「MeteoroiD(メテオロイド)」は2012年3月26日より活動を開始したヴィジュアル系バンドです。所属はVR LABEL。
「METEOROID」とは英語で「流星物質(流星雨などを引き起こす、小さな物質のこと)」という意味で、地球から見る流星のように少しでも美しい輝きを放ちたい、という願いが込められた名前です。
メンバーはノイズ(MeteoroiDではヴォーカルをこう呼称しています)の幻鬼、ギターの帝、マチ、ベースのraL、ドラムスの朋夜の五人。MeteoroiD結成前は幻鬼、raL、朋夜の三人でセッション形態のバンドを組んでおり、そこに他のメンバーが加わる形でMeteoroiDが始動しました。
実は結成当時からメンバーチェンジが行われており、メンバーチェンジ後は新体制として再始動。そこからは「現代社会の”ヤミ”」をコンセプトとして掲げています。
●MeteoroiDが描きだす”ヤミ”、音楽と歌詞世界
MeteoroiDが奏でる音楽は、ヴィジュアル系らしい荘厳で美しく、そして暗く重たいロックです。そこに少し不気味な和のアクセントが入っている曲も多く、どこか物悲しさを感じさせるメロディが特徴的。
出典:©2014 MeteoroiD
MeteoroiD「racrimosa」SPOT(youtube) より
そして最大の特徴は彼らのコンセプトにもある”ヤミ”です。暗めの音楽もさることながら、その”ヤミ”が最大限に発揮されているのはその歌詞。「散る」「消える」などの綺麗めな言葉から、「大嫌い」「死にたい」という直球の言葉まで、彼らはタブーを恐れることなくネガティブな言葉を歌詞に組み込んでいるのです。
2016年4月13日に発売された5thシングル「平成の”ヤミ”をお掃除しましょう。」はこれまでよりさらに濃く”ヤミ”を描いた作品です。なんと楽曲のテーマとなったのはタブー中のタブーともいえる「いじめ」。
歌詞ではいじめを受けている女子生徒がわが身の不幸をなげきながら、「必要とされたい」「生きる意味が欲しい」と切実な願いを吐露する悲しいストーリーが展開。またMVも、女子生徒が受ける現代のいじめがリアルに描かれた、なんとも胸を刺す映像作品となっています。
出典:©2014 MeteoroiD
MeteoroiD「平成の“ヤミ”をお掃除しましょう。」MV SPOT(Youtube) より
「平成の”ヤミ”をお掃除しましょう。」の作詞作曲を担当したのはギターのマチ。彼は「こういう経験をしている子からファンメールをもらうことがある。自分たちは音楽活動しかできないけれど、少しでも気持ちを救って支えてあげたい。そういう子がいるという現実を知ってほしい、目を背けてはいけない」とコメント。そういった境遇のファンへの彼からの真摯な答えこそが、タブーに踏み込んだ今作なのです。
また「平成の”ヤミ”をお掃除しましょう。」には1月に開催した東名坂ワンマンツアーにて録音したファンの歌声・映像が使用されています。その点でも、MeteoroiDがファンの感情をすくいとって、共に作り上げた作品と言えるでしょう。
●笑ってコラえてに登場!?
そんな”ヤミ”を描くMeteoroiDですが、なんと3月2日にバラエティ番組「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」に登場することとなりました。
登場したのは番組内のコーナー「待ち合わせの旅」。こちらは定番の待ち合わせスポットで待ち合わせをする人たちに密着するコーナーなのですが、ここでMeteoroiDのファンが登場。彼女たちに密着する形で、MeteoroiDのライブへとカメラが突入したのです。
そこでカメラが映したのは幻鬼によるファンへの「死んでください」シャウトやバンドギャルたちの激しいヘッドバンギングなど、バラエティとは一味違う刺激に満ちたライブの世界。山口智久さんをはじめとした番組出演者たちも、そのすさまじさに口をぽっかりと開けて驚いていました。
“ヤミ”を描くヴィジュアル系と、ゴールデンタイムのバラエティ番組という奇妙な取り合わせは、メンバーたちも面白がっていたようです。「これをきっかけにヴィジュアル系の実態やMeteoroiDを知ってもらえたら」と前向きなコメントをツイッターに投稿していました。
タブーへと果敢に踏み込み、真摯な姿勢で”ヤミ”を表現するMeteoroiD。もしかしたら、彼らの楽曲にあなたの抱えている”ヤミ”も描かれているかもしれませんよ。