今回は、宝塚歌劇団・専科の男役スターである「華形ひかる」さんをご紹介いたします。
~宝塚歌劇団の「専科」って?~
宝塚には、いわゆる花・月・星・雪・宙と呼ばれる五組のほかに、これら特定の組に所属しないタカラジェンヌさんがおり、その方々の集団を「専科」と呼びます。
一芸に秀でた方々が多く、年老いた役や超絶歌唱力を必要とされる、脇でしっかり舞台を固める「大御所俳優」的なポジションなのですね。有名処では轟悠さんなどで、主演男役として他の組の公演に特別出演したりしています。
かの有名な春日野八千代さん(劇団理事も務めた)も最後は専科に所属していました。そんな宝塚の専科には多くの芸達者なジェンヌさんがおられますが、その中の一人、「華形ひかる」さんは、1997年に宝塚音楽学校に入学した85期生です。
華形ひかるさんってどんな人?
東京都中野区出身、身長は168センチ。ちなみに入団当時は160センチ程で娘役志望だったそうですが、入学後に身長が伸び始めたとのことで男役を目指したそうです。愛称は「みつる」、ここまで聞けばお分かりになる方もおられると思いますが、芸名の由来はマンガ『巨人の星』の花形満だそうです。名前は響きの良さから「ひかる」にしたとか。
1999年に宝塚歌劇団に入団後、月組・雪組の『再会/ノバ・ボサ・ノバ』で初舞台を踏みその後花組に配属されます。2005年には『落陽のパレルモ』の新人公演で、当時のトップスター・春野寿美礼さんが演じた主役ヴィットリオに抜擢されました。
その後もバウホール主演などを果たし、専科所属になった2014年には大作『風と共に去りぬ』のアシュレを演じました。専科に配属された今も、演技派と呼ばれた繊細なお芝居と華やかなステージを変わらず提供し続けています。
~華形ひかるは「世界の彼氏」?~
華形さんのキャッチコピーとして知られているのが「世界の彼氏」。非常に目鼻立ちの整った華やかな容姿、舞台姿の凛々しさだけでなく、舞台の出待ちをしているファンなどに、「男言葉」で接したり、名前を覚えてあげたりと、まるで彼氏のような自然体な男らしさで接してくれるとか。
そんな理想の彼氏像を体現しているからこそ、多くのタカラジェンヌの中でも「世界の彼氏」と言われているのでしょう。 女性を虜にしてしまう「男役」という特別な存在。その中でも「彼氏」のような包容力でファンを魅了し続けていく華形さんは、選ばれた男役、専科の中のスターなのです。