雪組生最後の大劇場公演「私立探偵ケイレブ・ハント / Gratest Hits」から感じた愛
雪組生として、最後の大劇場公演「私立探偵ケイレブ・ハント / Gratest Hits」は、月城かなとさんへの愛と期待が詰まった舞台でした。
まず、「私立探偵ケイレブ・ハント」では、主人公の敵役・マクシミリアン役を熱演。
通常、お芝居における敵役は、2番手が演じることも多い重要なポジションです。今後の活躍が期待されるスターでなければ、こういった配役にはならないでしょう。月城さんにとっても、”悪役”は新鮮な挑戦となり、雪組最後にして新しい表情を見せてくれました。
出典:©TakarazukaRevueCompany
雪組公演『私立探偵ケイレブ・ハント』『Greatest HITS!』初日舞台映像(ロング)
そしてなにより、ショー「Gratest Hits」。
まるで卒業する公演ではないか?と思うほど、さまざまな場面で活躍し、組子やプロデューサー、演出家からの愛を感じました。
クリスマスメドレーの幕を開ける”トナカイ”に扮装しての一場面は、早霧せいなさん・鳳翔大さんとともに毎日違ったアドリブを披露。
東京公演の大千秋楽では「これから離れ離れになっても、元気でな!」というエールが送られ、客席から温かい拍手が起きました。
また、フィナーレのロケット前には1人で銀橋を渡り、エトワールでも想いのこもった力強い歌を披露するなど、雪組の月城かなととして最高の姿を見せてくれたことが忘れられません。
月組・月城かなとに期待するもの
2017年2月20日、自身の主演公演「New Wave-雪-」を終え、月城かなとさんは月組へと旅立ちます。
珠城りょうさんがトップスターとなった新生月組では、包容力ある珠城りょうさん、キャリアを詰んだ最強娘役愛希れいかさん、妖艶さが魅力の美弥るりかさん…と、個性の違うスターに囲まれることになります。
出典:©宝塚歌劇団
月組公演 『瑠璃色の刻(とき)』 より
和物の雪組で育ち、端正な美貌と誠実なお芝居が魅力の月城さんは、月組へ新しい風を吹き込んでくれるはず。日本物が上演される際には、その経験を遺憾なく発揮してくれることでしょう。
月組は組としての結束力が素晴らしいと思うので、そこにしっかり溶け込みつつ、”個”としての魅力を磨いて欲しいですね。
一人ひとりのお芝居力が高いのはもちろん、ショーでのアピールが魅力的なタカラジェンヌが勢揃いしている月組ですから、月城さんも多くのことを学び、一回りも二回りも大きなスターになることを期待しています。
月城かなとのさらなる飛翔に期待!
月城 かなと(Kanato Tsukishiro)るろうに剣心 舞台写真 | 宝塚歌劇公式ホームページ
(c)宝塚歌劇団
組替えにより、月城かなとさんの新たな魅力も開花するはず!
美弥るりかさん主演「瑠璃色の刻」、そして大劇場デビュー「ALL FOR ONE」と、月組の演目も魅力的なものが控えています。
組替えをするとは言え、宝塚は1つ。雪組で培った「絆」パワーで、これからもさらなる活躍を期待しています。
著者:海野りんご