美麗PVがついにアニメに・・・『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
最後は1月10日より放送がスタートする『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。
出典:©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会 アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』PV第4弾より
💡見どころポイント
1.名クリエイター×次世代スタッフで王道SFファンタジーに挑む
2.圧倒的すぎる美麗作画・・・丁寧につくられた美しすぎる世界観
3.京アニ大賞、唯一の大賞作品!美しい世界で緻密に鮮やかに描かれる群青劇
1.名クリエイター×次世代スタッフで王道SFファンタジーに挑む
昨年2017年は映画の年ということで人気タイトルの劇場版作品を公開していた京都アニメーション。そんな京アニのおよそ1年ぶりのTVアニメシリーズとなるのが『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』です。
メガホンをとったのは「境界の彼方」で監督デビューした石立太一さん。近年では映画「聲の形」の演出や原画チーフとしても活躍していましたが、監督としては「境界の彼方」以来ですので、それだけ長い間この作品の映像化のために準備してきたのでしょう。
一瞬で釘付けになる美麗なキャラクターデザインを担当したのは高瀬亜貴子さん。「響け!ユーフォニアム」など京アニ作品の作監・原画としても活躍していましたが、キャラクターデザインはこの作品が初めてです。
TOKYO MX1での第九回放送、ご視聴いただきありがとうございました!第九回作画監督の高瀬亜貴子さんのイラストコメントです! #anime_eupho pic.twitter.com/m6nDAFWpuY
— アニメ「響け!ユーフォニアム」公式 (@anime_eupho) November 30, 2016
そしてシリーズ構成を手がけるのは「けいおん!」「ガールズ&パンツァー」など人気作を手掛けてきた吉田玲子さん。世界観設定には「ストライクウィッチーズ」でも知られる鈴木貴昭さんがクレジットされていて、ミリタリー色の強いSF作品を得意としているだけに、まさに適任と言えるでしょう。
さらに注目したいのが、シリーズ演出に「響け!ユーフォニアム」の第8話おまつりトライアングルの絵コンテ・演出を務め話題となった藤田春香さんが参加されているところ。
出典:©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 TVのアニメ『響け!ユーフォニアム』第8話より
このエピソードはアニメ放送当時に特に注目を集めた話数でしたが、魅せ方やカットの割り方が繊細で、細かいキャラクターの表現もしっかりと、けれどテンポもよく演出していて、とくに登場人物の感情をシーンに乗せるのが上手いなあと個人的には思いました。いい意味でこれまでの京アニ作品らしくない斬新なカットもつくることから「京都アニメーションの次代を担う」とまで言われた新星演出家です。
すでに公開されているスタッフだけでも、名クリエイター×京アニの次世代を創るメンバーがクレジットされていることからも、「京都アニメーションの未来」を背負って、勝負を仕掛けているような気がしますね。
2.圧倒的すぎる美麗作画・・・丁寧につくられた美しすぎる世界観
原作小説のCMやアニメの先行PVでも注目が集まった美麗な作画。小説として文字で綴られた物語の世界観を丁寧に描き出していて、とても鮮やかなイラストはどの瞬間を切り取っても絵になります。
女性スタッフが多いからこその柔らかく、繊細なイラストは京アニ作品の大きな魅力のひとつ。ですがこの作品は、原作のイラストをそのまま拾ったようなキャラクターデザインで、ほかの京アニ作品と比べてもさらに線が細かいことがわかるかと思います。
出典:©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会 TVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』キービジュアル第2弾より
キャラクターデザインの時点でここまで細かいと原画チームが拾うのも相当苦労したのではないでしょうか。実際、2015年から放送されていた原作小説のアニメーションCMは、すべてが手描きであの30秒のためにおよそ1ヶ月も費やしたのだとか。そのこだわりと情熱にただただ驚いてしまいますね・・・。
柔らかくて繊細なイラストはとくに女性キャラクターが映えますね。登場する女の子がみんなかわいい!というのも京アニ作品の特徴ですが、可愛らしいだけではなく女性らしいという表現がしっくりくるようなこれまでの京アニ作品とはまた違う魅力を感じます。
3.京アニ大賞、唯一の大賞作品!美しい世界で緻密に鮮やかに描かれる群青劇
やはり注目したいのは作品の物語。
原作は2014年に行われた第5回京都アニメーション大賞・大賞受賞作品で、これまで8回行われた大賞のなかでも唯一の大賞作品。当時からアニメ化が期待され、2016年5月には原作小説の美麗なアニメーションCMが公開され話題を呼んでいました。
出典:©暁佳奈/京都アニメーション 「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 Violet Evergarden CMより
受賞から4年、原作の刊行からおよそ3年ものあいだ温められ、ようやくTVシリーズとして放送が決まりましたが、京都アニメーションがここまで本格的なSFファンタジーを手がけるのは久しぶりです。
原作は上巻・下巻の2部構成ですが、短編の1話完結のエピソードが連なり構成されていて、そのひとつひとつのエピソードで主人公・ヴァイオレット・エヴァーガーデンが少しづつ変化し成長していく物語になっています。アニメとして放送されるのがどのエピソードなのか原作ファンも楽しみにしていることでしょう。
また、上下巻で完結させるにはは少々詰め込みすぎているような印象を持ったという感想もありますが、アニメとして映像に落とし込むことで文章だけでは広がりきらなかった余韻や余白も生み出されると思うので、「アニメで化ける」作品かもしれませんね。
TVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
公式HP▶▷http://violet-evergarden.jp
公式ツイッター▶▷https://twitter.com/Violet_Letter
とりあえずでもいいから観ておきたい・・・各スタジオの情熱と信念に心動かされるはず!
出典:©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会 TVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』キービジュアル第1弾より
今回はは2018年1月より放送の『ダーリン・イン・ザ・フランキス』『宇宙よりも遠い場所』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の3作品の注目ポイントをご紹介してきました。
毎クール数十本ものアニメ作品が放送され、それぞれの好みや好きなキャスト、スタッフなどを見比べながら「どの作品を観ようかな」と考える時間はとても楽しいですよね。
以前、劇中音楽の記事(アニメ劇伴のススメ。買ってよかったサントラ(OST)CDを紹介するよ)を書いた時にもお話したのですが、個人的に「制作チームの情熱を感じる作品」というのは、ジャンルに問わず好きになることが多く、もちろんどのアニメ作品も長い年月、たくさんの方の素晴らしいお仕事があってこそ観ることができるわけで、簡単に「駄作」「凡作」なんて思うことはないのですが、ひとりひとりの力が「+」ではなく「×」になったとき、こんなにも素晴らしい作品ができあがるのか・・・と、もう好きとか良かったとかではなくただただ幸せだなあと思ってしまうのです。
まあそんなあとがきはさておき、各制作スタジオ・チームの本気と情熱が詰まったこの3作品、TVシリーズで放送できることに驚いてしまうほどに劇場版レベル並みの完成度!!
まずは「とりあえず」でもアニメ好きならきっと観て後悔はしないはず。
2018年も素敵なアニメとともにこの1年をスタートしてみませんか?