ジャンプコミックスの舞台化として内外で話題となった雪組公演「るろうに剣心」。
大胆にミュージカルとして生まれ変わらせたこの舞台の新人公演もまた、若手の活躍が光る舞台として好評を得ました。
そんな新人公演の様子を紹介していきます。
【みどころはやはり本公演とどう違うか】
もともとこちらの本公演はショーなしの一本物であるために、新人公演では休憩なしの1時間50分に短縮されて上演されました。
それまでの経緯を伝える重要な場面を削られたりするなど役を深めたい若手としては苦戦する公演だったといえます。【主要な役を演じたスターを紹介】まずなんといっても主演の剣心を演じた永久輝せあさん。
本公演とは違う役作りに挑戦していました。
早霧さんの剣心が、明治という大動乱の中争いのない時代をと願う「熱いひと」であったのに対して、永久輝さんの場合は誰から戦いを挑まれてもたださらっと受け流してしまう優しい、それでいていつまでも抜刀斎としての底知れない闇の部分を抱えたままのようなスマートなのに陰のある剣心でした。
これは永久輝さん自身が本公演で抜刀斎を演じたこと、そしてこの「るろうに剣心」新人公演が誰にも頼れない状況では初めての彼女にとっての主演作品であることが合わさって実現した結果といえるかもしれません。
もちろん得意のダンスの能力を生かした殺陣もしなやかさをグレードアップしていて、魅せてくれています。
【「るろうに剣心」から台頭したスターも】
今回注目すべき下級生は二番手となる加納を演じた諏訪さきさん。
役を語る上で欠かせない幕末のシーンがカットされてしまったこともあり、その野心と色気を表現することに苦戦していましたがオールド宝塚を思わせる所作と演技はこれからの成長に期待したいところ。
そして斉藤一を演じた陽向春輝さん。
これまでとは違い、感情を押し殺しつつしかし無表情でありながら客席からみてわかる程度の感情を動かす、男性としての渋さを出していくという難しい役を懸命に演じていました。
重厚なたたずまいと、101期生という当時の最下級生でありながら月城かなとさんが演じた四乃森蒼紫という重要な役を任せられたことで話題になった縣千さん。
最強を求める剣心との戦いの場面では、役の深みはまだまだですがこの先が楽しみなジェンヌです。
【雪組の進化を実感!】
これから雪組の重要な場面をになうことになるであろう若手たちを「るろうに剣心」新人公演からピックアップしました。
雪組の進化を感じさせる舞台と新人に今後も注目です。
著者:Seikacat