日本一美しい背景!新海誠監督作品
新海誠監督作品といえば、誰もが一瞬で引き込まれるその背景美が何よりの魅力といえるでしょう。
『秒速5センチメートル』や『言の葉の庭』をはじめ、作品を紹介するうえで欠かせない『背景』は、日本一美しいとも賞賛されています。
そんな背景のなかでも新海誠監督がとくにこだわっているのは空。
空のある風景では、ライティング(太陽光)がポイントになっています。
実際に描く太陽の数はひとつですが、様々な位置から太陽の光が当たっているように描かれているのです。
一番綺麗な空の時間帯と一番綺麗な地上の時間帯をミックスして描くことで写真をも越える圧倒的な背景美をつくりだしています。
ビルや建物などの地上物ももちろん大事で、これがないとドラマとして成り立たないわけですが、その中にふと空だけの描写を挟むことで空も、街並みも生き生きとしたものに感じられます。
RTのユニカビジョンは、歌舞伎町からまっすぐ前方に見える街頭ビジョン。僕はここが好きで、『君の名は。』でも数カット登場させています。そのユニカビジョンの劇中映像が、現実のユニカビジョンで流れる!嬉しいです。 pic.twitter.com/KL22eWgR7N
— 新海誠 (@shinkaimakoto) 2016年8月25日
出典:©Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
新海誠(@shinkaimakoto) twitterより
また、新海誠監督の作品ではお馴染みとなっている電車シーンや新宿付近の街並。これはこの付近が新海誠監督自身の生活圏であるからというのも有名ですね。
「自分が普段歩いているような、生活実感がある風景の中で物語を展開したかったんです。例えば外堀通りとか、近くの階段とか、坂道とか、そういった僕の好きな東京の風景を知ってもらいたかったという気持ちの方が大きいかもしれません」と語っています。
同じ理由で、電車のシーンが必ずといっていいほどこれまでの作品で登場するのも、監督が電車が走っている風景や電車のある風景にキャラクターを立たせるのが好きだからだそうです。
<出典:http://iitokoronet.com/2016/04/24/post-9202/>
目的の違う人たちがひとつの場所に集まって、別の場所に移動する。そんな情景が好き。と語る監督ですが、そんな日常的によく目にする風景がリアルに描かれることで生まれる現実感と物語自体のファンタジー要素が絶妙に組み合わさり視聴者の心を掴んでいるのかもしれませんね。
ちなみに、今回の『君の名は。』のモチーフになったのは、古今和歌集に書かれた小野小町のうた。
「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせばさめざらましを」
これは、「好きなあなたを夢で見た、夢だと分かっていたならば目覚めなかったのに」という意味が込められていて、他にも「とりかへばや物語」や「らんま1/2」など入れ替わりや夢のなかなどのテーマの作品がモチーフになっています。
新海誠監督は昔話や古今和歌集、神話などを最近はよく好んで読むことが多く、自身の物語をつくる際にヒントにしているそうです。
<出典:http://kirikazuto.blog.fc2.com/blog-entry-61.html>
すべての作品には共通して真っ直ぐでピュアなイメージを感じますが、登場するキャラクターや作品そのものから伝わる真っ直ぐな気持ちを目の当たりにすると、自分自身と重ねて悔しくなったり、励まされたり、元気が出たり、本当に色々な感情にさせられますね。
監督は、10代や20代の頃に自分の作品を観たら、「こういう風に生きたい」とか、「励まされた」といったような作品を作りたいと話しています。
"主演の神木隆之介さんは新海誠監督の大ファン!"
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