台湾のSNSがある一人の「令嬢」の話題で持ちきりになっています。
台湾国産車の象徴的存在である裕隆(ユーロン)グループの創業者、故・嚴凱泰(ケネス・イェン)氏の愛娘である嚴珮瑜(ミシェル・イェン)21歳です。

先日、彼女が自身のInstagramアカウントを公開したところ、そのあまりに豪華な私生活が話題に。しかし、ある「一枚の写真」がきっかけで、羨望の声は瞬く間に強烈な皮肉へと変わってしまいました。
なぜ彼女のインスタが今、台湾ネット界の猛烈なツッコミを受けているのか?その背景を解説します。
愛車は自社ブランドではなく「ベントレー」

これまで非公開だったミシェルのインスタグラムが解禁されると、そこにはまさに「上級国民」のキラキラした生活が広がっていました。しかし、ネット民が鋭く反応したのは彼女がハンドルを握るドライブ中の写真です。
彼女が乗っていたのは、父が強い情熱を注いだ自社ブランド「ラクスジェン(納智捷)」ではなく、イギリスの超高級車「ベントレー・コンチネンタルGT」。その価格、現地価格で約1,800万台湾元(日本円で約8,000万円超)です。
これに対し、台湾のネットでは以下のようなコメントが殺到しました。
「創業者の娘ですら自社の車に乗るのを拒否するのか」「台湾の自動車産業70年の悲劇だ。結局作り出したのは富豪の一家だけ」「SNS上だけでも自社の車に乗る演技はできなかったのか?」
なぜこれが台湾で「大ニュース」なの?

このニュースが台湾で大きなトレンドになっている背景には、「裕隆グループ」という企業の特殊な立ち位置があります。
裕隆グループは、かつて日産自動車とも提携していた台湾自動車産業の象徴です。特に亡くなった父・嚴凱泰氏は、「台湾独自のブランド車を作る」という夢を掲げ、自社ブランド「ラクスジェン」を立ち上げたカリスマ経営者でした。
父の葬儀の際、当時高校生だったミシェルは「いつか免許を取ったら、パパの車(ラクスジェン)に乗って会いに行くね」という感動的な手紙を読み上げ、台湾中が涙しました。
それから数年後、公開された姿が「パパの車」ではなく「8,000万円のベントレー」だったため、「あの感動を返せ」「言っていることとやっていることが違う」という強烈なギャップとして受け取られているのです。
火に油を注いだ「過去のスキャンダル」

実は彼女が批判されるのは、これが初めてではありません。この「ベントレー騒動」がこれほど大きくなった背景には、2023年のスキャンダルも影響しています。
当時、彼女は自社(裕隆グループ)傘下のバスケットボールチームの選手・吳季穎(ウー・ジーイン)との極秘交際が報じられました。
しかしその後、吳選手に賭博・八百長疑惑が浮上。加えてさらに衝撃的なニュースが駆け巡ったのです。
報道によると、彼女は亡き父の形見である高級時計「オーデマ・ピゲ(AP)」2本(数千万円相当)を、愛の証として吳選手に渡したとされています。しかし、なんと彼がそれを換金してしまったという疑惑が浮上。裕隆グループの上層部は激怒し、慌てて時計を買い戻したと噂されました。

この件について、吳選手本人は「時計は売っていない」とSNSで否定。裕隆グループ側も「二人はただの友人として出かけただけ」とコメントを発表し、事態の沈静化を図りました。
しかし、結局その後に吳選手は八百長問題で球界を追放。「会社のお嬢様が自社チームの選手に入れ込み、会社が尻拭いをした」というまるでドラマのような一件が人々の脳裏に焼き付いているからこそ、今回のベントレー写真も「また創業者の顔に泥を塗るのか」という文脈で捉えられてしまっているのです。
まとめ:本人の反応は?
この騒動に対し、ミシェル本人はSNS上で直接反論することはなく、自身のニュースを取り上げた一般人の投稿に「ミーム画像」を貼って反応するなど、あくまでマイペースを貫いています。
台湾の自動車産業を背負った父と、その遺産でセレブ生活を送る娘。台湾の人々にとっては少しほろ苦いニュースとなっているようです。