「プププランド」は関西を中心に活躍している神戸出身のバンド。
ギター・ヴォーカル・作詞作曲の西村竜哉、ギターのサモハン吉川、ベースの田中隆之介、ドラムの富田貴之の四人からなるフォーピース構成です。
誰もが最初に気にするであろうその名前「プププランド」は、ゲーム「星のカービィ」シリーズに登場する王国とまったく同じ名前。やはり「カービィ」シリーズは極めて有名なゲームであるため、名前についてはたびたびツッコまれるようですが、メンバーは「何のことです?」ととぼけているのだとか。
ちなみにサモハン吉川曰く、命名理由は「パ行が多い名前は言いやすくて覚えやすい」からとのこと。
プププランドは「ゆるふわロックバンド」と呼ばれており、フォークやカントリーの要素を取り込んだ柔らかなロックを奏でています。
ほのかに哀愁ただよう歌詞と穏やかでどこか懐かしい曲調が組み合わさって、ゆるくも切ない世界観を構築しているのです。
●プププランドのこれまで
プププランドは2014年に開催されたロックバンドのウェブコンテスト「RO69JACK(アールオーロック・ジャック) 2014年」に出場し、300を超える参加バンドの中からたった6枠しかない優勝枠を勝ち取りました。
この際アピールに使用した楽曲はインパクトのある題名とは裏腹に甘酸っぱいメロディが特徴的な「おっぱい」でした。
出典:©FOCHA 2014
【MV】プププランド『おっぱい』(youtube)より
こうして脚光を浴びたプププランドは、2014年11月26日に9曲収録の1stアルバム「BYE! BYE! BYE!」を、2015年6月10日にRO69 JACKでの使用曲「おっぱい」を含む5曲を収録した1stミニアルバム「いつでも夢を」をリリース。
中でも「BYE! BYE! BYE!」はタワーレコードスタッフが選ぶイチオシCDである「タワレコメン」の2014年11月分に選ばれています。
ちなみに一枚目のフルアルバムかつバンド初の全国流通盤なのに「バイバイ」という別れを告げるようなタイトルなのは、憧れのバンド「ストロークス」の初アルバムが「Is This It?(和訳:これなのか?)」というタイトルだったことから来ているそうです。
一枚目のアルバムにあえてそういうタイトルを持ってくるのも格好いいと思ったのだとか。
●プププランドの楽曲紹介、その切なくも爽やかなサウンド
プププランドの楽曲は十代の青少年を思わせるような青々しさで失恋をえがいた歌詞が多いのが特徴的です。
しかし、あまりリアルに寄せ過ぎずにわざと物語チックな歌詞世界を紡ぐことで、失恋ソングでありながらも聞きやすい楽曲に仕上がっています。
サウンドはフォークロックの影響を強く受けていますが、それ一辺倒ではありません。オールドファッションなロックンロール曲「ヘイガール、涙を拭いて」、疾走感がありながらも侘しいナンバー「ラスト・タンゴ・イン・元町」など、彼らの演奏するジャンルは多岐にわたっています。
しかし、その多岐にわたる楽曲すべてにおいて、どこか寂しくも心地よいメロディと共感しそうになる等身大の歌詞というプププランドの個性が貫かれています。
「BYE! BYE! BYE!」の口火を切る第一曲目「メトロ」はダンサブルなフォークロックといった構成。
出典:©FOCHA 2014
【MV】プププランド『メトロ』(youtube)より
どこまでも走っていくような軽やかなメロディと共に、メトロに乗ってどこかに行ってしまいたい、という悲しいようで却って前向きなようにも思える歌詞を歌い上げます。
プププランドに大きなチャンスを与えた楽曲「おっぱい」はスローテンポでほのかに甘酸っぱい曲調ですが、歌詞では少し生々しく青春時代の失恋をつづっています。そして何より、サビでその大胆なタイトルをコーラス付きで連呼するところが最大の特徴でしょう。
新進気鋭のゆるふわバンド、プププランド。
なんだか気の抜ける名前ではありますが、単なるインパクトだけのバンドではありません。
よくよく聞くと大変に切ない歌詞をさらりと明るいメロディに乗せて後味良く聞かせてくれる彼らのサウンドは、不思議と癖になってしまいます。その心地よいゆるふわサウンドに乗せられて、ゆるゆるとした時間を過ごしてみませんか?
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