想像通り?想像以上?宝塚音楽学校のスゴすぎる入学試験&授業内容 – トレタメ

想像通り?想像以上?宝塚音楽学校のスゴすぎる入学試験&授業内容

2017/12/20

100年の歴史を持つ宝塚歌劇団。その舞台に立つ”タカラジェンヌ”になるためには、宝塚音楽学校に入学し、2年間みっちり芸事について学ぶ必要があります。

2017年には、松岡修造さんの娘さんが入学したことで、一般にも大きく注目されました。

でも、「誰でも入学できるの?」「有名人の娘じゃないと合格できないのでは?」「学校ではどんな授業があるの?」「軍隊のような生活だって聞いたけど・・・・」など、いろんな疑問が湧くのではないでしょうか。

いわば”下積み期間”ともいえる音楽学校生活は、謎のヴェールに包まれています。

今回は、知っているようであまり知らない宝塚音楽学校について、試験や授業内容をご紹介します。

【受験資格】与えられた4回のチャンスに挑む少女たち

宝塚音楽学校出典:©宝塚歌劇団 公式HP『第103期生 初舞台までの道のり』より
宝塚音楽学校の受験資格があるのは、入学時に満15~18歳で、中学卒業または高校卒業・在学中の容姿端麗な女性

つまり、中学3年生~高校3年生までの最大4回しか受験のチャンスはありません。

合格のタイミングによっては、中卒や高校中退という学歴になってしまうので、音楽学校では希望者に高校卒業資格取得サポートも行っています。

「東の東大、西の宝塚」と言われるほど、音楽学校に入るのは至難の業。年1回行われる入学試験には、国内外から1,000人を超える受験者が集まり、約40人の狭き門に向けてしのぎを削ります。

【試験編】”完成度”より、”荒削りな原石”を見る

宝塚音楽学校出典:©宝塚歌劇団 公式HP『第103期生 初舞台までの道のり』より
音楽学校の試験は、全部で3次まであります。

東京・宝塚で行われる1次試験では面接試験が行われ、決められた時間内で自己PRを行います。

2次以降は宝塚で行われ、2次試験では面接・歌唱・舞踊が見られます。

歌唱試験では、「課題曲」の歌唱で声量や声質、音程等を審査し、「新曲視唱」で読譜力が見られます。舞踊試験の課題は、当日音楽学校生が模範演技を行い、それに倣う形式です。

それをクリアして行われる3次試験では、面接と健康診断が行われます。3次面接では、一人ひとり違った質問が行われ、その場での対応力や人間力が問われます。

音楽学校の入学試験ということで、バレエや歌唱の”技術力”が見られている…のかと思いきや、試験では”ダイヤの原石”を見つけることが重要視されています。

技術的な面は音楽学校で磨くことができるので、そこにとらわれず、持って生まれた華や将来性の高さを見たいということでしょう。受験スクールもありますが、そこに通っていなくとも合格する可能性は十分にあるのです!

女優として大活躍されている天海祐希さんは、その容姿の華やかさが群を抜いていて、試験官が「お母さん、産んでくれれありがとう」と感謝したというエピソードがあります。

その前評判を裏付けるかのように、天海祐希さんは入団7年目にトップに就任。その記録は未だ破られていません。

【授業編】日舞、バレエ、歌、ダンス…一流の舞台人を育成するカリキュラム

20倍を超える競争を勝ち抜き、宝塚音楽学校へ入学したタカラジェンヌの卵たち。

予科・本科の2年にわたり、芸の道を学びます。指導するのは、劇団の演出家やOG、外部の指導者など。
宝塚音楽学校出典:©宝塚歌劇団 公式HP『第103期生 初舞台までの道のり』より
宝塚ならではの存在「男役」を教えてくれるのは、星組トップスターの紫苑ゆうさん!100年の歴史ある宝塚の美学がしっかり継承されます。

授業の幅も広く、バレエ・声楽・演劇・日舞・ボイストレーニング…など、あらゆる芸事をカバー。さらに、ピラティスや栄養学の講座も特別に開かれることがあるそうです。

これらの科目が月曜日~土曜日までびっしりと朝の9時から午後17時まで、間に10分間の教室の移動時間やお昼の50分休憩をはさんで組まれています。
宝塚音楽学校出典:©宝塚歌劇団 公式HP『第103期生 初舞台までの道のり』より
宝塚音楽学校は、実力主義の世界。成績上位者は、”委員”として同期をまとめ、牽引するリーダーシップも求められます。

本科生の2月には、音楽学校で学んだことの集大成として「文化祭」が開かれます。文化祭の前には、現役タカラジェンヌを講師に招き、宝塚ならではの「お化粧講習会」も行われます。

【日常生活編】学校生活から男役・娘役!上級生から礼儀作法を学ぶ

授業以外にも、音楽学校の日常生活はさまざまな特色があります。
宝塚音楽学校出典:©宝塚歌劇団 公式HP『第103期生 初舞台までの道のり』より
まず、ヘアスタイルから独特。
男役はリーゼントに、娘役はまとめ髪にします。

一般的に、男役/娘役は、身長167センチを基準にすることが多いようですが、どちらを選ぶかは本人の自由。途中で娘役から男役へ(もしくは逆へ)変わることもあります。

他にも、「予科生のときの登下校は2列縦隊で、本科生にあいさつをしながら」「校舎は分担して隅々まで掃除」「阪急電車を降りたら、最敬礼で送る」「お化粧はしない」「校内では、廊下の端を一列で歩く」など独特のしきたりがあります。これらの礼儀作法は、本科生から指導されるのも特徴です。

また、全国各地から生徒が集まるため、多くの生徒が寮生活を送ります。共同生活を送る中で、”家族以上”とも言われる絆が結ばれるのかもしれませんね。

授業でも日常生活でも、タカラジェンヌの卵として厳しい生活をおくる音楽学校生。その生活の一端を知ると、宝塚の舞台の奥行きが増すのではないでしょうか。

夢の世界へ、タカラジェンヌへの基礎を学ぶ音楽学校

宝塚音楽学校出典:©宝塚歌劇団 公式HP『第103期生 初舞台までの道のり』より
宝塚音楽学校は、一流の舞台人・自立した女性を育成する教育機関です。

3月に卒業すると、すぐに初舞台の稽古が行われ、例年4月の公演で「初舞台口上(袴姿でのごあいさつ)」と「初舞台ラインダンス」が披露されます。

一生に一度だけの、同期だけで宝塚のステージに立つ舞台。生で観劇すると、熱意と思い、未来への希望に溢れていて非常に感動的です。

また、音楽学校時代から公的な場でお披露目されることも多く、ファンはその時点で”青田買い”をすることも。

成長過程を応援できるもの、宝塚が長く愛されてきたヒミツのひとつかもしれません。

宝塚大劇場に行くと、阪急電車や劇場のまわりで音楽学校生に会うこともあります。その時は、未来のスターかな…と思いを馳せ、心の中でエールを送りましょう!