祝・宙組20周年! 斬新に着実に歩んできたその歴史を振り返る<後編>

渋みと知性が魅力。5代目に君臨した大空祐飛さん

大空祐飛さんは1992年初舞台。

同期には瀬奈じゅんさん、貴城けいさん、檀れいさんがいます。1993年から月組に在籍し、天海祐希さんの時代から長く月組に在籍していましたが、2008年から1年だけ花組に在籍。

大空祐飛出典:©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ タカラヅカ・スカイ・ステージ『カサブランカ(’10年宙組・東京・千秋楽)』より重要な役どころをこなしていましたが、トップスターになるのかならないのか?という微妙な感じはありました。当時は大和悠河さんと同期の真飛聖さんがトップスターでもありましたから…。

今のスターさんでいうと、鳳月杏さんのようなかっこよさがあり、密かに人気を誇っていたスターさんでした。

独特の渋みと知性があり、ハマる人はハマるといったスター。その大空さんにパッとスポットが当たり2009年宙組に組替え、トップスターに決定します。

相手役には花組から野々すみ花さん。

芝居心が素晴らしく、三拍子揃った娘役として注目を浴びていた新進娘役でした。

2人のトップコンビお披露目公演は、名画の舞台化「カサブランカ」。

大空祐飛 野々すみ花出典:©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ タカラヅカ・スカイ・ステージ『NICE GUY!!-その男、Yによる法則-(’11年宙組・東京・千秋楽)』より君の瞳に乾杯、のセリフも美しく響きました。野々さんとも芝居心が問われる様々な作品に挑み、宙組生たちの芝居心も大空さんによって育てられたと言えます。

トップとしての任期は3年で、退団は2012年。ダンディでスタイリッシュな男役として、確かに宙組のトップスターとして君臨しました。

記憶に新しい6代目。ひたすら美しいトップスター・凰稀かなめ

次なるトップスターとなったのは、凰稀かなめさん。

凰稀かなめ出典:©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ タカラヅカ・スカイ・ステージ『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA(’12年宙組・東京・千秋楽)』よりもとは雪組に在籍しており、大空祐飛さんトップ時代に2番手として移籍してきました。

類い稀なる美貌の持ち主で、少し影のある雰囲気も持ち合わせており、雪組の香りも残していました。

思えば、初代の姿月さんは月組、2代目の和央さんは雪組出身。宙組はずっと月組と雪組の色に影響されてきたと言えます。

話を戻して凰稀かなめさんですが、憂いのある佇まいはなんとも言えず魅了されるもので、耽美的な雰囲気をもたらしました。

相手役には実咲凜音さん。実力派の美人娘役でしたが、まだ若く、凰稀さんを健気に支えていました。

凰稀かなめ出典:©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ タカラヅカ・スカイ・ステージ『ベルサイユのばら-オスカル編-(’14年宙組・東京・千秋楽)』より任期は2年半ほど。短いと思えるトップ期間ですが、「ベルばら」「風と共に去りぬ」など名作での主演に恵まれ、斬新で大胆な宙組に「宝塚らしさ」を考えさせたのではないでしょうか。

退団の時は「6代目トップスター!」と誇り高い姿を見せ、卒業されていきました。

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