正月公演、そしてシェイクスピア没後400年メモリアルとして華々しく上演された宙組「シェイクスピア」。
華やかな場面の連続、役が多く下級生にまで優しい、そしてなにより物語の芯が通っているとオリジナルとして成功した作品でした。
【同期の絆が生み出した舞台】
こちらの新人公演も新しい時代を感じさせる才能にたくさん出会うことができましたが、中でも話題となったのが新人公演での主演、ヒロイン、そして夫婦であるふたりの間の息子の配役。
主要な役割となった三人それぞれを98期生が占めることになったのです。95期ブームの後は98期?という観測まで出るほどのその実力と、宙組で活躍するこの三人の魅力について紹介していきます。
【主演・シェイクスピアを演じたのは?】
まず主演のウィリアム・シェイクスピアを演じた瑠風輝さん。
透明感がある中にも中音域の声量が美しく、台詞回しも本来の彼女の持つ声が大劇場にあってもそん色ないほどの響きと流れるようなスタイル。
ウィルのテーマソングともいえる「Will in the world」は圧巻でした。
そして若い頃に父親に逆らう荒々しい場面は特に、迫真にせまるものとなっていました。
芝居のリズムや滑舌など改善ポイントはありつつも舞台上での度胸に観客も満足度が高かったようです。
【シェイクスピアの妻と息子を演じたのは?】
シェイクスピアの妻アン・ハサウェイを演じたのは遥羽ららさん。
品のある役柄が彼女の持ち味と見事に合っていて、シェイクスピアに対して「自分にはあなたがわからない」と訴える歌の時にも、その清純さが失われずザ・娘役!といった雰囲気。
華雪りらさんはこのふたりの間の息子ハムネットを演じています。
可愛らしい娘役が多い宙組でも逸材といわれる彼女。
この同期の母子のビジュアルはとても美しく古典劇の登場人物にふさわしい配役であったと改めて感じます。
【ハイレベルな公演を繰り広げる98期生に注目】
脇役を主要な実力ある上級生が固めていて公演はレベルの高いものに仕上がっていた「シェイクスピア」。
元々コーラスがハーモニーを得意とする宙組の中で経験を積んできただけあって、歌唱力は皆一様に絶賛されています。
ますます成長が期待できる98期たちのこれからの活躍も要チェックですよ!