老舗V系専門店ブランドエックスが倒産…バンギャの聖地V系CD専門店は何が違う? – トレタメ

老舗V系専門店ブランドエックスが倒産…バンギャの聖地V系CD専門店は何が違う?

バンギャルにはおなじみV系CD専門店として約30年の歴史がある「ブランドエックス」が2019年5月に倒産しました。店主の矢田さんはV系バンドと幅広く交流があり、バンドマンのSNSやメディア多数登場していました。実際にお喋りをしたり写真をとったりしたことのあるバンギャルさんも多いのではないでしょうか。矢田さんは自身のTwitterで以下のように倒産を発表しています。

ブランドエックス店主矢田さんのTwitterより

「ブラエク」「ブラセク」といった愛称で親しまれたCDショップでしたが、CDが売れないこの時代に続けていくのは厳しかったのでしょうか・・・。ニュースを聞いて、バンギャルを卒業した方々も「あの頃」を思い出しきっとちょっぴり切なくなったことでしょう。

V系CD専門店とは?

V系に馴染みのない方にV系CD専門店をざっくりご説明しますと、その名の通り「V系のCDしかおいていないCDショップ」ということになります。CDショップというとタワーレコードやHMVなんかが有名ですが、大手のCDショップですからやはりメインはメジャーと言われる大手レコード会社から出ているCDを取り扱っています。

もちろんインディーズのアーティストのCDもありますしV系コーナーもあるのですが、ごく一部。殆どがインディーズレーベールに所属していて、事務所に入らずCDを自主制作しているバンドも多いビジュアル系シーンのCDはV系専門のCDショップでしか買えないことが多いのです。CD以外にも、バンギャルに人気のアパレル商品や小物を取り扱っていたり、ライブ情報を掲載する掲示板があったり、フライヤーが置いてあったりもします。ブランドエックスの他には、リトルハーツ、ジールリンク、ライカエジソン、自主盤倶楽部などが有名ですね。

V系バンドマンも必死?「インストアイベント」

そんなV系CD専門店の最大の収入源ともなっているのが「インストアイベント」です。アイドルシーンでもおなじみの「CDを買ったら握手とかができるあのイベント」です。ビジュアル系シーンではインストアイベントがV系CD専門店で主催される事が多く、CDの売り上げの殆どがインストアイベントによって生まれるといってもいいと思います。

「初回盤A+初回盤B ツーショットチェキ1枚」「初回盤+通常盤 サイン券1枚」「通常盤 握手券1枚」といったように、どのCDを何枚買うかで参加できるイベントが変わることが多く、バンドマンと沢山触れ合いたいファンは何枚もCDを買い、大きい紙袋に同じCDを大量に入れて帰るファンは珍しくありません。特にファンとの距離感が近いシーンですから、インストアイベントに多く行けば名前と顔を覚えてもらえるので「ライブよりもインストが好き!」という層も多いです。

CDが売れないと言われる時代に加え、他のジャンルに比べてファンの数が限られているV系シーンでは、少しでも多くCDを売るために殆どのバンドが全国各地のV系CD専門店を周り、インストアイベントを行っています。中には過剰とも取れるファンサービスをするバンドもあるそうですが、そういったことができるのも暗黙の了解…?バンドとファンの双方に理解のあるV系CD専門店ならではの現象かもしれません。

ビジュアル系よ永遠に

そうは言っても、ビジュアル系は日本ならではの音楽シーンでもあります。厳しい状況の中でも、個性を追求し技術を磨き、夢を追いかけているバンドはジャンル関係なく魅力的です。そんな彼らを支えてきたV系CD専門店も時代に合わせて変わる時なのかもしれません。日本音楽界独自の歴史がこの先も長く続いていって欲しいです。頑張れビジュアル系!!