4.雪組トップ早霧せいなさんの憧れ、小気味が良いダンスで観客をくすぐった安寿ミラ
1990年代のスターの中でダンサーといえば安寿ミラさん。

出典:©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ タカラヅカ・スカイ・ステージ 安寿ミラ ダンスアクト FEMALE vol.13(’16年・新宿BLAZE)より
小柄で華奢、美貌のトップスターでしたが、彼女の魅力は何と言ってもダンスでした。
お披露目公演の「スパルタカス」で、相手役の森奈みはるさんとのデュエットは溌剌として美しく、本当に素晴らしい場面でした。「火の鳥」や「メガヴィジョン」などのショーでも、キレ良く小気味良いダンスで、観客を爽快な気持ちにさせてくれました。
現在は振付家としても活躍。
タカラヅカのショー作品の振り付けを担当することもあります。雪組トップスターの早霧せいなさんは、同郷ということもあり、安寿さんを慕う一人でもあります。
5.宙組トップ朝夏まなとも敬愛。伝説のダンサー・大浦みずき

出典:©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ タカラヅカ・スカイ・ステージ アンダーライン(’83年花組・バウ)より
蘭寿とむ、朝海ひかる、安寿ミラ…。いわゆる「ダンスの花組」から、ダンサーなトップスターたちが多く生まれたのですが、その元祖は大浦みずきさんです。
1975年に初舞台を踏んだ大浦さんは、入団前からバレリーナとしてその才能を発揮していたといいます。ダンスを武器にスター街道を歩んだ大浦さん。
花組2番手時代には1986年「メモアール・ド・パリ」の「パッツィの館」などで話題を呼びました。このシーンは近年、宙組で再演もされています。
トップスターになってからは、ダンスの本場ニューヨークで絶賛されるなど、数々の伝説を残しています。
残念ながら大浦さんは2009年に逝去されたので、生の舞台姿を拝むことはもうできません。
しかし大浦みずきさんが下級生達に教え込んだダンスのセオリーは、花組から宝塚歌劇団全体に引き継がれているようです。
黒燕尾の男役による大階段での一糸乱れぬダンスは、大浦さん率いる花組の名物シーンでしたが、今では全組のショーで観ることができました。大浦さんの功績ですね。
今現在活躍するスターの中にも大浦さんファンがいます。
それは宙組トップスターの朝夏まなとさん。

出典:©宝塚歌劇団 2017年宙組公演『王妃の館 -Château de la Reine-』『VIVA! FESTA!』より
宝塚ファン時代のなかった朝夏さんが昔のビデオで観てトリコになったのが、大浦みずきさんだそうで、「大浦さんのきれいな脚さばきは引き継いでいかなくてはならない」と語っています。(出典©宝塚クリエイティブアーツ TAKARAZUKA REVUE 2016より引用)
男役トップスターのダンスは芯に「伝統」という柱が通っている!!

出典:©宝塚歌劇団 2017年宙組公演『王妃の館 -Château de la Reine-』『VIVA! FESTA!』より
ダンスが上手な男役は数あれど、トップスターとして輝く人はタカラヅカのダンスの伝統をしっかりと引き継いで魅せてくれている気がします。
次代のスターでも素晴らしいダンスで観客をうならせるスターさんの誕生とその活躍が楽しみですね!
著者:すみれ文案