銀杏BOYZ『DOOR』(前編)
01.十七歳(・・・cutie girls don’t love me and punk.)
筆者が中学生の時に、某レンタルショップで『DOOR』を借りてきて、一番最初に聴いた曲。
「音量でかすぎ!」と反射的に停止ボタンを押したのが始まりでした。(銀杏ファンであれば経験があるはず)
もしあの時、あのまま銀杏BOYZを聴くことをやめていたら……もう少し立派な大人になっていたかもしれません。
02.犬人間
「銀杏BOYZあるある」かと思いますが、ぐちゃぐちゃに叫び散らしている曲であっても、意外にサビのメロディーが綺麗、というパターンが多いです。
「犬人間」もあまり話題になる曲ではありませんが、何度も聴いているうちにサビの旋律が癖になり、思わず口ずさんでしまいます。疲れている時は特に。
03.日本発狂
うるさい曲がまだまだ続きます。ライブでは定番の曲で、峯田さんがヨダレを垂らしながら歌っている姿が目に浮かんできますね。
サビの最後の決め台詞(?)として「満月が焼きリンゴにみえる」という歌詞があります。中学生の頃の筆者は「焼きリンゴ」を食べたことがありませんでした。でもめちゃくちゃ甘い味を想像して、峯田さんとはまた別の意味でヨダレを垂らしていました。
04.援助交際
伝説の4曲目「援助交際」。中学生だった筆者が初めてあのサビを聴いた時、あまりの美しさに涙がこぼれました。ビートルズとブルーハーツ以来の衝撃でした。こんなにうるさくて美しい音楽が存在していることに、心の底から感動していました。銀杏BOYZと出会えたことに、ただただ感謝でした。
ちなみに筆者は好きな女の子ができた時、カラオケでこの曲を歌ってあげることにしていました。が、色々あってやめました。
05.メス豚
ひどい曲名ですね。こんな言葉を使ってはいけません。
でも、こんな言葉を使いたくなるほど、「女なんて嫌いだ!」と叫びたくなる夜も男にはあります。峯田さんはそんな情けないクズ野郎たちの気持ちを、この曲で代弁してくれたのでした。
06.あの娘は綾波レイが好き
「綾波レイ」の部分を、自分の好きなアニメキャラやアイドルの名前に変えて歌うこともできる優秀な楽曲ですね。
ちなみに銀杏BOYZ以降、歌の中で女性のことを「君」「あなた」「彼女」ではなく「あの娘」(あのこ)と呼ぶようになったバンドが増えたように感じます。気のせいでしょうか。1970~1980年代のフォークソングにもそういった傾向がありますね。
07.SEXTEEN
銀杏BOYZの楽曲のほとんどにあるポップさが、「SEXTEEN」にはありません。なので最初は退屈で、CDで聴いていても飛ばしていた記憶があります。
でもある時を境にして突然、この曲の魅力に気づくのです。ドロドロで混沌とした雰囲気が、無性に愛おしく感じる瞬間があります。
08.リビドー
曲中で奇声を発しているのは、「水中、それは苦しい」のジョニー大蔵大臣さん。何だか癖になります。
それにしても『DOOR』の前半は、ヤバめの歌詞が盛りだくさんの、普通の人からはドン引きされる曲ばかり。友達に気軽な感じで勧められる曲が見当たりません。それでもあえて一曲目から順々に聴いてもらうか、綺麗な曲が多い後半から聴いてもらうか……いつもいつも悩みます。