雪組トップスターに・望海風斗の軌跡、これから開く“ひかりふる路”

主演までの長い道のり、幅を広げた中堅時代

新人公演卒業後、本公演でも様々な活躍を見せていますが、バウホールの初主演までの道のりは長かったです。

先述した朝夏まなとさんのバウホール主演作「BUND/NEON 上海 -深緋(こきあけ)の嘆きの河(コキュートス)-」や「CODE HERO」では2番手。

どうして主役が回ってこないのか…、ファンもご本人もやきもきした時期ではないでしょうか。

しかし、本公演では実力派だからこその稀有な体験も重ねています。

2010年の「虞美人」では桃娘という娘役。スパイ的な役柄だったので、男役ならではの凛々しさも活かされ、好演していました。

また、得意の歌を活かして、ショーでエトワールを務めたことも。実力を遺憾なく発揮し、存在を確かにアピールしていた望海さん。

2012年の「Victorian Jazz」でようやくバウホール公演で初主演します。
望海風斗出典:©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ タカラヅカ・スカイ・ステージ「Victorian Jazz(’12年花組・バウ・千秋楽)」より

そして2013年「オーシャンズ11」では主役の敵役、テリー・ベネディクト役。

ダークな役は望海さんの得意とするところ。この役柄で、スターとしてのし上がっていることを確かに証明しました。

そして2014年の「エリザベート」ではルイジ・ルキーニ役。
望海風斗出典:©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ TCA ブルーレイ・DVD&CD「花組『エリザベート―愛と死の輪舞―』特集」より
歌と芝居の実力に加え、たっぷりの貫禄で客席を魅了! 「早くトップの姿を見たい!」と思わせるスターの1人となりました。

望海風斗の本領発揮、充実の2番手時代

圧巻のルキーニ役を最後に、雪組に2番手として組替えになった望海風斗さん。

伝説となった雪組トリデンテ(早霧せいな・咲妃みゆ・望海風斗)の1人として、人気を不動のものとしました。
望海風斗 早霧せいな 咲妃みゆ出典:©宝塚歌劇団 公式HP 雪組公演『私立探偵ケイレブ・ハント』『Greatest HITS!』より
この2番手時代、「ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!-」のカリオストロ伯爵、「るろうに剣心」の加納惣三郎など、主役の早霧さんの敵役となることが多かったのです。

しかし、花組時代も、悪役や黒っぽい役を演じることが多く、異色の存在を魅力的に見せることは望海さんの得意分野。どっしりとした芝居で、主役を引き立て、とても充実の2番手時代であったのではないかと思われます。
望海風斗出典:©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ TCA ブルーレイ・DVD&CD「雪組『るろうに剣心』特集」より
「星逢一夜」の源太役は、主役の幼馴染役。最終的に敵役となってしまい、斬られてしまうシーンがあり、涙なくしては見られない芝居を披露してくれました。

早霧さんの退団公演「幕末太陽傳」では高杉晋作役。早霧さんとちょっとした友情を確かめ合う場面もあり、物語に彩りを添えました。

そしてようやく、トップスターとしての道が開かれることとなりました。

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