非常に魅力的に、品を失わず好演。
主人公を翻弄するヒロインとして存在できる稀有な存在として愛希れいかの名を轟かせた瞬間でした。
そして、次回の鳳凰伝も、同じくヒロインが強い作品なのです。
名作「鳳凰伝」は、たまちゃぴだからこそ再演できる!
「鳳凰伝」の初演は2002年のこと。当時の宙組で、和央ようかさん主演で上演されました。
ヒロインは花總まりさん。その当時でもトップ娘役として長いキャリアを誇り、「女帝」とも言われたほど大きな存在感を示していました。
ちなみに前述した「激情-ホセとカルメン-」の初演でカルメンを演じたのも花總まりさんです。
伝説の娘役と同じ役を2つも演じることになる愛希れいかさん。愛希さんも、現代の女帝ですね。
話は逸れましたが、「鳳凰伝」は元々オペラを題材にしたもの。有名な「トゥーランドット」という演目です。
「誰も寝てはならぬ」という曲は、フィギュアスケートの荒川静香氏が金メダル取得時に使ったもので、有名ですね。
主人公は、ある小国の王子カラフ。国を滅ぼされ放浪し北京にたどり着きます。北京は、恐ろしい王女に翻弄されており、異様な雰囲気に包まれていました。
その王女こそが、ヒロインであるトゥーランドット。並み居る求婚者に無理難題な謎を出し、答えられなかったものを処刑するという血も涙もない王女でした。

そのトゥーランドットに一目惚れしたカラフ。「あれは私の女だ」と宣言し、王女が出す謎に挑むのです。
というのがストーリー。まっすぐなカラフに珠城さんはぴったりです。
対するトゥーランドットは屈折した王女。登場シーンから冷たい眼差しと、吠えるような歌声で強烈な印象を残します。衣装も大掛かりなもので、大きな存在感がないとこなせない役。今の宝塚トップ娘役では愛希さんは最適だと言えるでしょう。
2人のキャラクターや現在の境遇があるからこそ、この演目は再演できるのでしょう。どんな舞台を見せてくれるのか、今から楽しみです。
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"ファンの期待も高まるたまちゃぴの「鳳凰伝」"
"ファンの期待も高まるたまちゃぴの「鳳凰伝」"
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