2018年8月24日から月組で公演されるミュージカル「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」。
1996年に日本で初演して以来、何度も再演を繰り返し、今や宝塚歌劇団を代表する作品の一つです。
そのため、再演されるたびにチケットは即ソールドアウト。注目度も抜群です。
そこで今回は、主役のトートを演じてきたトップスターさんたちを総復習してみたいと思います。生徒さんによって、役作りはそれぞれ。
過去の上演を振り返ることで、月組公演がより楽しめますよ。
では早速行ってみましょう!
1996年雪組・一路 真輝
出典:©宝塚歌劇団 宝塚歌劇Official WebSite “コスチューム”で語る『エリザベート-愛と死の輪舞-』の魅力 より
日本初演となった1996年の雪組公演。トートを演じたのは、歌唱力が魅力の一路真輝さんでした。一路トート&花總シシィが宝塚版エリザベートのベースを作ったと言ってよいでしょう。
初演のインパクトと抜群のキャスティングから、今でも1996年の雪組版が一番!というファンは多くいます。
はじめは、一路さんのサヨナラ公演ということもあり、“なんでサヨナラで死神の役なの?”と批判が多かったものの、いざ公演が始まると大人気に。
現在、トートのパレードの衣装は黒系が定番ですが、一路さんの場合は真っ白。サヨナラを意識した演出だったのではないでしょうか?
1996年星組・麻路 さき
出典:©宝塚歌劇団 宝塚歌劇Official WebSite TAKARAZUKA REVUE 『エリザベート』上演記録 より
初演の大ヒットを受けて同じ年に再演したのが麻路さきさん率いる星組。歌が苦手だった麻路さんは、かなりプレッシャーだったと当時のことを語っています。
そんな麻路トートは、色気が魅力。
繊細な手の動きやルドルフの棺桶の場面での所作は抜群!衣装も初演に比べ、少し華やかなデザインに新調されていたのが印象的です。
まだ麻路トートを見たことがない方は、とにかく見てください!クセになること間違いなし!
1998年宙組・姿月 あさと
出典:©宝塚歌劇団 宝塚歌劇Official WebSite TAKARAZUKA REVUE 『エリザベート』上演記録 より
3代目トートは、姿月あさとさんが演じました。当時、“骨太トート”とファンの間で言われていた姿月トート。
歌唱力もビジュアルも素晴らしく、安定感のあるトート像を作りあげました。あまり甘さがないのが姿月トートの特徴。
とにかく男っぽくてカッコ良い。
近年もガラコンサートなどでトート役を演じていますが、衰えしらずのビジュアルに時空の歪みを感じずにはいられません。
2002年花組・春野 寿美礼
出典:©宝塚歌劇団 宝塚歌劇Official WebSite TAKARAZUKA REVUE 『エリザベート』上演記録 より
春野寿美礼さんは、バランスの良いトートだったと言って良いでしょう。歌も上手く、ビジュアルも素敵。
シシィに拒否された時の悲しそうな表情が忘れられない、という方も多いのでは?
また、この公演から“私が踊る時”というナンバーが加わったのも印象的。
相手役の大鳥れいさんとの対等な信頼関係が見える良い公演でした。
2005年月組・彩輝 直
出典:©宝塚歌劇団 宝塚歌劇Official WebSite TAKARAZUKA REVUE 『エリザベート』上演記録 より
彩輝直さんのトートは、美しく妖しいビジュアルが売り。歌が得意なトップさんではありませんでしたが、とにかくビジュアルでねじ伏せられます!(笑)
また、エリザベートに瀬奈じゅんさんが抜擢されたのも話題になりました。
二人のバランスについては賛否両論ですが、「エリザベート」のバリエーションが増えたのは確かです。
2007年雪組・水 夏希
出典:©宝塚歌劇団 宝塚歌劇Official WebSite TAKARAZUKA REVUE 『エリザベート』上演記録 より
水夏希さんのトートは、ねっとり系。死の不気味さを思いっきり表現したようなトートでした。
水さんと言えば、ルキーニに渡すナイフを忘れてしまった、というエピソードが有名ですよね。仕方なくルキーニ役の音月桂さんは、エリザベートの首を絞めて暗殺することに…(笑)
[next_heading title=初演より7度目、瀬奈じゅんが演じるトート]