麗しく鮮烈、宝塚歌劇の娘役の憧れ。歴代「エリザベート」役者達を比較!<前編> – ページ 2 – トレタメ

麗しく鮮烈、宝塚歌劇の娘役の憧れ。歴代「エリザベート」役者達を比較!<前編>

1998年宙組 花總まり

20年前の1998年は宙組が誕生した年。それまでは花月雪星の4組だったのです。現在、当時をご存じない方も多いかと思われます。
宙組出典:©宝塚歌劇団 宙組20周年記念宙組HISTORYより
宙組お披露目公演 エクスカリバー出典:©宝塚歌劇団 宙組20周年記念宙組HISTORYより
当時の宙組は、4組から集まってきた精鋭メンバー揃い。月組2番手スターから昇格した姿月あさとさんがトップスターに就任し、2番手スターに雪組からの和央ようかさん、そしてトップ娘役に就任したのは1996年の初演でエリザベートを演じ、女王役者を不動のものとした花總まりさんでした。

1998年『エクスカリバー』『シトラスの風』でデビューを果たした宙組。
大劇場での2作目が『エリザベート』でした。当時、若きトップスターであった姿月あさとさんはどのようにトートを演じるのか、果たして若き宙組メンバーがきちんと『エリザベート』を演じきることができるのか…。ファン達の心配は尽きませんでした。

しかし、幕が開いてみるとまず姿月さんの歌唱力に大絶賛。当時の宙組スター達のスタイリッシュな舞台姿にも、賞賛が浴びせられました。そして何より、花總まりさんの高貴で一段と洗練された姿!! まさに神!!と言える公演でした。この時のバージョンが、宝塚歌劇のエリザベートを確かなものとしたと言っても過言ではないでしょう。
98年・宙組出典:©宝塚歌劇団©宝塚クリエイティブアーツ スカイステージ 9月の番組ラインアップより
初演も絶品の美しさだった花總まりさん。2年の時を経て演じられたこの時の舞台姿も、さらに大人っぽく美しく鮮烈な印象を残しました。素晴らしい舞台姿で伝説を上塗りしたことは言うまでもありません!
花總さんが宝塚在団中にエリザベートを演じたのはこの時が最後となりました。

そして、その後の宙組での活躍と宝塚歌劇団への功績は言わずもがな。退団は2006年でしたが、退団後に時を経て、2012年の『エリザベート ガラコンサート』に出演。2015年には帝国劇場で、文字通りタイトルロール『エリザベート』の主演を演じました。
帝国劇場ミュージカル エリザベート 花總まり出典:©Toho Co., Ltd. エリザベートCastページより
ここから、花總まりさんのミュージカルスターとしての扉が開いたと言っても過言ではありません。

今や、押しも押されぬミュージカルの女神は、エリザベートからチャンスをつかんでいたのですね。

2002年花組 大鳥れい

2002年花組エリザベート出典:©宝塚歌劇団 宝塚歌劇団公式サイトより
1998年の宙組公演の4年後。花組の新たなトップスター春野寿美礼さんのお披露目公演となった公演で、『エリザベート』が上演されました。

この時、エリザベートを演じたのが大鳥れいさん。1999年に愛華みれさんの相手役としてトップ娘役に就任していた大鳥さんは、演者としても円熟期にあり、情感溢れるエリザベートとして絶賛を浴びました。
大鳥れい・春野寿美礼出典:©宝塚歌劇団©宝塚クリエイティブアーツ スカイステージ 1月の番組ラインアップより
美しさよりは存在感が勝った強めのエリザベートとして、春野寿美礼さんの力強い歌声と対峙していました。

大鳥さんはこの公演で退団。エリザベートとして艶やかに咲き誇り、麗しい姿を印象付けました。

歴代、素晴らしいエリザベートばかり。今後、続々エリザベート役者達が登場します!

いかがでしたか? 宝塚歌劇でエリザベートを演じた娘役の紹介はまだまだ半分、やっと語ったくらいです。

後編では、さらに進化したエリザベート達に言及していきます!!

著者:すみれ文案