米ルイジアナ州グラント郡にある連邦刑務所の周辺で、禁制品の持ち込みをめぐる摘発が相次いでいます。
グラント郡保安官事務所の発表などによると、2026年に入ってから約10週間で、刑務所への禁制品持ち込みに関連して摘発された外部の人物はすでに10人に達したとみられています。
ほぼ毎週のように摘発が続いている計算で、その数の多さに注目が集まっています。
4万ドルの報酬とカラス型デコイ
2026年3月11日、テキサス州から訪れていた38歳と41歳の女性2人が逮捕されました。現地報道によると、2人はドローンとカラスを模したプラスチック製のデコイを使い、禁制品を刑務所内に運び込もうとした疑いが持たれています。

デコイの内部には、メタンフェタミンや携帯電話、マリファナ、たばこなどが隠されていたとされ、報酬として4万ドルが提示されていたとも報じられました。公開された写真では、黒いテープなどで補強されたカラス型の模型が確認されており、その奇抜な手口が大きな反響を呼んでいます。
見た目は大胆ですが、作り自体はかなり無骨で手製感の強いもの。そうした雑さも含めて、現場で繰り返されている持ち込みの実態を象徴する事例として受け止められています。
液体、菌類、そして空気砲まで
今回のカラス型デコイの事例は、あくまで一例にすぎません。グラント郡のこの刑務所では、ここ数か月のあいだにさまざまな手口が摘発されています。
2026年2月20日には、23歳の男が12ガロンのウォッカを持ち込もうとしたとして逮捕されました。報道では、これは2026年に入って8件目の摘発とされています。
また、2026年2月9日には、ミズーリ州から来た36歳の女が、時価2,300ドル相当のマジックマッシュルームと、約1万ドル相当のマリファナを持ち込もうとしたとして逮捕されたと伝えられています。
さらに2025年2月には、圧縮空気式の発射装置、いわゆるTシャツ発射用キャノンのような機器を使って、薬物やたばこを敷地内に撃ち込もうとした事例も報じられました。海外メディアによれば、このとき運び込もうとした物品の総額は20万ドル超にのぼったとされています。
なぜ挑戦が後を絶たないのか
これだけ逮捕が続いているにもかかわらず、なぜ次々と新たな持ち込みが試みられるのか。そこには、刑務所内で禁制品に高い需要があることに加え、成功すれば高額報酬が得られるという構図もあるのかもしれません。
表に出ているのは摘発されたケースが中心で、実際の全体像は外からは見えにくいままです。ただ、雑な工作に見える手口であっても実行に移す人が絶えないことを考えると、この場所がいまも「狙う価値がある」と見なされている可能性はありそうです。
グラント郡の連邦刑務所をめぐる攻防は、単なる珍事件として片づけられない広がりを見せています。次はどんな手口が現れるのか――そんな異様な緊張感が漂っています。