吹奏楽と管弦楽の違いは何?楽器の編成に注目!

皆さんは吹奏楽と管弦楽と言われて違いがハッキリと分かりますか?

音楽とは様々な解釈が存在し、今もなお数えきれない程の解釈争いがされている現代の音楽。

今回は筆者の独断と偏見にて吹奏楽と管弦楽のハッキリとした違いを語っていきたいと思います。

クラシックコンサート

管楽器と弦楽器の特徴

まず皆さんに知ってもらいたいこととして、管楽器とは具体的どういうがっきなのか?弦楽器とは具体的にどういうものなのか?ということです。

【管楽器の特徴】
名前の通り、管楽器は“管”に空気を通して音を出す楽器です。音の出し方によってさらに「金管楽器」と「木管楽器」の二つに分類されます。
「マウスピース」と呼ばれるパーツに自分の唇を当て震わせることによって音を出す金管楽器。「リード」と呼ばれる道具を震わせて音を出す木管楽器(リードがなく直接唄口に息を吹き込む「ノンリード」の楽器もありフルート、ピッコロはこれに属します)。

マウスピース リード

外見は金属だけど木管楽器(サックスなど)なんてこともありますので注目すべき点としては何を使って音を出すかが一番わかり易いかもしれませんね。

『金管楽器』
・トランペット、コルネット、フリューゲルホルン、ホルン、トロンボーン、チューバ、ユーフォニアムなど

金管楽器

『木管楽器』
・サックス、フルート、ピッコロ、クラリネット、オーボエ、ファゴットなど

木管楽器

【弦楽器の特徴】
弦楽器は“弦”を指ではじいたり、弓と呼ばれるもので擦ったりして振動を与え音を出す楽器です。他にも叩いたりする演奏方法があります。

それによって生じた弦の振動が楽器のボディ(胴や響板など)に伝わり、中の空気に“共鳴”をおこさせて、美しく大きな音になります。
楽器によって弦の振動や響きなどがかなり違いますので、そこも面白いところです。

弦楽器の中でも「撥弦楽器(はつげんがっき)」、「擦弦楽器(さつげんがっき)」、「打弦楽器(だげんがっき)」と基本的な演奏方法で楽器ごとにグループが分けられています。

『撥弦楽器』
・琴、ギター、チェンバロ、ハープ

琴

『擦弦楽器』
・ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、胡弓、馬頭琴、二胡

ヴァイオリン ヴィオラ チェロ コントラバス

『打弦楽器』
・ピアノ、ダルシマー、揚琴(ようきん)

ピアノ

吹奏楽と管弦楽の編成に注目

上記でそれぞれの楽器についてちょこっと説明しどのような楽器が使われているのかが分かったと思います。
次に本題の吹奏楽と管弦楽の違いについて、まずはそれぞれの編成について説明していきます。

両者の違いを説明するのに一番適したポイントがこの編成なのです。

まずは吹奏楽の編成は基本的に管楽器と打楽器(ティンパニやパーカッション類)のみで構成されていて、「弦楽器」は基本的に含まれません。ただし、コントラバスのみ含まれます。

演奏する楽曲のジャンルは多岐にわたり、マーチ、ポップス、ジャズ、そしてオリジナル曲まで幅広く演奏します。

吹奏楽

そして、管弦楽(オーケストラ)と呼ばれるものは基本的に弦楽器の人数が圧倒的に多く、その中に管楽器と打楽器が少人数含まれているという編成になります。ストリングス中心に管楽器が色を添える程度という解釈でよいでしょう。

基本的な演奏楽曲としては1楽章~4楽章の4つの曲でできている交響曲(シンフォニー)、メインのソロ楽器とオーケストラが協力して奏でる曲の協奏曲(コンチェルト)などの一般的にクラシックと呼ばれるお堅い楽曲を演奏することが多いです。

管弦楽

但し最近では、オーケストラの幅が広がっておりゲーム音楽やアニメの劇伴オンリーのオーケストラコンサートも開催されたりしています。

オーケストラコンサート

その他の特徴は?

その他の両者の特徴として音楽的な話を少しだけ。ここからはそれぞれの解釈を持っていただければと思います。

まず吹奏楽は意外とオリジナリティ溢れる演奏が多いのに対して、管弦楽はいかに楽譜に忠実に演奏できるかという点です。

吹奏楽の方から説明すると、楽器の特性上管楽器というのは音が完全に出るまでにほんの少しラグがあります、それは管楽器のブレスに理由があります。

楽譜に休符がなくても完全に音が出ていない時間が数秒あったりするので、楽譜に忠実に演奏というのが難しいのです。ほとんどの楽曲は管楽器のブレスまで考えて作られてはいないので、同じ楽曲でも吹奏楽団が違えばそれぞれ違うアプローチをしオリジナリティ溢れる演奏をします。

吹奏楽

管弦楽(オーケストラ)は、ブレスというもに焦点を当てるならば息の続く限りという管楽器と違い弦楽器の演奏ははっきりした休符がない限り音が途切れることはなく、楽譜に書かれたものはほとんどが忠実に演奏することが可能です。
まずブレスの意味が根本的に管楽器のそれとは違いますが。

そして、過去の有名作曲家の楽曲を演奏する場合その楽曲をどれだけ忠実に再現できるかが評価の対象にもなりますし、変にオリジナルを加えると怒られることもあります。

管弦楽

どちらも多種多様化してきた現代

吹奏楽と管弦楽、どちらもよく見て聴いてみるとかなりの違いがあることが分かったと思います。

最近では様々な場面で吹奏楽や管弦楽が注目されていて、流行りの音楽しか聴かないという方でも楽しめるコンサートがたくさんあります。
アニメや映画でも吹奏楽、管弦楽などを中心としたストーリーの作品が出てきて、興味を持ち始める人も増えてきました。

そういう媒体から少しでも興味を持ち、吹奏楽と管弦楽の楽しさや高揚感などをもっと感じたい人は、やはりコンサートに行くことが一番いいですね。

コンサート

純粋に楽器たちの音ひとつひとつに魅力を感じられますし、コンサートホールでの残響や無音の“間”すらも音楽なのです。普段皆さんが行っているであろうポップス歌手のライブでは感じることのできない空気が魅力です。

吹奏楽、管弦楽の重厚で華やかな音楽の世界に興味がある方はコンサートに一度行ってみてはいかがでしょうか?