宝塚からは、次々と新しいスターが誕生します。
その中でも、月組の中で鮮烈な存在感を放っているのが、風間柚乃さん(100期)。
新人公演でも主演を果たし、それ以外でも大きな役を熱演。
現在公演中の「エリザベート」では、本公演のキャストとしてルドルフ役に大抜擢!さらに、新人公演では3番手のルイジ・ルキーニ役に配され、研5には見えない実力を発揮しています。
今回のエリザベートは、途中で美弥るりかさんが休演するというアクシデントがあり、急遽本公演でも代役としてルキーニを演じた風間柚乃さん。もう一つの本公演と呼べるほど、落ち着いた舞台姿は感動を呼びました。
この経験を経て、さらに大きな男役として成長することが期待されている1人です。
今回は、風間柚乃さんの魅力についてご紹介します。
100期生・風間柚乃さんのプロフィール
出典:©宝塚歌劇団 風間 柚乃(Yuno Kazama) | 宝塚歌劇団公式サイトより
まずは、風間柚乃さんのプロフィールを簡単にご紹介しましょう。
風間柚乃さんは、2014年に初舞台を踏んだ100期生。「おだちん」の愛称で親しまれています。最初に抜擢されたのは、2017年「グランドホテル」の2番手、オットー役。そこから、新人公演・本公演で次々と重要な役を担うようになります。
2017年「All for One~ダルタニアンと太陽王~」では、本公演で物語の鍵を握る一座の青年役を爽やかに演じたほか、新人公演では3番手・ベルナルド役にて、憎めない悪役をキュートに演じました。
2018年「カンパニー」では、新人公演初主演!サラリーマン役という、タカラジェンヌとしては珍しい役どころですが、年次の若さも感じさせない落ち着いた演技で、好評を博しました。続く「THE LAST PARTY」の再演では、重要なシーンに登場する公園の学生を演じ、物語に厚みを加えました。
そして「エリザベート」では、数々のスターが演じてきた主要キャスト・ルドルフ役に大抜擢!月組生え抜きのスター・暁千星さんとの役替りで、全く違うルドルフ像を演じていると話題になっています。
さらに、新人公演・美弥るりかさん休演に伴う代役公演にてルキーニを熱演。もともとの実力もありますが、大舞台のプレッシャーに負けることなく、確かな存在感を残しています。
今後の活躍が一層期待されるタカラジェンヌです。
「グランドホテル」新人公演・オットー役に抜擢、鮮烈なデビュー
これまでの役の中から、印象的な役をいくつか振り返っていきます。まずは、初めて大役に抜擢され、いわば”デビュー”とも言える「グランドホテル」のオットー役。
オットーは、病に冒された会計士という役どころであり、演じるのが難しい役。それを美弥るりかさんが見事に演じているということもあり、新人公演のハードルは低いものではありませんでした。しかし、風間柚乃さんはファンの想像以上の好演で、鮮烈なデビューを果たしたのです。
観客を驚かせたのは、その高い演技力と、たたずまい。
長身の男役にもかかわらず、背を丸め、頼りなげな雰囲気を醸すことで、存在が小さく見えるのです。それでいて、本質をついた演技は、大きなスターの登場を予感させました。
ダンスも歌唱も難しいナンバーが多いこの公演ですが、新人公演とは思えないレベルでクリアしていたのは、流石の一言。風間柚乃さんは入団当初から注目されていた存在でもありますが、この新人公演を経ることで、今後の活躍が約束されたとも言えるでしょう。
[next_heading title=ルドルフ/ルキーニに挑む、「エリザベート」]