宝塚の新時代を率いる女神。奇跡の娘役・愛希れいかの歩み(後編)

道を広げてくれた、最愛の人を見送って…。

2016年は愛希さんにとって大きな転換の時期でした。相手役として共に歩んできた龍真咲さんが退団することになったのです。

圧倒的な輝きを放つ龍真咲さんは、愛希さんにとって娘役トップへと導き、愛希さんを随一のヒロインとして育て上げた人。まさに育ての親であり”最愛の人”でした。

龍さんの意思を次代に繋げていくことを決め、愛希さんは残留を決意したのです。
愛希れいか
出典:©宝塚歌劇団 公式HP 月組公演『NOBUNAGA<信長> -下天の夢-』より
龍さんの最後の公演「NOBUNAGA<信長> -下天の夢-」では帰蝶という役で、恩人の最後に鮮やかに花を添えました。

一期違いのトップスター珠城りょうを支えつつ、自らも輝いて。

龍さんの後を継ぎ、トップスターとなったのは珠城りょうさん。

お披露目公演の「グランドホテル」では、ベテランのバレリーナ役を、容姿・演技共に説得力あるものとして見せ、「さすが!」とファンをうならせました。

珠城りょうさん演じるフェリックス男爵よりも10歳ほど年上の役。実際には珠城さんより1期下の学年ですが、舞台人としては一日の長を見せ、珠城さんをリードしている風に見えました。
愛希れいか
出典:©宝塚歌劇団 公式HP 月組公演『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲(ロンド)』より
龍さんから引き継いだ舞台への姿勢や思いを見事に引き継ぎ、新たな時代の「グランドホテル」を珠城さんとともに創り上げ、月組を確かに明るい未来へ導いています。

様々な時代を乗り越え、娘役のトップオブトップとして、円熟期を迎えた愛希さん。

次なる月組公演「All For One」ではなんと太陽王・ルイ14世…。エェッ、男役?! と期待と謎は深まるばかり!!

記者会見でも堂々たる演技を見せてくれましたが…。一体どうなるのでしょうか。期待の方が勝ちますよね。

出典:©宝塚歌劇団 月組公演『All for One』制作発表会 パフォーマンス(ノーカット)より
龍さんに導かれトップとなり、今では月組を導いている女神と言える愛希さん。

新たな時代の、宝塚を牽引し、さらに輝いていくことでしょう。

著者:すみれ文案