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珠城りょう トップ

新トップスター珠城りょうさんの魅力は?月組新体制の今後を占う

2017年の幕開けと同時に開幕した、宝塚歌劇月組公演「グランドホテル / カルーセル輪舞曲」。

そして、本作品でトップスターとしてお披露目を迎えるのが、珠城りょうさんです。

グランドホテル 月組 <出典:kageki.hankyu.co.jp>

カリスマ的魅力で組を率いた龍真咲さんの後を継いだ珠城りょうさんは、入団から9年目という異例のスピードでのトップ就任。2番手期間も殆どなかったため、就任が発表されると、ファンの間では賛否が分かれました。


しかし、プレお披露目公演「アーサー王伝説」、「タカラヅカスペシャル2016」と、安定感のある舞台姿は”古くも新しい、新時代のトップスター”誕生を予感させました。

今回は、相手役・愛希れいかさん、2番手・美弥るりかさんとのエピソードを交えながら、珠城りょうさんの魅力と月組の可能性について考察します。


月組トップスターに早期就任!華やかさの裏にある珠城りょうの苦悩


珠城りょう トップ <出典:kageki.hankyu.co.jp>

94期生として、2008年に初舞台を踏んだ珠城りょうさん。

入団2年目には「ラストプレイ」の新人公演で、2番手の霧矢大夢さんの演じる役に大抜擢。その次の公演となる「THE SCARLET PIMPERNEL」では、早くも新人公演で初主演を務め、新人公演の主演回数は合計で5回。見事に、”路線スター”として活躍を続けます。


そして2016年に、研究科9年という異例のスピードでトップスター就任が発表されると、かつて研究科7年でトップスターに就任したカリスマ・天海祐希さんの再来と話題を集めましたよね。

しかし、実は珠城りょうさんのトップ就任までには、紆余曲折ありました。

というのも、准トップスターとして龍真咲さんとともに舞台を盛り上げた明日海りおさんが花組に組み替えしてから、「2番手ポジション」が長らく不明確だったからです。


そんな不安定な状況で抜擢が続く中、珠城りょうさん自身も悩み、「舞台を楽しめない」と感じた時期もあったとか。しかし、”舞台上の落ち着き、大人っぽさ”といった自分らしさを前向きに捉え、舞台上での存在感を増しました。自分の魅力について悩み続けた過程こそが、珠城りょうさんの個性を輝かせたともいえます。2番手の羽を背負って大階段に立った瞬間、そのスターとしての大きさに磨きがかかったのです。


傍から見ると順風満帆なスター街道のようにみえるかもしれませんが、本人の葛藤や周りの支えがあったからこそ、トップスター・珠城りょうは誕生しました。


珠城りょうの魅力は”骨太な男役像”と”包容力”


珠城りょう トップ <出典:www.wanibookout.com>

珠城りょうさんの魅力は、何と言っても”宝塚伝統の男役”と、”包容力”でしょう。


幼い頃からのスポーツで鍛えた体躯は、まるで「本当の男性」と見まごうほど。特にスーツを着たときなど、骨太の男役としての魅力が最大限に発揮されます。本人が磨いてこられた舞台技術に、生来の真面目さが加わって、若きトップスターとは思えないほど、どっしりとした存在感を発揮しているのです。


そこからにじみ出る包容力は、宝塚の男役に無くてはならないもの。

そして、フレッシュ感と男役ならではの包容力が同居している若きトップスターの周りを、個々の男役道を極めた上級生男役が固めることで、今の月組らしさが生まれています。これは、他の組にはない魅力といえるでしょう。






珠城りょう・愛希れいかコンビは、1学年差だからこその”同志感”に注目


珠城りょう 愛希れいか <出典:kageki.hankyu.co.jp>

トップコンビの学年差は1年差。娘役が下級生になるほど、「寄り添う」という感覚が強くなりますが、この2人には、良い意味で”遠慮”がありません。

ラブラブなトップコンビというより、舞台を作り上げるための”同志”という言葉がふさわしいコンビなのです。


2人の対談では、「もっと娘役らしくした方がいいのか、身長高いし、元男役だし」とこぼす愛希れいかさんに、「いいことじゃん」とサラッと返す珠城りょうさん…という場面もありました。2人の信頼感が伝わります。


単なるトップコンビではなく、「トップスター」「娘役トップスター」という2人が率いる…という言葉がふさわしいかもしれません。ですから「激情」のような作品もピタリとハマったのでしょう。


この2人からは、これまでの月組とはまた一味違う、無限の可能性を感じます。ダイナミックなダンスが魅力的な2人なので、ブロードウェイミュージカル「CAN-CAN」の再演も素敵でしょうし、愛希さんの娘役としてのキャリアを存分に活かす「カラフとトゥーランドット」なども良さそう。珠城さんの真面目さを生かす作品として「グレート・ギャツビー」や「琥珀色の雨に濡れて」なども似合うでしょう。また、重厚な作品が続くので、あえて軽妙なラブコメ作品も見てみたいですね。


もちろん、2人ならではの宛て書き作品も楽しみです。2017年の上演作品で言えば、小池修一郎先生の新作「ALL FOR ONE」でどのような関係性が描かれるのかに期待しましょう。


祝2番手就任!美弥るりかとのタッグで生まれる化学反応




「グランドホテル」から正2番手として舞台を引き締めている美弥るりかさん。

トップスターよりも年長の2番手というのは、決して珍しいことではありません(天海祐希さん・久世星佳さん、真飛聖さん・大空祐飛さんなど)。


むしろ、2番手スターに十分な実力と押し出しが備わっているからこそ、舞台に厚みが生まれるともいえます。「カルーセル輪舞曲」では、珠城りょうさんメインの場面、美弥るりかさんメインの場面、いずれも魅力的でした。トップスターとして重圧とも闘う珠城りょうさんにとって、「りょうちゃん」と語りかけてくれる美弥るりかさんの存在は、何より心強いものでしょう。


そして、真面目で、骨太で、おおらかな魅力を持つ男役・珠城りょうさんに対して、繊細で、妖艶で、どこか中性的な魅力を持つ男役・美弥るりかさん。持ち味が正反対の二人だからこそ、舞台でさまざまな化学反応が生まれるのです。


敵同士、恋敵、仲間同士、親子…いろいろな関係性が可能な二人ではないでしょうか。

2番手がしっかりしているほど、作品の幅も広がります。”たまるり”なればこその代表作が生まれるのを楽しみにしましょう。


新トップスター・珠城りょう率いる月組から目が離せない




珠城りょうさんという新しいトップスターを迎え、月組の新時代は幕を開けました。

当初は若いトップスターと心配もされていましたが、珠城りょうさんの持ち味である重厚感と伝統的な男役芸によって、「フレッシュ」「革新的・挑戦的」な月組の色から、むしろ「宝塚の正統派」としての色合いが濃くなったように感じます。

これからどんな作品を生み出してくれるのか、期待せざるをえません。


著者:海野りんご

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