あだ名「石川プロ」が「石川P」になった軌跡
出典:youtube ©imasanime
TVアニメ「アイドルマスター SideM」 | しゅーろくごー!さいどえむ!(第8話)より
アイドルマスターシリーズで本来ユーザーの立ち位置にあたるプロデューサーには名前がありません。
そのため、赤羽根健治さんや武内駿輔さんなど、そのシリーズでプロデューサーの声を務めた声優さんの名前を取って、キャラ(時には声優さん自身も)は「赤羽根P」「武内P」などの愛称で呼ばれています。
ここからは、アイマスシリーズの一ファンであった石川さんが、本当に「石川P」と呼ばれるまで、そして「石川P」となったその後について追いかけました。
▷▶「石川プロ」が「石川P」になるまで
アニメ「アイドルマスターSideM」のプロデューサー役はオーディションで選ばれたという石川さん。
自分の芝居を「わりとクセの強い役者」「何をやっても息の語尾の抜け方や主張が激しい」と冷静に分析した彼は、最初のテープオーディションの時点で「あ、ちょっと僕の声ではやばいかも」と思ったんだそう。
しかし、アイドルマスターは石川さんにとって、前に踏み出す勇気をくれた大切な作品。この役を絶対に勝ち取りたいと考えた石川さんは、あえて自分の個性を消す―「石川感」を消すという秘策に打って出ます。
この作戦は功を奏したようで、当時彼のオーディションに携わった鳥羽洋典プロデューサーは後日そのことを振り返り、
「元々石川くんがアイマスを好きな事は知っていた。お芝居も声も知ってたし、本人は(アイマスが)好きって言ってくれているから(オーディションを)受けてくれて嬉しいけど、ちょっと今回はどうかな?と思っていたところにその声を出してきたから、『これは本気だな』と思った。」
出典:©2017年12月13日開催 『アイドルマスター SideM』Blu-ray&DVD発売記念イベント「Pの集い」より
と語っています。
そしてその後スタジオオーディションに進んだ石川さんは、PRタイムに苦戦。
てっきり自分の趣味や特技について質問されると思っていた石川さんですが、実際は彼のアイマス好きを知ってくれてくれたスタッフの方が、『このプロデューサー役を受けるにあたってどのような心構えをしてきましたか』という質問を投げてくれたんだとか。
「このプロデューサーという役は、我々役者からするとかなりかけ離れている役で、すごく客観的な立ち位置にある。
我々の身近にいる人間で言うとマネージャーになるんですけども、そのマネージャーが一体どういう心持ちで我々のマネジメントをしているのか。そしてそのマネジメントのやりがい、そしてそこに至るまでの過程っていうのを、他社のマネージャーだったり、自社のマネージャーだったり、担当のマネージャーじゃない人に聞いてみたりとか、いろいろなことをしてやはり、『輝く者の2、3歩後ろを歩くことができる人』がプロデューサーにふさわしいのではないでしょうか。」
出典:©2017年12月13日開催 『アイドルマスター SideM』Blu-ray&DVD発売記念イベント「Pの集い」より
オーディション当日はこのような答えを返したという石川さん。
彼の溢れんばかりの情熱もあってか、今回見事プロデューサー役を射止めました。
理由あってファンから本業に!「石川P」のその後
出典:youtube ©imasanime
TVアニメ「アイドルマスター SideM」 | しゅーろくごー!さいどえむ!(第8話)より
ここからは石川さんが「石川P」となったその後にフォーカス!
これを見ると、石川さんは石川Pになるべくしてなったと言っても過言ではないほどの高い分析力でアニメやキャラクターたちを見ていることがわかります。
▷▶アニメを観て
晴れて「石川P」に声をあてることになった石川さん。
その後の彼は「一人のアイマスファンとしての自分」と「『石川P』を演じる自分」を使い分けているような印象を受けます。
アニメを見た時の感想は、まさに彼がアイマスファンだからこそ生まれたもの。
「これがアイマスだと!!!アイマスやんけ~!!!と思いましたね。一辺倒にキャラが魅力的なだけじゃなくて、キャラが合わさることによってそこにドラマが生まれて、そのドラマによって人が惹きこまれていく。この感覚こそがアイマスだ!と思って。一話嬉しかったあーー!!」
出典:©2017年12月13日開催 『アイドルマスター SideM』Blu-ray&DVD発売記念イベント「Pの集い」より
「今までのアイドルマスターのストーリー性だとか、アツさみたいなものが入りつつも、アイドル各々の個性が既に立って来ている。すごくわかりやすい一話で入りやすいですよね」
出典:©2017年10月7日配信 『アイドルマスター SideM』放送開始記念ニコ生「「P@SSION NIGHT」」より
「アニメになった時の魅力って、キャラとキャラの掛け合いが生まれること・キャラの可能性が広がることだと思うんですね。で今回そのきっかけを作ってくれたのは柏木翼。
彼が心情を吐露するシーン(第3話)は、今までのおだやかな柏木さんから徐々にキャラを抜け出して、また新しい柏木さんになった。あの時の感覚!うわあ~!って。今までのアイマスを見ていてもそうでしたし、入ってきたんだなって感じでしたね。」
出典:©2017年12月13日開催 『アイドルマスター SideM』Blu-ray&DVD発売記念イベント「Pの集い」より
「S.E.M回(第5話)は僕にとっては予想外で…予想だとやっぱりギャグに振る―たけのこダンスとかもインパクトありますし、ライブも見させていただいているので、それを見てると面白くなるのかなって感じで、実際面白かったんですけど。
やっぱり硲さんの覚悟であったりとか、それを脇から支えている二人であったりとか、そういう『人』が見えますよね。アイドルも人なんだって。
熱意、メッセージ性を持ってこのステージに立って、皆にエンターテイメントを届けてるんだっていうのが見えるってやっぱ素敵だよなって改めて思いました。」
出典:©2017年12月13日開催 『アイドルマスター SideM』Blu-ray&DVD発売記念イベント「Pの集い」より
しかし、プロデューサーを演じる上では、『石川P』としてどこまでも公平にいようという彼の意識が感じられます。
「石川個人としての感情をなるべく消すっていうのはそうなんですけど、大前提としてなるべく客観にいようと思って。
今回のプロデューサーってわりと客観的じゃないですか。今まで(のアイマスシリーズのプロデューサー)は、問題が起こったら自分が奔走して云々…っていうところがあったのが、今回はアイドルたちに一任してみて、自分はお茶買ってきましすねって引いてみたりして、わりと大人としてアイドルを扱っているので…もちろんアイドルの子たちが年齢が高めっていうのもあるんですけど。
なるべく関わり過ぎない。だからといって我を通さないわけではない。いわゆる芯の強さと、ちゃんと引くところは引くっていうのを意識して演じてはいます。」
出典:©2017年12月13日開催 『アイドルマスター SideM』Blu-ray&DVD発売記念イベント「Pの集い」より
また、石川Pが担当している315プロ所属アイドルについては、
・ピエール
「動きがつくことによって彼の純粋無垢さが浮き彫りになるんですよね。彼のあの可愛さっていうのは何も知らないからこそ生まれるもの。いわゆる子犬であったりとか、赤ちゃんであったりとかを見た時に、人間は保護したくなるんですね~」
出典:©2017年12月13日開催 『アイドルマスター SideM』Blu-ray&DVD発売記念イベント「Pの集い」より
・High×Joker
「彼らの魅力っていうのはやっぱり等身大であることなんですよね。
そこに大人っぽい『包み隠す』とか『遠回しに何かを表現する』っていうものがなくて、すべての言葉がストレートで、すべての感情がまっすぐっていうことが魅力なんですよね。」
出典:©2017年12月13日開催 『アイドルマスター SideM』Blu-ray&DVD発売記念イベント「Pの集い」より
と話しました。
先程までの大興奮した様子から一転、SideMのアイドルについては冷静に分析し、語りだす石川さん。彼には他の声優仲間も
寺島さん「すっごいプロデューサー」
仲村宗悟さん「ちゃんとプロデューサー」
赤羽根さん「SideMを語る時はプロデューサーになる」
と口々に感心の一言。
共演者もプロデューサーを演じる彼を心から信頼しているようです。
"ファンだからこその重圧、「石川界人」だからこそ任せられる安心感"
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