麗しく鮮烈、宝塚歌劇の娘役の憧れ。歴代「エリザベート」役者達を比較!<前編>

すでに宝塚歌劇の定番となった感のある『エリザベート』。

現在では、ほぼ2年に1度のペースで演じられており、宝塚ファンはもちろんですが、それ以外の客層も呼び込める名作となっています。

最初に宝塚歌劇で上演されたのが、22年前の1996年。主役が死神トートであるという設定は、当時とてもセンセーショナルで話題を呼びました。
それを上回る、壮大でドラマティックな楽曲、宝塚歌劇との見事なマッチングもあり、何度も再演を重ねて宝塚の代名詞ともなりました。

そして、『エリザベート』といえば、タイトルロールでもある「エリザベート」役。大抵、トップ娘役が演じるもので、宝塚の娘役なら一度は演じてみたいであろうと思われる役です。

今回は、初演から歴代のエリザベート役についてご紹介。それぞれの良さやエピソードについて、お届けしていきます。

初演・1996年雪組 花總まり

雪組エリザベート出典:©宝塚歌劇団 宝塚歌劇団公式サイトより
1996年雪組トップスター一路真輝さんの退団公演となった初演の『エリザベート』。
当時、花總まりさんは一路さんの相手役でしたが、まだ若く幼い印象は拭えませんでした。ところが、実際にエリザベートを演じてみると、その研ぎ澄まされた美しさで、エリザベートははまり役となりました。

特に、1幕の終盤で、鏡の間から登場する美しさは衝撃的でした。

一路真輝さんの突出した歌唱力があったため、花總さんもそれに引っ張られて、どんどんエリザベートらしくなっていったのでしょう。
言わずもがな、花總さんの代表作となり、伝説のエリザベートが生まれたのです。

1996年星組 白城あやか

96年星組 エリザベート出典:©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ TCAオンラインショップ – 宝塚クリエイティブアーツより
雪組に次ぐ再演となった星組。トートをトップスターの麻路さきさんが演じ、エリザベートは相手役であった白城あやかさんが演じました。

一路真輝さんの小柄で神がかったトートに対して、麻路さきさんはダイナミックなビジュアルを生かした役づくり。
相手役の白城さんも当時としては大柄な娘役であり、積み上げてきた確かなキャリアで抜群の存在感を漂わせて、エリザベートを好演しました。

白城さんは、この公演が退団公演。最後に大輪の花を咲かせ有終の美を飾り、宝塚を卒業していきました。

その後、タレントの中山秀征さんとご結婚。4人のお子様に恵まれています。ブログなどで現在も顔出しされていますが、現役の時の艶やかさはそのまま。さすが、エリザベート役者です。
白城あやか出典:©白城あやか 2018年|白城あやかオフィシャルブログより
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