声…否、音のプロフェッショナル!
小岩井ことりさんの才能と努力
もともとPCには明るく、絵を書いたり、オンラインゲームなども楽しんでいたという小岩井ことりさん。
家にあるものや、譲ってもらった機材で遊んでいたりと外で遊ぶよりもPCで遊ぶ機会は多かったそうで、彼女が自宅で使用しているPCも自分でパーツから揃えてDTM環境に合わせて自作したもの!
彼女自身、『声優は音にかかわる仕事』と考えていて、声も音楽も区分けすることなく取り組んでいるそうですが、そもそも彼女がDTMやMIDI検定と出会うきっかけとはなんだったのでしょうか?
そもそものDTMとの出会いのきっかけは?
Guitar Rigかけるの楽しい~♪ pic.twitter.com/c1066rK2Ai
— 小岩井ことり (@koiwai_kotori) 2018年1月20日
デビュー当時はまだ関西にいた小岩井さん。まだ声優としての仕事はあまりなく音楽制作のお仕事をすることもあったそうです。
というのも、幼いころから家族で歌を作って遊んだりと「メロディーを考えて歌う」ということがすごく身近なものだったそうです。それがいつしか知り合いから依頼され、自分のつくったメロディーをピアノで弾いて渡すという作詞作曲のそれに近いものになっていたのだとか。
そんな音楽とは親しい関係にあった小岩井さん。小学生の時にピアノを習い、中高では吹奏楽部でユーフォニアムを担当。人数の足りない時にはフルートやトランペットなど色々な楽器に触れてきたそうです。
ちなみに吹奏楽アニメ、しかもユーフォニアムといえば「響け!ユーフォニアム」を連想された方も多いと思いますが、小岩井さんはTVシリーズのその後を新たな視点から描いた劇場版「リズと青い鳥」で吹奏楽部員のひとりとして出演されていて、2019年春に公開を控えるTVシリーズの完全続編「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」でも彼女の活躍が見られるかもしれませんね♪
話がそれてしまいましたが、本格的にDTMを始めたのは、セリフや歌の練習のためだったそうです。
声優になりたてだった頃、いざスタジオで収録!という場面で緊張してしまい思うように行かず思い悩んでしまうことがあったそうで、、まずは現場の雰囲気に慣れるためにと、なんと多くのスタジオで使用されるマイク(U87Aiというなかなか高価なもの)を衝動買い!この時点でなかなかの行動力ですよね。
また、小岩井さんは、「感覚で理解する」というのが苦手ないわゆる論理的思考型のタイプのようで、「どうしたら理想の声に近づけることができるのか」を突き詰めようとした結果、DAWを使えば『声の分析』を行うことができると知り、のめり込むように。
周波数帯域をグラフで表示させるスペクトラムアナライザを使い、理想の声の波形と自分の声の波形を比べながら音域を近づけていったり、自分の声の特徴を周波数など目に見えるもので表示させ分析などしていたそうです。
その結果、本人いわく「私の声はこもってるというか落ち着いている。キンキンするところが少なめ。周波数でいうと300Hzあたりが少ない声で、声優さんらしい抜けがいい声とは違うけれど、役柄によって使い分けるのには便利な声質だとわかった。」とのこと。
ボーカルを作るときにも曲調に合わせて、イコライザーという周波数を調整することのできる機器を通して細かくコントラストを加えているのだとか。
そんなことがひとりでできてしまう声優は、きっと世界中探しても彼女だけなのではないでしょうか。
先日のDTMステーションPlus!生放送のレポートがアップされていました!
iZotope SPIREを使った生レコーディング楽しかったです!
そして、実はマイクケーブルはORBを家から持ってきました!
PCのオーメンも持ってきてたし、実はこっそり私物博覧会でした(笑)https://t.co/BDq5yr51jV pic.twitter.com/FUi9nZuypR— 小岩井ことり (@koiwai_kotori) 2018年6月22日
また、声の分析だけでなく、声出しのための曲制作や発声練習用の音階をたどった音源データの作成など、声優の基礎練習メニューも自作していたそうです。
彼女が使用しているCubaseは、プロも使用しているようなもので、他のDAWと比べても打ち込みや作曲という面でとても優れたもです。
決して安くはないものですが、声優としてだけではなく、音楽制作を今後の活動の中心のひとつとして見据えていたからこその決断だったと思いますし、このことからも、野心家な一面が伺えますよね。また、音楽理論・理屈をしっかりと突き詰めたい人なのだなとも感じました。
自分のなかにある完成形や理想がしっかり見えていて、そこに近づけるために自分の持ち合わせてる武器すべてを使って分析・行動までができてしまうのだと思います。
「サウンドハウス(音響機器などを取り扱う業界最大手のネット通販)のサイトを見るのが好き」と集めの趣味を話していたり、「ブラックフライデーを毎年楽しみにしている」と購入品や気になるプラグインの話をいつものブログより字面だけでテンションが上がっているのがわかるほどに語っていたりと、『凝り性で始めたら決めたところまでは追われないタイプ』と本人が語っているのも、このDTMにまつわる話だけ聞いてもすんなりと納得できてしまいますよね。
作曲編曲する時は、大体前髪とめてるんですー。でへへ♪ pic.twitter.com/h6xKUPV2qo
— 小岩井ことり (@koiwai_kotori) 2018年8月4日
凝り性なところは、声優としての彼女の魅力にももちろん繋がるところがあって、役作りでも演じるキャラクターや作品への理解、掘り下げを人一倍されていることが、作品インタビューやアフレコ当時のブログ、イベントでのコメントからも伝わってきます。
ファン以上に作品を理解するというのは、言葉で言うほど簡単ではないと筆者は一アニメファン、一声優ファンとして感じていますが、それでも小岩井さんは「このキャラクターが普段どんなことを考えていて、こういう時にはこういう行動や言葉がでてくるだろうし、きっとこう思ったからだよね。」という組み立てが、感覚的にお芝居としてできてしまう人なんだと思います。それができてしまうのは、やはり才能だけでなく努力の人でもあるからだと強く思うのです。
本人は自身に対して『不器用なんです』と話していますが、決してそんなことはなくて、驚くほどに丁寧で誰よりも真摯なだけなのだと思います。