ZB1『SLAM DUNK』演出が賛否。漫画のオマージュ?パクリ?韓国でも議論に

2025/07/28
ZB1『SLAM DUNK』演出が賛否。漫画のオマージュ?パクリ?韓国でも議論に

2025年7月、K-POPグループZEROBASEONE(ZB1)の新曲『SLAM DUNK』が公開されると、日本の人気漫画『SLAM DUNK』を想起させる演出が話題に。

バスケがテーマとはいえ、「ここまで似せる必要あった?」という声がSNSで噴出。

本記事では、ZB1『SLAM DUNK』の問題となった演出をまとめ、ファンの反応を紹介します。

なぜ炎上したのか?漫画『SLAM DUNK』との類似点

ZB1の『SLAM DUNK』は、タイトルの通りバスケットボールをテーマにした楽曲ですが、MVやプロモーションの細部に、漫画ファンが「これって…」と引っかかるような演出が多く含まれていたことで注目を集めました。

一見すると、あくまでバスケをモチーフにした一般的な演出にも見えます。しかし、漫画『SLAM DUNK』の文脈を知っている人にとっては、意図的な引用のように見える部分も多かったのです。

主な演出内容

引用元: YouTube 公式MVよりキャプチャ
  1. 赤いバスケユニフォーム姿のメンバー
    • 赤×白のカラーリングは、スラムダンクに登場する湘北高校のユニフォームを彷彿とさせるもの。一般的な色合いとはいえ、タイトルと合わせて登場すると連想せざるを得ないという声が多数
  2. MV内で円陣を組むシーンにて、メンバーの手のひらに「No.1」の文字
    • 漫画では、マネージャーの彩子が宮城リョータの手に「No.1ガード」と書くという名シーンがあり、これを思い出したファンも多い
  3. 応援法動画にて「왼손은 거들뿐(左手は添えるだけ)」「불꽃남자(炎の男)」というセリフをファンに言わせようとする
    • 「左手は添えるだけ」は桜木花道の決定的な名台詞。「炎の男」は三井寿を象徴する表現として有名
  4. ポスターに書かれた『IT AIN’T OVER TILL IT’S OVER』
    • 一般的な英語表現ですが、バスケをテーマにした作品の中に登場することで安西先生の名台詞を連想するファンも

赤いユニフォームや、英語のフレーズなどは、バスケットボールというテーマの中では決して珍しいモチーフではありません。しかし、それらが「SLAM DUNK」というタイトルのもとで集約されたとき、漫画『SLAM DUNK』を強く連想させるものとなってしまいました。

とくに、応援の掛け声や手のひらに書かれた「No.1」といった演出は、漫画の中でも象徴的なシーンを思い起こさせるものです。「さすがにこれはやりすぎでは?」と感じた人が多かったのも、無理はないと言えるでしょう。

韓国のオンラインコミュニティでも同様の指摘は相次ぎ、「これはもう漫画そのものでは?」「制作側は気づいてないはずがない」など、日韓問わず過剰な引用に対する違和感は共通していたようです。

ひっそりと削除された動画

そして、炎上が広がり始めた後、ZB1の公式YouTubeチャンネルからは、問題視された「応援法動画」がひっそりと削除されました。

にもかかわらず、削除の理由や経緯については、グループ側から一切説明がありません。

自覚があったからこそ削除したのでは? と感じたファンも多く、納得のいかないまま動画だけが消されたことに対し、「なぜ説明がないのか」と不信感を抱く声も相次ぎました。

過去にも炎上したKPOPアイドルの漫画コンセプト

2024年、TMA授賞式のステージでは、KISS OF LIFE(キオプ)の漫画『ONEPIECE』コンセプトのステージが賛否を呼びました。

問題視された演出ポイント

引用元: YouTubeよりキャプチャ
  • ステージ背景に登場した船のデザインが、ワンピースに登場する「ゴーイング・メリー号」と酷似
     → 特徴的な羊の首や帆の形まで似ており、一目で連想するファンも多かった
  • メンバーがそれぞれのキャラクターに寄せたような衣装で登場
     → 明確なコスプレではないものの、髪色・アイテム・衣装の組み合わせから特定キャラを連想させる構成に見えた
  • 海賊旗にグループのロゴがあしらわれていた
     → ドクロマーク+交差する骨+麦わら帽子、という漫画を象徴するロゴデザインに、グループのロゴが重ねられたようなビジュアルが使われた

KISS OF LIFEのこのステージ演出に関しては、公式からのコラボ発表や言及は一切なし。ファンからは「コラボなら嬉しいけど、これって勝手に使ってない?」「あの船、完全にメリー号のパクリじゃん…」という疑問の声が上がりました。

また、該当のステージ映像はTMAの公式YouTubeチャンネルから後に削除されましたが、主催者側からも事務所からも、騒動についての説明や反応は一切なし。

最後まで何の説明もないまま映像が消されたことで、ファンの間には釈然としない空気だけが残されました。

オマージュと盗用、その境界線は?

「どこまでがリスペクトで、どこからが盗用なのか?」これはいつの時代も創作をめぐる難しい問題です。

一般的には、

  • 著作物の固有表現をそのまま再現しているか
  • 商業的な文脈で収益化されているか
  • 元ネタの明示やクレジットがあるかどうか

などが判断基準とされます。今回のように、複数の象徴的モチーフを組み合わせた上で、作品への言及や許可の有無が不明なまま収益化されたケースでは、偶然として受け入れにくいと感じる人が増えるのも自然なことです。

まとめ

文化やジャンルを越えて、他作品からインスピレーションを受けることは、創作の世界ではごく自然なことです。

しかし、公式コラボと誤解されかねない演出元となった作品やファンへのリスペクトが感じられない態度が重なると、どれだけ「好意的なオマージュ」と主張しても、受け取る側の感情が揺さぶられるのは当然です。

とくに、日本のアニメは強い感情的なつながりを持つファンが多いコンテンツ。その象徴的な演出を借りるなら、敬意や配慮を示すことが求められるのではないでしょうか。

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