<より、心情を重視した演出へ>
晴興の描かれ方が変わったことにより、望海風斗さん演じる源太の演技が変わったという印象を持つファンが多かったです。声色や表情が違うので、初演時とは違う”晴興の友人としての源太”という心情がより強調されていた気がしますね。
出典:©宝塚歌劇団
雪組公演『星逢一夜(ほしあいひとよ)』『La Esmeralda(ラ エスメラルダ)』初日舞台映像(youtube) より
また、咲妃みゆさん演じる泉が、晴興に伝える愛の告白場面の変更もありました。
総じて、主要キャスト3人の関係性が”直接口に出さずとも、心で伝わる”という形に変わっていたように感じます。芝居を得意とする3人だからこその挑戦的な変更ともいえますね。
<キャストによる違いも大きい>
その他、キャスト変更による印象の違いも大きいと思います。
特に
・鈴虫(香綾しずる→真那春人)
・徳川吉宗(英真なおき→香綾しずる)
・貴姫(大湖せしる→桃花ひな)
の3人は、物語に新鮮な印象を与えてくれています。
初演の記憶が新しいからこそ、比較して何度も味わうことのできる再演となったのではないでしょうか。
ちなみに、早霧せいなさんは前回の映像を観た際に、子ども時代に反省点を覚えたそう。そこで、お正月に九州に帰省した時に九州の子どもたちを観察して研究を重ねたそうです(笑)。
(エピソード出典:歌劇2017年2月号)
「Gratest HITS!」も中日版にさらなる進化を

出典:©宝塚歌劇団
雪組公演 『星逢一夜(ほしあいひとよ)』『Greatest HITS!』公演ページ より
初演時は「星逢一夜」で浮かんだ涙を併演のショー「La Esmeralda」が吹き飛ばす、という構成でした。この相反する2作のコラボだったからこそ、リピーターになってしまった方も多いのでは?
そして、中日劇場版では「Greatest HITS!」がブラッシュアップされて客席を大きく賑わせています。つい年末まで公演されていたショーの再演ですが、こちらも大きく変わっています。「ゴースト・バスターズ」はしゃちほこを持って登場しますし、中詰めのクリスマスメドレーは、熱く激しいラテンの場面へ。
夏の空気を感じる「星逢一夜」と、熱いラテンが加わった「Greatest HITS!」の2本立てを真冬に観るというのもオツなものですよね。
ただ、惜しむらくはDVD等の発売がない可能性が高いということ。
宝塚においては、主演コンビが同じ作品の再演の場合は、円盤化されないのが通常だからです。
(例:博多座公演「銀河英雄伝説」「宝塚をどり/明日への指針/TAKARAZUKA 花詩集100!!」「王家に捧ぐ歌」など)
ここまで大きく印象の変わる2作ですから、映像で見られないというのはつらいですよね…。約1年後のCSスカイ・ステージでの放送を待ちましょう。
中日劇場を終え、早霧せいな・咲妃みゆの雪組はいよいよラストステージへ
出典:©宝塚歌劇団
雪組公演『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)』『Dramatic “S”!』制作発表会 パフォーマンス(ノーカット) より
中日劇場公演が終わると、いよいよ次の舞台は早霧せいなさん・咲妃みゆさんのラストステージ「幕末太陽傳 / Dramatic “S”!」です。
「星逢一夜」の再演や、若手公演「New Wave 雪」を見ても分かる通り、雪組は充実期のまっただ中です。記憶に残る、素晴らしい舞台を見せてくれるに違いありません。
著者:海野りんご